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半導体のpn接合 エネルギーバンド

pn接合に順方向に外部電圧Vを印加したとき、エネルギーバンド図は空乏層付近で曲がりますが、そこ以外では曲がらないように扱われるのはどうしてですか?本当は空乏層以外でも曲がっているけど、空乏層付近だけ曲がったほうが都合がよいからだと思っているのですが、他に大きな理由があるんでしょうか?できるだけ詳しくお願いします。

みんなの回答

  • semikuma
  • ベストアンサー率62% (156/251)
回答No.1

こういう基本的なところを理解していないのは困りますね。 先ずエネルギーバンド図の縦軸は、文字通り電子のエネルギー準位を表します。 電子のエネルギーはeV(1eV=1.6e(-19)J)で表されるので、言い換えれば、バンド図の縦軸は半導体内の電位を表します。 次に、これは初学者が勘違いしやすいところですが、半導体はP型であれN型であれ、何もしなければ(外部から電界をかけなければ)、電気的に中性です。 これは、半導体を構成する原子の陽子の数と電子の数が一致しているためです。 だから、N型半導体から多数キャリアの電子が流れ去れば、後には陽子の数が過剰となるので+の空間電荷が残るし、P型半導体からホールが流れ去れば、後には電子の数が過剰となり(III族原子の4本の電子軌道に、本来は7個の電子でよいものが8個の電子が占めてしまうため)、-の空間電荷が生じます。 P型半導体とN型半導体を接合すると、N型半導体からは電子がP型層へ流れてホールを埋め、P型半導体からはN型層へホールが流れて電子を吸収するので、界面付近のP型層は-、N型層は+の空間電荷層が生じます。 空間電荷層にはキャリアがいないので、別名「空乏層」とも呼ばれます。 そして-に帯電したP型層は電位が高くなり、エネルギー図の上へ、N型層は下へ移動し、中間の空乏層のバンドが曲がります。 この、P型層とN型層を接合しただけで生じる電位を「内蔵電位」といい、外部電圧を加えると、この内蔵電位が拡大または縮小して、拡散電流が制御されます。 空乏層の外にはキャリアがいっぱいいるので等電位となり、外部電圧をかけても『バンドは曲がりません』。 これは、電線の中は等電位であり電界が生じないのと同じことです。 # まあ、抵抗により微小な電位差は生じますが。 バンドの曲がり具合は、ポアソンの方程式から簡単に計算できます。 (一次元の場合)  dE/dX=-qN/ε  E=dV/dX E:電界、V:電圧(電位)、X:距離、q:電荷、N:空間電荷密度、ε:誘電率 従って空間電荷が一様に分布している場合、電位(エネルギーバンド)は二次関数的に曲がります。 

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