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セントラルドグマについて
アデニン、シトシン、グアニン、チミンの組み合わせにより地球上すべての生物を表現できる仕組みって一体どうなっているのでしょうか?? セントラルドグマが関係していると聞いたのですがよくわかりません;;
- asitawaharerune
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セントラルドグマというのは、「情報(遺伝情報)はDNA→RNA→タンパク質の順に伝達され、逆向きの情報伝達は存在しない」という意味です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%B0%E3%83%9E RNAに複写された情報がいくつもに切られて別々のタンパク質をコードする、というのは別にセントラルドグマの概念には反しません。DNA→RNA→タンパク質という「遺伝情報の一方通行」には変わりないので。 セントラルドグマの例外は、RNAからDNAに逆転写をする酵素(逆転写酵素)の存在です。レトロウイルス(エイズの原因ウイルスであるHIVや白血病ウイルス等がある)が持っていて、レトロウイルスは自らの遺伝子であるRNAをDNAに逆転写し、そのDNAを感染した宿主細胞(主にリンパ球)のゲノムに組み込んでしまいます。 別に塩基配列(塩基連鎖などという言葉はない)が判れば生物を再現できる、というような意味は元々含んでいません。 さて、A,G,C,Tの話ですが、この3つの組み合わせで1つのアミノ酸を指定している、ということは高校の生物で習ったと思います。 つまり遺伝子の塩基配列は「アミノ酸配列」を意味しているわけです。 いくつものアミノ酸が3次元構造を持って繋がってタンパク質を作ります。 つまり、遺伝子の塩基配列は「タンパク質」をコードしているわけです。 遺伝子がコードするタンパク質の大半は「酵素」です。酵素というのは、これも中学か高校の生物で習ったと思いますが、「ある特定の化学反応を仲介、促進するタンパク質」です。生体内で起きているありとあらゆる「化学反応」に酵素が関与していて、その酵素を遺伝子がコードしているわけです。 つまり例えばカルシウムでできている骨ですが、この骨の構造を遺伝子が直接コードしているわけではありません。「カルシウムを原材料に骨を作る反応を仲介する酵素」をコードしているわけです。 この最も基礎となる「塩基配列3つで1つのアミノ酸を指定する」暗号ですが、例えばGCCでアラニンを指定するといった「暗号表」は地球上の全生物がほぼ共通のものを使っています。 地球上の全生物が4種類の塩基の配列という「共通の暗号」で作られている、ということです。 ですからよく、「遺伝子は生物の設計図」という言い方をしますが、これはあまり正しい表現ではありません。 端的に言えば、遺伝子が生物の体を直接コードしているわけではないからです。 また、「設計図」であれば、「完成したモノ」から基の設計図を再び引くことができるのですが、これはセントラルドグマの概念に反することです。実際、生物の体をいくら丹念に調べてもDNAの塩基配列を推測することはできません。 例えばパンを例に挙げます。 パンを、デンプンがどれだけ、タンパク質どれだけの直径何mmの粒子がこれだけの密度で存在する物体、という表記をすればそれは「設計図」ですよね。設計図を基にパンを定義することができますし、パンから「設計図」を書くことも可能です。現実的にはほとんど不可能ですが理論的には可能です。 遺伝子はそういう「書き方」はされていません。 遺伝子に書かれているのは、「小麦粉何gを何mlの水に溶いて塩を入れて・・・云々」という、「パンの作り方」です。 まあ要するに「レシピ」ですね。 レシピの場合、パンから「レシピ」を再現することはできません。 「強火で炊いて沸騰したら弱火にする」というような複雑なプログラムも記述可能です。 「火を強くする」、「火を弱くする」、「火を強くするという命令を出す」、「火を弱くするという命令を出す」のそれぞれに「酵素」が割り当てられると考えてみてください。 最初は「火を強くする命令」を出して「火を強くする」酵素が仕事をし、沸騰したら「火を弱くする命令を出す」酵素を作るスイッチが入るようにしておけば、連鎖的に「火を弱くする」酵素が働いて弱火にできるわけです。 その結果できあがったご飯を直接「設計図」で定義するより、レシピの方が遙かに効率的で間違いがなく、なおかつ単純な言語で無限のバリエーションを生み出すことができる方法でしょ? というわけで、AGCTの4つの塩基の配列だけで、地球上の全ての生物を表現することが可能、というわけです。具体的な「レシピ」そのものはまだ判っていないことの方が多いですけども。
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>アデニン、シトシン、グアニン、チミンの組み合わせにより地球上すべての生物を表現できる その事を「セントラルドグマ」と言います。 もっと極端にい言えば、 「DNAの塩基連鎖が分かればその生物を作ることが出来る」という「信念」でした。 それだけでは充分でない、というのが現在のパラダイムです。 つまり、「DNAの塩基連鎖が分かるだけでは全てが解明される訳ではない。」 ということです。 例えば、RNAに複写された一つの情報が幾つにも切られて別々の酵素を作るなどという考え方はセントラルドグマに反しますが、実際にはそれが起きているのです。
お礼
分かりやすい説明ありがとうございました! すごく助かりました!
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