- ベストアンサー
611条1項
611条1項は536条1項の特則とされていますが、請求しなければ減額され ないのは何故なのでしょうか? 大した意味はなく、2項の解除も意思表示が必要なので、それとのバランスを とったと言われることもあるようですが、合理性には疑問があるのでしょうか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
この条文に疑問を持つとは、少し失礼な言い方かもしれないが、本質的な嗅覚が優れている気がする。 内田の民法を適当に引用すると、 611条1項は滅失部分の割合に応じた賃料減額を「請求できる」と規定しており、ここから減額請求権があるとする説もある。しかし、使用・収益ができないのに請求しないと減額されないというのはおかしい。危険負担の原則である536条1項は当然に減額としている。 よって、611条は限定的に解釈し、修繕義務の不履行によって不便が生じている場合は、使用・収益が妨げられた割合に応じて賃料債権が当然に減額されると解すべき(最判昭43.11.21は使用収益が妨げられた割合に応じて賃料の一部の支払いを拒みうるとする) ただ、現実には家屋の賃貸借の場合、いかなる割合で使用収益が妨げられたかを認定することは難しい。よってより現実的な解決として、賃借人が代わって修繕し、その費用を請求することが出来る必要費償還請求の問題とする。 とのこと。 なお、ここ数回の質問も拝見したが、不動産に関する賃貸借については、借地借家法等による修正が大きく、必ずしも民法の賃貸借と同一の議論は出来ないということを申し添えておく。
お礼
いつも、懇切丁寧かつ論理明快な回答有難うございます。 とても参考になりました。