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刑事事件で相手が控訴してきた場合の対応とは?
- 刑事事件で相手が控訴をする場合、控訴棄却になる可能性が大きいかどうかを知りたいです。
- 刑事事件の被害者として、相手が控訴をした場合にどのように対応すれば良いか知りたいです。
- 刑事事件の裁判で実刑が言い渡された後に相手が控訴をした場合、裁判が再度行われる可能性があるのか知りたいです。
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そもそも「裁判」という言葉自体が一般用語と法律用語では違うので、「裁判を行う」というのが何を意味しているのかからして問題なのですが。 一般用語で言うところの「裁判」というのは「訴訟手続」という意味でしょう。だとすると、「控訴によってまた裁判を行う」というのは「控訴審という訴訟手続を行う」という意味だということになります(ちなみに、法律用語での「裁判」とは、裁判所または裁判官による意思表示を内容とする訴訟行為のこと)。そこで以下、この意味での「裁判」を「訴訟手続」と呼ぶことにします。 その前提で話をすれば、「控訴棄却の決定は、控訴自体が手続き上の不備により不適法で認められないのだから、原審の当否を一切審理することなく門前払いする」のですから、決定であれば「控訴審は行わない」ということになります。即ち、「控訴自体が受け入れられなかったので訴訟手続はそれ以上行わない」ということになります。そしてこの可能性が高くないことは既に述べたとおりです。 しかし、控訴自体が不適法でなければ、「必ず控訴審を行う」ことになります。つまり、「控訴自体が適法だったのならば、必ずもう一度訴訟手続を行う」ということです。その結果が控訴棄却の判決または原判決の破棄(控訴認容)の判決なのです。「判決で控訴を棄却する以上、必ず控訴審を行う、つまりもう一度訴訟手続を行う」のです。 ただし、控訴審の審理内容は「一審とは違います」。一審では、検察官の主張する事実が存在したのかしないのかを証拠によって認定し、その認定した事実に基づいて法律を適用して有罪無罪の判断を行い、その他の情状を考慮して言い渡す刑を定めるということをやるのですが、控訴審では、「一審の判決が適切か?」ということを審理するのが中心です。つまり、一審の証拠の評価が適切だったかとか一審の認定した事実に対する法適用は適切かとか情状等の評価は適切かとかそういうことを審理するのが控訴審の役目です(事後審と言います)。控訴審はやることが違うのです。 つまり、控訴審の内容は単純な一審の訴訟手続の繰り返しあるいは続きではないので、その意味では、「また」訴訟手続を行うというのとは若干意味合いが違うと言うこともできます。手続き的には「また」訴訟手続を行うというのは確かなのですが、その内容は一審とは異なるのです。
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刑事裁判では控訴棄却には2種類あります(なお、民事は違います)。一つは決定による棄却でもう一つは判決による棄却です。決定による棄却は、手続き上の不備などにより控訴自体が不適法な場合であり、控訴審を行いません。つまり、「門前払い」ということになります。しかし、これは手続き上の不備(控訴趣意書の内容不備は純粋な手続き上の問題ではありませんが)によるものなので弁護人がミスをしない限りは起りません。控訴審による審理を受けるのは被告人の権利なので、権利行使の手続に問題がない限りは、控訴を認めるのが日本の法制度なのです(なお例外的に控訴審のない事件もありますが今回は関係ありません)。これに文句を言ってもしょうがありません。 オウム裁判での松本被告の場合には、弁護人が控訴趣意書を期限内に提出しないという手続き上の不備により決定で控訴棄却になりましたが、あれはタカをくくって意図的にやっていたのが裏目に出ただけで、一般の事件でそういうミスをすることはあまりありません(ないわけではありません)。ですから、決定で控訴棄却という可能性はあまり大きくはないと思ってよいです。 控訴が不適法で決定による控訴棄却にならない限りは控訴審が行われるわけで、控訴審を行った上で、原判決(一審の判決)を維持するという結論になれば、判決で控訴を棄却します。こっちも呼び方としては控訴棄却なんです。ただ、審理した上での判決なだけで。もし、原判決に問題があれば、原判決を破棄し、差戻し、移送、自判など必要な裁判を行います(これを控訴認容とも言います)。こちらは事件によるのでなんとも言えません。 というわけで、控訴棄却(それがそもそも判決か決定かも含めて)になる可能性が大きいか小さいかはまったく分からないとしか言えません。弁護人であれば少なくとも決定による棄却になるかどうかくらいは手続き的な問題なので割りと明らかですが(それでもオウム裁判のような見込み違いということはあります)、判決となると、ちょっと予測は無理です。もっとも、一審が妥当な線なら原判決維持の可能性は十分ありますが、そもそも一審が妥当かどうかは事件によって異なりますし、また、弁護人がどのような控訴理由を挙げているかというのにもよるので(特に事実誤認だと、予測は困難)なんとも言えません。 ということで、弁護人がよほどのヘマをしない限りは、決定による控訴棄却の線は薄いので控訴審が行われるという可能性は高いと言ってもよいと思いますが、控訴審の審理結果がどうなるかは、事件の詳細を知らない赤の他人にはまったく分からないとしか言えません。
補足
回答ありがとうございます。 とても分かりやすい説明で、あまり法律に詳しくない私でも理解出来ました。 控訴棄却に2種類あるのですね。 最初に仰られたものはほぼないと思っていいのですね。 そこでちょっと思ったのですが、 >>控訴審を行った上で、原判決(一審の判決)を維持するという結論になれば、判決で控訴を棄却します ここなんですが、ここで言う判決というのは、また裁判を行うという事でしょうか? それとも裁判なしに控訴棄却になる事もあるのでしょうか?
- kurisogeno
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判決文の内容に、矛盾を生じ得ないモノでしたら、 棄却になる可能性はありますが、一概にその様な事での判断は出来ません。 しかし、判決の内容文に矛盾が生じさせない事が大きな要因になるコトは 確かのようですが・・・。
補足
回答、ありがとうございます。 相手は裁判中にも調書と全く違う事を述べたり、 嘘を言ったり(これは調書を確認すれば分かる事ですが) と、裁判官すらもあきれるような事を平気で言ってのけてました。 今までの前科が全て相手が女性で暴力行為をしており、 その中で私が一番酷い内容で、その刑が下ったと裁判官が言っていました。 裁判の内容文には矛盾は生じ得ないと思いますが、 万が一矛盾が生じた場合は棄却にならないのですよね・・・・・ 私は全て本当の事を話しましたが、 相手は調書でも本当の事を話しているかどうか、 それは私にも解りかねますので・・・・・
お礼
またまた回答ありがとうございました。 一般的に言う「裁判」も法律用語ではまた意味合いが違うのがよく分かりました。 控訴審の審理内容の事も解りやすく説明していただき、あるがとうございました。 まだまだ時間もかかるし、どう転ぶかわからないのですね。 私は今回の事件で精神疾患が悪化してしまったので、 出来れば早く済んでほしいものですが、なかなかそうもいかないようですね。 こうしていろいろご説明いただいて、 日本の裁判はとても時間がかかるんだと、改めて思いました・・・・・