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反転分布密度の上昇について

お世話になります。 レーザーの反転分布密度について、励起していくときの密度の上昇が数百マイクロ秒くらいと、ゆっくりしたカーブを描きますが、これはなぜでしょうか。 励起した瞬間にレーザー結晶は最大の反転分布密度になると思うのですが。 詳しい方ご教示願います。

みんなの回答

回答No.2

レーザ関連の専門書で、レート方程式(速度方程式)の項目を参照して下さい。 レート方程式は、注入されたキャリア数、レーザ媒質の吸収確率、及びその遷移確率をパラメータとして、レーザの出力を求める方程式として、レーザ関連の専門書に必須の項目として挙げられております。この方程式によって、レーザの光出力を理論的に算出できます。  回答が大幅に遅れまして申し訳ございません。

回答No.1

 まず、力学的な考察からしても、基底状態にある有効質量m*の電子が、励起エネルギーUをもらって励起する場合、U=(1/2)m*V^2の関係から、有限の速度Vで励起状態に遷移するので、瞬時に励起状態に遷移することは、物理的にありえないことであることが直感的に理解できるかと思われます。  この場合は量子論的考察が必要なのですが、基底状態から励起状態に遷移することは、励起状態の状態密度や、電子の波動関数分布(波動関数の振幅の自乗の絶対値で、電子の存在確率が与えられる)の状態などから決まる確率論的な議論が必要です。運動量空間上において、励起される状態と電子の位置が一致したとき、初めて励起されるわけですが、その位置に電子が存在しなければ当然励起は起こりません。そういうこともあって、励起には一定の時間(緩和時間)が必要になるのです。  もし仮に、励起した瞬間に電子が励起状態に遷移し、なおかつ再結合までの緩和時間もまたゼロである極限を考えると、そのレーザ媒質は振動子強度(光出力)が無限大に発散することになり、現実のレーザではありえないことになってしまいます。励起・再結合の緩和時間は、レーザ媒質の種類や、活性領域の構造(量子井戸半導体レーザなどでは、量子井戸のサイズや個数など)によって変化するものです。

okada2728
質問者

補足

BOMBARDMENT様 早速のご回答ならびに詳細なご説明ありがとうございます。 そうしますと、緩和時間のスケールで反転分布が上昇していくということで、その理論式はどのように表されるのでしょうか、もしくは参考となる書物があればご教示いただければありがたいのですが。 よろしくお願いいたします。

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