遅延損害金と違約罰の関係
- 遅延損害金と違約罰の関係について検討します。
- 金銭貸借契約において、遅延損害金の上限額は利息制限法によって制限されます。
- 違約罰は民法420条によらない場合、公序良俗に違反しなければ自由に額を設定することができます。
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遅延損害金と違約罰の関係
遅延損害金と違約罰の関係 5万円の金銭貸借契約において、期限の利益を失った場合の条項を契約書に盛り込んだとします。 まず遅延損害金は利息制限法により、10万円未満の場合は29.2%が上限とされていますから、この場合、年に1万4600円の額になります。 ここからがわからないのですが、この1万4600円というのは民法第420条でいう「損害賠償の予定」になるのかということです。そうなるとこれ以上、損害賠償の予定額を増やすことは利息制限法の上限を上回ってしまい上回った分は無効になるのでしょうか? それとも上記の例でいうと、1万4600円はあくまでも遅延損害金としての上限であって、それ以外の条項として損害賠償の予定を付け加えることはできるのでしょうか? 例えば「遅延損害金に加え、期限の利益を失ったら直ちに1万円支払うこととする」など追加できるのでしょうか? もう一つ。違約罰を民法420条によらないものとする(つまり損害賠償の予定の意味を持たない)ならば、これも上記の例に出てきた1万4600円を超えても(つまりこれも遅延損害金の上限にかかわるかということですが)、公序良俗等に違反しなければ、自由に額を設定できるのでしょうか?
- hantyo
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ANo.2です。御質問の件について。 1.「期限の利益を失ったときは、その翌日から元金に対する年29.2%の遅延損害金に加え、違約罰として1万円を支払うこととする」という条項は不可能ということでしょうか? 「違約罰として1万円を支払う」ことは無効であると考えられます。 例えば、甲乙間で、金額:50,000円、期間:1年(平成21年10月31日~平成22年10月31日)、利息:年5%、を内容とする金銭消費貸借契約が締結され、返済期限を経過した平成22年11月7日に完済されたものとします。 その場合の賠償額は、 50,000円×29.2%×7日/365日=280円 となり、280円を超える部分は無効となります。 2.実務的には違約罰は必ず「損害賠償の予定」とみなされてしまうのでしょうか? 実務的には、「遅延損害金」=「違約金」=「損害賠償額(の予定)」として捉えられています。 ちなみに、「違約金」は「違約罰」の1つである、とされています。(違約罰のうち、債務不履行の際に給付されるものが金銭であるものを「違約金」といいます。) 3.借金の未払いを避けるために遅延損害金だけでは不安があるため、どうしても違約罰を設けておきたいとしたらどうすればよいのでしょうか? 債務の履行を心理的に強制しつつ債権の回収を確保しておく手段として、質権や抵当権を設定しておくことが考えられます。
その他の回答 (2)
まず、遅延損害金は、民法420条1項の損害賠償額の予定に当たります。 そして、利息制限法4条1項により、賠償額の元本に対する割合が制限利率の1.46倍を超えるときは、その超過部分について無効とされるために、29.2%を超える部分は無効とされます。 次に、「金銭消費貸借契約(書)上において違約罰(≒違約金)について定めておくことができるか」という問題です。 民法420条3項により、違約金は賠償額の予定と『推定』されています。 これは、あくまでも『推定』であり、趣旨が違約罰であるとき(=賠償額の予定ではない、とするとき)には、反証することができます。 しかし、利息制限法4条2項により、違約金は賠償額の予定と『みなす』とされていることから、最終的には同法の制限を受けることになります。 従って、一般的に、金銭消費貸借契約上、「遅延損害金の定め」と「違約罰(≒違約金)の定め」は両立しないことになります。 実務上においても、「遅延損害金」として、「返済期日の翌日から完済に至るまで、残元金に対して年○○%の割合(1年を365日とする日割計算)による遅延損害金を支払う」などと定めることが多く、違約金として確定した金額を定めておくことは、まず、ありません。 ※実務上は「遅延損害金=違約金」として認識されているので、上記の場合でも、「違約金」として、「返済期日の…支払う」と定められることもあります。 ※遅延損害金の場合でも、確定した金額を定めておくことは、まず、ありません。 〔参考条文〕 利息制限法4条【賠償額の予定の制限】 (1)金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第1条に規定する率の1.46倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。 (2)前項の規定の適用については、違約金は、賠償額の予定とみなす。
お礼
dh98mosquito様。詳しいお答えありがとうございます。ただ、わたしの頭が悪いので…… >従って、一般的に、金銭消費貸借契約上、「遅延損害金の定め」と「違約罰(≒違約金)の定め」は両立しないことになります。 というところがよく理解できませんでした。 つまり「期限の利益を失った時は、その翌日から元金に対する年29.2%の遅延損害金に加え、違約罰として1万円を支払うこととする」という条項は不可能ということでしょうか? さらに、実務的には違約罰は必ず「損害賠償の予定」とみなされてしまうのでしょうか? 借金の未払いを避けるために遅延損害金だけでは不安があるため、どうしても違約罰を設けておきたいとしたらどうすればよいのでしょうか?
- toratanuki
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サラ金は、遅延損害金は、20%。 違約罰だろうと名目のいかんを問わない。 当然無効。
補足
申し訳ありません、質問の書き方がいけませんでした。これは個人間の契約です。お答えありがとうございました。
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お礼
>実務的には、「遅延損害金」=「違約金」=「損害賠償額(の予定)」として捉えられています。 やはりそうなのですね…… そうなると「違約罰」という言葉とそれなりの概念があるのが不思議です。この違約罰について、正確に調べたいのですが、良い本が見当たらず正直途方に暮れています。 最初から、損賠賠償の予定をある程度高く設定しておけばいいのかな? >債務の履行を心理的に強制しつつ債権の回収を確保しておく手段として、質権や抵当権を設定しておくことが考えられます。 違約罰以外の方法を探ったほうがよいということですね。 dh98mosquito様ありがとうございます。