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物理の電気の範囲での疑問について解説します
- 物理の電気の範囲で疑問に思っていることについて解説します。電荷や素粒子の電荷の最小単位、電荷の移動の仕組み、電場の強さについて説明します。また、一様な電場や金属板の電気力線についても触れます。
- 電荷についての疑問に答えます。電荷の定義や、物体が電荷を帯びる仕組みについて詳しく説明します。また、電荷の最小単位や素粒子の電荷についても触れます。
- 電荷や電場についての疑問について解説します。電荷の移動の仕組みや電場の強さについて分かりやすく説明します。一様な電場や金属板の電気力線についても触れます。さらに、おすすめの解説書もご紹介します。
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(1) >どうやって正の電荷を与えるの? 電荷を与える方法はいろいろですね。たとえば、 ・最も単純なのは、摩擦電気を起こしてやることです。その結果物質Aが正(または負)の電荷を帯びるようになったら、「Aに正(または負)の電荷を与えた」と言って良いのです。 ・帯電体を金属などの導体に近づけて静電誘導を起こして、正または負の電荷を持たせる方法。 正(または負)に帯電している物体を、導体Aに近づけ、そのままでAに手を触れてから手を離す。これで、導体は負(または正)の電気を帯びるようになります。これで、導体に負(または正)の電荷を与えたことになります。 >「正の電荷とは」 すべての物質は、原子からなり、通常の原子では、正の電荷を持つ陽子(その電荷量の絶対値を電気素量と呼びますね)の個数と、負の電気素量を持つ電子の個数とが一致しているので、全体としては電気的に中性ですね。ですから、通常の物質も電気的に中性です。 ところが、物質Aを構成している原子のいくつかが、いくつかの電子を他の物質Bに奪われてしまったとしたら、A,Bは電気的なバランスを崩し、Aは正の,Bは負の電荷を持つようになるはずです。 このとき、Aの物質を、「正の電荷を持つ物質」或いは単に「正の電荷」と呼ぶのです。 例外もあるのですが、イメージとして考えるなら 電子を失った物質=正の電荷 電子を得た物質(或いは電子そのもの)=負の電荷 で良いのではないでしょうか。 >「正の電荷はどのくらいの量、このスイッチを通過したか?」というような問題がありますが、これは何かの(金属の)原子核が銅線中を通っているということなのですか?私は、原子核は銅線中を自由電子のように動けないと思っていたのですが・・・。 銅線の中であるなら、"移動する正の電荷"というものは考えられませんね。本当に移動しているのは負の電荷を持った自由電子です。でも、私たちは電子の1個1個を見ているわけではありません。テスターなどの機器によって、電荷が移動してることを知るだけなのです。この文脈では、自由電子が右へ移動してるなら、「負の電荷が右へ移動している」と言っても良いし、「正の電荷が左へ移動している」と言っても良いのです。このようなことを頭の中では「理解」しながらも、「正の電荷がスイッチを左へ通過した」と表現するだけなのです。 (2)電荷の大きさの最小単位は e=1.60*10^-19 と書いてありましたが、なぜ素粒子などは分数の値なのでしょうか? 最小単位としてはこちらを基準にしたほうがいいのではと思ってしまいます。 後世の私たちから見れば、そう思うのも尤もなのですが、歴史的経緯から今のようになっているだけです。 丁度、電流の方向を正の電荷の流れる方向と定めたけれども、通常の金属などの導体では、負の電荷が流れていたことがわかった。でも、負の電荷の流れる方向を電流の方向として定義し直す意義はそれほど大きくはないので、昔ながらの定義を踏襲しているのと似ていますね。 >なぜこうなっているのかの予想としては、電子、原子核の電荷の値を最小と定めた後にクォークなどの素粒子が発見されたから はい、その通りです。 (3) >物と物をこすり合わせると、電子が一方の物体に移り(略)こすっただけで電子が移動してしまうの? 物質によって、電子を吸収する傾向が強いものと弱いものとがあるようです。これらを擦り合わせると、後者から前者に向かって電子が移動するようです。電子を吸収する傾向がなぜ生じるか、またその性質の強弱がどのように決まるのかは、物性物理学などの専門分野で研究がなされているようですね。 (4) >一様な電場。文字どおりの意味なんだなとは思います。しかし、実感が持てません。 実感が持てなくても、そのような電場が実際に在ることはご存じですよね。要は、それをどのようなイメージで「納得」するかということでしょうか。これは(5)とも関連しますからまとめて書きます。 空間に、1直線上に、順にA,B,C点を等間隔に取ってみます。各点には同じ量の電荷が置かれています。 もし、各点の電荷だけがそれだけで単独に在るとしたら、これが作る電場は、各点を中心として放射状に広がっているはずです。しかし、いまは近くに別の電荷がありそれぞれが電場を作っていますから、空間全体としては、これらの電場の合計(ベクトル和)となっています。 Bの真上の任意の点Pを思い浮かべて下さい。 