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長文の質問、読みますか? (長文です)
(前置き) もう早いもので、あと2ヶ月もしないうちに平成23年の年末を迎えることとなりました。年末の風物詩といえば、クリスマス、酉の市、デパートの大売出し、大掃除がありますが、なんと言ってもはずせないのが年越し蕎麦でしょう。 年越し蕎麦がはずせないのは「長い」ので「縁起」がいいからです 「細くて長い」蕎麦は「細く長く達者に暮らせることを願う」に通じ、縁起がよろしいという話があります。 そんなことをつぶやいてみると「なんでい、それなら横浜中華街の東新飯店のチャーシューメンなら、太いし具もいっぱいでチャーハンと漬物もついてくるから、よっぽど縁起がいいやい」とか「俺は太くて短いのが好きなのでうどんのほうがいいや」なんて言い出す若い者も出てくる始末です。 どうも、長いことイコールいいことと言うのは全世代共通ではないようです。もしかしたら同じ世代の中でも意見は違うかもしれません。 (第1章) 私なんぞは、「長寿」「長生」「長命」など「長い」はという言葉は、縁起がいいと思っております。 が、この間、通りすがりにひょいと本屋をのぞきましたところ、なんと文章でも長いものは敬遠されてしまうのかな、そして短いものが重宝されているのかもなという気になってまいりました。 さて、ビジネス書や学術書のベストセラーコーナーをちらと見てみれば、「『A4一枚』できる人のビジネス文書テクニック」、「仕事の文章は3行でまとめなさい」「短く書く仕事文の技術―削り方・磨き方・仕上げ方」「『たった一行』で思いどおりに仕事を動かすメールの書き方・返し方」などなど。 伝えるべきことをどのようにして短い文章でまとめるかというノウハウ本ばかりが目に付いてしまいます。 短文作成のノウハウ本ではありませんが同じくベストセラーコーナーに平積みされている中谷彰宏の「なぜあの人は人前で話すのがうまいのか」などをパラパラとめくってみると、短文を上手に積み重ねて文章を作っています。 著者のもともとの文才もあるのでしょうが、訴えたいことのエッセンスを凝縮させ短文にまとめあげていることは、この本の読みやすさとは無関係ではないでしょう。 同じく書店の文芸のコーナーに行っても、1冊で完結する短編集か中篇で何冊にもわたって物語が続くような作品は多くありません。ここ2~3年でベストセラーに長編はBOOK3まで出た村上春樹の「1Q84」とあと数作品くらいではないかと思います さて、短文を書くためのノウハウ本があるのならば、長文を構成するためのノウハウ本の立場やいかに?と思ってみると「原稿用紙10枚を書く力」、「1時間の公演・スピーチが上手にできる本」など数冊が一般書の中に見える程度で、寂しいものです。 文芸書のコーナーでもトルストイの「戦争と平和」が全巻そろっていればいいほうで、スタンダールの「赤と黒」、ドストエフスキーの「罪と罰」など、世界史の時代に学んだ名作長編小説が棚に一部ずつ置いてある程度です。 どうやら文芸書でも長文はあまり人気がないようです。 昭和の時代に「スカートとスピーチは短いほどいい」という言葉がありましたが、平成の御世となった今、長文の影もっともっと薄くなったということを実感せずにはいられませんでした。 (第2章) そういえば、若い人やITに強い人に今人気のツイッターというサイトがあります。 そこでの1ツイート(つぶやき、発言:大本の意味はさえずり)でできる投稿の文字制限数は、わずか140文字です。 もちろん、連続投稿をして長文を作成することも可能ですが、最新投稿順に表示されるので、ほとんどの投稿が140文字以内で完結しています。 比較のために、手元の文庫本「1973年のピンボール」(村上春樹著)を手にとって見ました。 改行などを除いて1ページ当たり41文字×15行で615文字です。 つまり、ツイートする人たちは、文学の文庫本の4分の1未満の文字数で言いたいことをタイムリーに伝えなくてはならないのですな。 さらに独特の略語があり文書は更に短くなる傾向にあるようです。 雄大な風景や感動を5・7・5の12文字に凝縮する俳句や、時事問題を同じく5・7・5に収める川柳に比べれば制限は少ないですし、単なる「おはよう」や「○○○なう(今、○○しています)」などの、情報発信や発言とはいえないツイートも多々存在しますが、それでも言いたいことを的確に短く伝える能力、言うなれば「短文力」が発揮されています。 ツイッターはもちろん、文字制限の比較的緩やかなブログでも長い文章は敬遠される傾向になるようです。 (第3章) ここ数年の情報技術の進化は2つのパラドキシカル(逆説的)な現象を生み出しました。 ひとつは、ツイッターやブログの様な長文が敬遠される情報伝達手段を出現せしめたということ。 