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ヘリコプターのローターは飛行機の主翼に比べて力学的に損失が大きいですか

ヘリコプターのローターは飛行機の主翼に比べて力学的に損失が大きいですか。 ヘリコプターのローターは常に飛行機が急旋回しているような状態だと思うのですが、同一の重量だったらより多くのエネルギーを必要としているのでしょうか。

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  • funflier
  • ベストアンサー率80% (375/467)
回答No.3

>ヘリコプターのローターは飛行機の主翼に比べて力学的に損失が大きいですか。 シンプルな内容なだけにどういう観点で考えるか、かえって難しいご質問です。 レイノルズ数での比較を考えます。空気中を動く物体は空気の粘性による抵抗を受けますが、 この影響はサイズが大きく、高速で動くものの方が少なくなります。特に小さいものほど抗力が 増加し、実機サイズ→ラジコン等模型サイズ→昆虫サイズになるに従い揚力と抗力の比である 揚抗比が悪くなります。つまりは必要な揚力を得るためには、無駄に逆らう必要のある抗力に 対して使う必要な原動機の出力が要ります。 ここで、実機ヘリコプターの回転による先端速度は概ね200m/s、ローター弦長0.3m程度 とし、代表速度としてローター先端速度の58%(=116m/s)をとります。(この根拠はヘリコ プターの揚力計算時に先端速度の1/√3倍を使うからです。) とすると、 Re ={ ( V x L ) / 1.46 } x 10^5 ≒ 23.8  x 10^5 ⇒ 10の6乗オーダー であり、一方この程度(400~500km/h)の速度で飛ぶ飛行機の翼弦は3m以上あります。 ということは飛行機のレイノルズ数は10の7乗オーダーであり、飛行機の方が揚抗比は大きい 筈です。つまりヘリコプターのローターの方が余計に抗力(空気抵抗)が大きい事になります。 もっと速くローターを回したいところなのですが、速度が音速に近づくと衝撃波の影響が出る のでマッハ0.7以下に抑えないとならないという縛りがあるのです。 >ヘリコプターのローターは常に飛行機が急旋回しているような状態だと思うのですが、 へリコプターのローターの速度分布は、回転しているだけに中央では0%で先端は100%、 回転半径分そのものです。これほどの速度差は飛行機で急旋廻しても起こりません。 むしろ、バンクをとって釣り合い旋廻するので、例えば90°横倒しに近い状態では両翼の 旋廻半径での距離の差は無くなります。それ以前に速度差が大きいと低速側は失速して しまいます。例外的に曲技のストールターン・ハンマーヘッドでは垂直上昇姿勢の速度ゼロ からラダーの利きだけで一点で180°の機首偏向をしますが、このときは完全に揚力が 無い状態です。 >同一の重量だったらより多くのエネルギーを必要としているのでしょうか。 ホバリング中のヘリコプターと巡航中の飛行機を比較すれば、ほぼ確実にそうなると思います。 なにより、ヘリコプターは動力伝達が複雑で、例えば低出力のレシプロ飛行機ではエンジンと プロペラは直結ですが、ヘリコプターは必ずトランスミッションを介します。この分の機械損失が あること、またシングルローターヘリコプターはテールローター駆動にホバリング中では1割近く、 前進中で数%の出力を食われており、これは飛行には直接役に立たない分です。 そして前述の様に、同条件では揚抗比が飛行機より劣る状態です。 ヘリコプターが前進すると、ローター先端速度の14%程の前進速度で必要馬力がホバリング 中の60%程になる現象(前進揚力/転移揚力 translational lift)があり、また飛行機の必要馬力 は速度の3乗に比例 (D = DV = 1/2・ρ・V^2・Cd・S ・V)するので速度を増すと急増する、ということもあるので条件比較にもよります。ですが概ね「無駄に捨てている」エネルギー はヘリコプターの方が多いと思います。

noname#194289
質問者

お礼

ご丁寧にご教示いただいて恐縮いたします。かなり高度の内容なのでどのくらい身につけられるか不安ですが、できるかぎり勉強させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

その他の回答 (2)

  • BASKETMM
  • ベストアンサー率29% (240/806)
回答No.2

思いつくままに書いてみます。あまり論理的でない回答と思われたら無視して下さい。 その機体を何に使うかを考えて下さい。重いものを遠距離かつ高速で輸送するためなら、通常の飛行機の方が損失は少ないでしょう。 人一人を隣町の病院に運ぶにはヘリコプターの方が損失は少ないでしょう。離陸するだけで通常の飛行機は(小型機であっても)大きなエネルギーを消費します。 写真撮影のため、1カ所に超低速で『滞在する』には、通常の飛行機では大変なエネルギーが必要です。空中で留まる状態のホバリングはヘリコプターの特技です。 またローターと主翼だけを比較するのもおかしいですね。ローターは『主翼+前進用プロペラ』の役割を担っています。 極端な例として、超音速機を考えましょう。主翼は超音速で流れる空気とぶつかっています。ヘリコプターのローターは音速以下の回転速度です。空気の粘性抵抗はどちらが大きいでしょう。 比較するにはオートジャイロも加えて下さい。

noname#194289
質問者

お礼

まったく根拠はありませんがヘリコプターの方が「つらそうな感じがする」のはなぜだろうと考えた結果の質問でした。多面からのご教示を感謝いたします。

  • tetsumyi
  • ベストアンサー率25% (1955/7565)
回答No.1

ヘリコプターは力学的に損失が大きいと考えて間違いありません。 空気は非常に粘性が高いことで知られていますが、速いスピードで振り回すと空気が粘り付いて抵抗が大きくなります。 空気抵抗を小さくして効率を非常に高くした飛行機にはスピードが遅いグライダーや人力飛行機、連続飛行世界一周を目指す太陽電池飛行機があります。

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