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日本の財政は破綻する?

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日本の財政は破綻する?
 「『日本の財政は破綻(はたん)寸前』とよく言われますが、本当ですか? 『債務残高がGDP(国内総生産)の1・8倍に達していて財政は破綻前夜だ』という専門家がいれば、『身内(国民)からの借金がほとんどで、国債発行の余力はまだある』という専門家もいます。どちらが真実でしょうか?」=埼玉県熊谷市の自営業、市原裕司さん(43)

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 ■膨張する債務残高
 戦後ニッポンの高度経済成長を象徴する東京タワー(東京都港区)。平成17年11月に内閣府が開設した「感どうする経済館」はにぎわっていた。来場者たちの目をひいたのは、あるデジタル時計だった。その名も「日本経済の足音時計」。日本の借金が刻一刻と更新され、来場者たちに驚きを与えた。
 同館の狙いは来場者に日本経済の豊かさを感じながらも、増え続ける借金に危機感を持ってもらうことだったが、昨年3月に閉館した。
 それから約1年半後の今月1日。菅直人首相が行った所信表明演説は危機感に満ちていた。
 「重要政策課題は、財政健全化です。現在の財政状況を放置すれば、どこかで持続できなくなります」
 財務省などによると、今年度末に国債残高は約771兆円となり、国債に借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高(借金)は973兆円になる見込みだ。また政府短期証券などを含まない長期債務残高と地方の長期債務残高の合計は同年度に約862兆円となり、GDP比で約180%となる見通しだ。
 国債の95%は日本国民が保有している。デフレ不況により、民間企業に設備投資などの資金需要が低迷して、金融機関では企業に融資できず、貯金の運用先として国債の購入を安定的に続けているとされる。長期金利の指標とされる新発10年物国債利回りが1%を割れる展開を見せている。
 国際通貨基金(IMF)は今月5日発表した世界金融安定報告で、日本の債務残高に触れた。「短期的に問題が起きる可能性は考えにくい」と指摘したが、長期的に見れば、高齢化で労働人口が減り、国債を買い支えている民間貯蓄が弱まっていくという懸念を示した。
 ■「合法的徳政令」
 経済評論家の三橋貴明氏は「財政破綻」を「国債の償還期に金を返済できなかったり、金利の支払いが滞ったりするデフォルト(債務不履行)を起こすこと」と定義した上で、「日本銀行が国債を引き受ければ、デフォルトはあり得ない」と断言する。
 日銀が直接国債を買い取ることは財政法で禁止されているが、特別の事由がある場合には国会の議決を経て行うことができる。
 三橋氏は「民間企業の資金需要が低いため、需要を冷え込ませる増税や緊縮財政ではなく、国債を発行して財政出動を行うべきだ。景気が回復してから国債の返済に力をいれたらいい」と主張。その結果、国債への需要が低下し、金利が高くなったときに「日銀が国債を買って抑制できる」と持論を展開する。
 だがこの場合、日本円の流通量が増えていき、物に対する価値が下がり、インフレが起きる。インフレは国債など借金の価値を下げるが、同時に国民の現金預金の価値も下げる。
 「高齢者のお金持ちは損するかもしれないが、労働世代の給料は上がり、職がなくて困っている若者が就職できる」(三橋氏)
 一方、「日本破綻」(講談社)を書いた元モルガン銀行東京支店長で投資助言会社経営の藤巻健史氏は「金融機関が国債を買えなくなり、金融システムに混乱が起きれば、日銀は国債の引き受けを余儀なくされる。そうなれば、急激なインフレにより国民生活は破綻する」と危惧(きぐ)する。
 藤巻氏はインフレにより、国債保有者の債権の価値を下げる行為を「財産の没収に等しい合法的徳政令」と表現。さらに低所得者ほどインフレのダメージが大きいと訴える。
 「個人が行えるインフレ対策は外債や不動産などを購入することだが、低所得者は現金貯蓄に励む傾向にあり、インフレの影響をもろに受ける」
 日本の株、国債、円が売られて大暴落。給料と年金の上昇は急激なインフレに追いつかず、国民の生活は困窮するというのが藤巻氏のシナリオだ
 経済学者の池田信夫氏も「インフレが起きれば、金などの実物資産が買われてインフレが拡大する。インフレを起こすことは簡単だが、インフレのコントロールは難しい」と警鐘を鳴らしている。
 財政危機については専門家の間でも意見が分かれており、日本経済が直面する先行きの不透明さを示しているといえそうだ。(高久清史)
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