そしてもうひとつは「同時に」、20億文字以上の情報が小指の爪以下の大きさのマイクロSDカードに収納できる技術の出現やハードディスクをはじめとする記録媒体の容量あたり単価の劇的な下落です。 2000年ころには小売価格1万円くらいで10GBのハードディスクが入手できました。現在(2011年11月)では記録的な高騰といわれつつも同じ1万円で2TBのハードディスクが手に入ります。 容量辺りの単価は10年強で200分の1になっています。 (さらに遡って1980年ころ40MBのハードディスクが10万円程度したことと比較すれば、容量あたり単価は約30年で50万分の1になったことになります。) 情報技術の進化により長文を格納できる場所は、安価に大容量が実現できた。 それなのにその進化はその長文をつくってもそれを好んで読む人が出てこないという状況もつくりだしてしまったみたいですね。 (第4章) 実は2000年ころでもインターネットでも長文は敬遠されていました。 さて、そのころのインターネットは、接続速度も遅く、接続時間に合わせて課金されるのが普通でした。 一般的だったISDNインターネット接続の速度は64.4KBps(低速ADSLの24MBpsに比較して400分の1)、しかも1分あたり10円くらいの接続料金がかかりました。 つまり、長文を読むということはそれだけ、インターネット接続料金がかかるということであり、掲示板の書き込みやメールもなるべく短文で済ませるというのがマナーは、今以上に厳しかったかもしれません。 では、なぜ「コンピューターに長文が収納可能になった」ことと「長文が敬遠されるようになった」ことが同時に起こったのか、しかも「通信速度は速くなっているのに」と言うと、これは情報の発信者が今世紀初頭に比べ飛躍的に増加したと言うことにあります。 (第5章) 一昔前、といってもたった10年前ですがブロードバンドが家庭に普及していなかった時代は、一番情報の発信頻度の高い文字メディアは1日2回の新聞だったと思います。 今では数分に1回ニュースサイトが更新されています。 これだけ更新の頻度と速報性が劇的に変化したのですね。 不特定多数の人が、即時に、(また多くの場合は匿名で)、頻繁に、文章を発信できることによって、一人当たりの情報の発信回数は増えた。 これだけ情報の発信頻度が高ければ、一人ひとりの発言の内容まで細かく読んでいられない、大事なところだけ、興味のあるところだけ拾い読みしなければ、日々いや「秒々」発信される情報に接することは不可能でしょう。 ゆえに、いかに記憶媒体の単価が安くなろうと、通信速度が速くなろうと、長文は歓迎されないといったところでしょう。 さらにスマートフォン以外の一般の携帯電話から閲覧する人にとっては、何度もスクロールをする長文はわずらわしいことでしょう。 (第6章) と、以上のことを考えてみると、この質問サイトの4000文字と言う質問の文字制限は非常にゆるいです。 ツイッターの130文字と比べては質問サイトとして成り立たないでしょうから、一般的な文書と比べて見ましょう。 4000文字の文書は、マイクロソフトワードのデフォルトの書式設定を使えば、A4サイズで4ページを超えます。手書きで書けば、原稿用紙10枚分です。 縦表示900ドットのパソコンのディスプレイに表示させようとすれば5分の1くらいしか表示できません。 文学作品に置き換えてみるとSF作家の故星新一先生のショートショートなら2編書ける、文庫本なら4ページ弱が埋まる文量です。 このサイトができたのがナローバンド(一言で言うと「速度の遅い通信」)全盛の時代の2001年ころですから、わざわざ制限を設けなくても4000文字もの長文の質問はなかったのでしょう。 まあ、今になっても改定していないのは、どうせ4000文字もの長文の質問を書くアホなんているまいとタカをくくっているに違いありません。 実際、「(長文です)」とタイトルにある質問をいくつかクリックしてみてもそれだけ長文の質問は見たことがありません。 しかし、ここの質問欄の文字数制限いっぱいに書かなければならないような質問が果たして実際に存在するのか、そんな長文の疑問を持っている人はこのサイトに利用して質問をするのか、そんな長い質問が投稿されることを果たしてOKウェーブは想定しているのかと疑問はつきませんが、これは質問(アンケート)の本題ではありません。 (第7章(本題)) さて、本題です。 この質問読みましたか? (1) 一部だけ読んだ (2) 全文読んだ (3) 全文を読んだけど流し読み (4) 結論だけ読んだ (5) その他 *これで4000文字ちょうど。
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