直線BP上の電場はどうなっているでしょうか? Aが作る電場はAPの向きでE1の大きさ,Cが作る電場はCPの向きでE1の大きさです。(AP=CPですから、大きさは一致しています)Bが作る電場はBPの向きでE0。これらのベクトル和は、明らかにBPの向きになっています。A,Cが作る電場の、BPに対して垂直な方向成分が、互いに打ち消し合いますから、直線ABCに対して垂直な方向です。 さて、これを踏まえて、今度は、無限に広い導体面を用意し、均一に電荷を与えてみます。導体上に直線を考え、そこに等間隔にA,B,Cを取ってみると、先に考えた状況が成り立っていますから、Bの真上の点Pにおける電場は導体面に対して垂直な方向ですね。実はBの真上の点Pだけでなく、A,Cの真上でも或いは他の任意の点でも、状況は同じですから、導体面上の電荷が作る電場の方向は、至る所で導体面に対して垂直だ、ということになるでしょう。電場を電気力線で描いて見ると、電気力線は互いに平行で、導体面に垂直になっている、そんな電場です。電気力線は、等間隔になっていることも想像できますよね。どこもかしこも完全に同じ状況なのですから、特定の位置で電気力線が他より混み合っている等ということはあり得ません。電場の強さは電気力線の混み具合ですから、空間の至る所で電場は同じ大きさでないとおかしいことになります※。まさに、これが一様電場、なのです。 導体面をもう1枚持ってきて互いに平行において、正負が逆の電荷を与えたとしたら、上に述べた状況から推測できるように、導体面間の空間には一様な電場ができていることでしょう。 さて、もう一度無限に広い導体面の例に戻りましょう。いま、導体面を、ある直線で2分し、片方を取り除いてみたらどうなるでしょうか? 切り取られた境界付近の電場は? 右は電荷が無数に在る環境、左は電荷が全く無い環境です。取り除く前にはここでも電場は面に垂直な方向を持っていましたが、それは右側の電荷が作る電場と左側の電荷が作る電場とが互いに一部を打ち消し合って、結果、垂直な方向のみが残ったのでした。左側の電荷がなくなったら、右側の電荷による電場しかないので、電場の方向は左に傾いたものにならざるをえません。 2枚の導体からなる平行板コンデンサーでも状況は似ています。極板の端当たりでは、電場は極板面に垂直ではありえず,外側に膨らんだものとなることは想像できることでしょう。教科書などには、これが描かれていたりするのではないでしょうか。 ※電場の強さについては、各点の電荷が、任意の点に作る電場を計算(積分を実行)しなければなりませんが、詳しい計算によれば、導体面からの距離に関係なく一定の大きさになることがわかっています。 何か適当な書籍を、とのことでしたが、残念ながらそのような書籍は無いでしょう。すべてを書き尽くしたものなど、著しようがありません。書店やこうしたサイトなどを探して、自分の目で見、考え、理解していくしか方法はありません。だれもがこうして知識を得てきたのですから、質問者さんも、同じ途を歩むしかないと思います。 学習するとき、すべてを理解しないと次へ進めないという方がいますが、場合によっては、わからない点が有っても、取り敢えず次に進んでみるということがあっても良いと思います。後から、「ああこれが先の疑問の答かぁ」と気付くことって有るのですから。どうしても行き詰まるなら、徹底的に考え抜くしか無いですけど。
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- DJ-Potato
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(1) 電子より陽子が多い粒子は、正の電荷をもちますね。 陽イオンとか。 (2) たぶんそういうことだと思います。 (3) もともと物質には電子を蓄えやすいものと蓄えにくいものがあって、擦り合わせると、蓄えにくいものから蓄えやすいものに電子が移るのです。 接触させるだけではダメで、擦るといいのは、缶ジュースを早く冷やすには氷の中で回す、とか、扇風機の前にもっていくとアイスがすぐ溶ける、とかのと同じようなイメージでしょう。 (4) 点電荷は放射線状に電気力線が伸びているので、遠くなると密度が小さくなります。 (5)のような状態にすると、平行に並ぶのでどこまで行っても一様になるんです。 重力線の場合は、星とか、基本的に点重力荷で、一様な重力場とか実感しにくいですね。 ただ、地球上にいる限りは、本当は放射状だけど、どこまで行っても下向きに平行に重力線がある、ようなものですよね。 地球上から物を水平に投射したら、軌道は楕円になりますが、重力場を一様と近似して、放物線という起動が現れるわけです。 (5) そんな感じだと思います。
お礼
回答ありがとうございました。 点電荷の電場・一様な電場を、それぞれ惑星レベルでの重力場・地球上での重力場にたとえた説明がとてもよくわかりました! この回答を見てから、参考書や教科書を見て、「なるほど!」と思えるレベルまでになりました。 本当にありがとうございました!
お礼
まずはじめに、 「こんなに長い文章を書いていただきどうもありがとうございました!」 私の質問の一つ一つに、ここまで分かりやすく解説していただけるとは思いませんでした。 すべての疑問が、綺麗になくなりました!! 解説うますぎです。 本当にありがとうございました。