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先日コンサートでモーツァルトのフルート四重奏をききました。そこで初めて

先日コンサートでモーツァルトのフルート四重奏をききました。そこで初めて気がついたのですが、弦楽器は人声に近い音律なのにフルートは平均律のようで、弦楽器とは旋律にずれがありました。 フルートなどの木管楽器はみな平均律なのでしょうか? 穴をふさぐ装置(名前を知りません)がついていなかった昔の笛では弦楽器のように平均律でなく吹けた野でしょうか?(日本の能や祭りの笛のように。)  倍音で音階を作っているトランペットなどでは平均律ではないと想像しますが、普通にふくと純正調になるのでしょうか?  このようないろいろな音律を混ぜ合わせたオーケストラの音は、実はどういう音律になっているのでしょうか?

みんなの回答

回答No.3

管楽器はすべて、息の加減で音程の微調整ができるはずなので、おそらくは楽器の問題というより、演奏者の感覚の問題なのかもしれません。普段、平均律に調律したピアノに合わせて練習しているフルート奏者は、「平均律の耳」になっているのかな? 古楽器を用いた演奏は、おそらく平均律ではないと思います。古楽器フルートのことを便宜的に「フラウト・トラヴェルソ」と呼びます。こちらに説明が。 http://sound.jp/camerata/instrument/traverso.htm フラウト・トラヴェルソを用いたK.285の演奏がこちらに。 http://www.youtube.com/watch?v=4qaTRCjmoGo なお、私はこちらのCDで聴いています。 有田正広『モーツァルト:フルート四重奏曲集』 http://www.amazon.co.jp/dp/B000066IMC/ 私には音律までは聞き分けられませんが、木製のフラウト・トラヴェルソとガット弦のヴァイオリンの響きが、よく溶け合っているように感じます。こうした古楽器の音色は、豊富な倍音を含むほか、噪音(そうおん:振動が不規則なため音高を感じにくい音。打撃音や摩擦音など)の成分も含むため、人によっては耳障りに感じるようです。私はそこが魅力だと思いますが。現代のピアノやフルートが「清酒」だとすれば、古楽器は「濁り酒」や「地ビール」のようなものでしょうか。 鍵盤楽器の調律については、完全な純正律に調律するわけにもいかず、ルネサンス~バロック時代には「中全音律」が主流だったそうです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%85%A8%E9%9F%B3%E5%BE%8B しかしバロック後期になると、様々な調が使われるようになったため、「平均律に近い中全音律」が色々と工夫されたようです。「バッハの『平均律クラヴィーア曲集』の表紙に描かれた装飾模様が調律法を示している」という説があり、これを解読したものが「バッハ調律」と呼ばれています。 http://umeokagakki.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/vs_4a68.html http://blog.goo.ne.jp/ogawa_j/e/ecdb8169733c1a1b2c60568b137ddabe http://www.geocities.co.jp/MusicHall/4053/bach.html 最近のチェンバロ奏者は、「中全音律」「バッハ調律」などをもとに、最後は自分の感覚で調律していると思います。 18世紀後半~19世紀前半の、初期のピアノのことを便宜的に「フォルテピアノ」と呼んでいます。その時代の調律は、中全音律から完全な12等分の平均律に近付きつつある過渡期で、「不等分平均律」が工夫されていたようです。現代のフォルテピアノ奏者がどのように調律しているか存じませんが、おそらく完全な平均律ではないと思います。フォルテピアノ奏者・小倉貴久子さんによるK.545の演奏がこちらに。 http://www.youtube.com/watch?v=m0X2mPIUNFw

x1paz
質問者

お礼

「平均律の耳になったのかもしれない」・・・ああ、そういうこともあり得るのですね。 リンクしてくださったトラヴェルソとフォルテピアノの演奏、拝聴いたしました。私がこれまで聴いてきた四重奏の演奏はこれに近いものでした。ピアノソナタも音色は古いですけど気持ちよく聴けました。ありがとうございました。

  • A88No8
  • ベストアンサー率52% (836/1606)
回答No.2

>先日コンサートでモーツァルトのフルート四重奏をききました。そこで初めて気がついたのですが、弦楽器は人声に近い音律なのにフルートは平均律のようで、弦楽器とは旋律にずれがありました。  質問者さんは耳がいいですね。  バイオリン族のメソードは「旋律」が美しく響くように確立されているそうです(例えばシとドはの音程は狭いとか)。  一方バイオリン族ではないチェロやコントラバスのメソードは12平均律に近いと聴きました。  これは始めて弦楽四重奏をするときにバイオリンとビオラはユニゾン(斉奏)がよく合うがチェロは苦労するという話が裏付けています。 >フルートなどの木管楽器はみな平均律なのでしょうか? 穴をふさぐ装置(名前を知りません)がついていなかった昔の笛では弦楽器のように平均律でなく吹けた野でしょうか?(日本の能や祭りの笛のように。)  木管楽器に限らず管楽器のスケールは基本自然倍音を使っています。 難しい話は省略しますが、自然倍音の仕組みで12平均律を正確に演奏するのは無理があります。  また各々の管楽器のスケールには音程の特徴があって古典時代の曲がよく響くような根底があり、その上で現代では12平均律でないと演奏が不可能なので、なんとかつじつまを合わせ易いように徐々に変化してきました(でも結局色んな調子の楽器が作られました))。  σ(^_^;は、クラリネットやサキソフォーン、フルート、コルネット、トロンボーン、チューバなどの管楽器の経験が少しあります。  チューナーと首っ引きで音程を調べたことがありまして合っているものもありますが、ほとんどは微妙にはずれています。 そこで耳で自分と他の音との響きを聴いて合わせたりスコアからハーモニーを調べて音程を調整します。  一応クラリネットのメソードにも練習課題として旋律的音階と和声的音階の区別はあります。 >倍音で音階を作っているトランペットなどでは平均律ではないと想像しますが、普通にふくと純正調になるのでしょうか?   前の回答で想像が付くかと思いますが、12平均律にも純正調にもなりません。実に中途半端な音程です。  自然倍音だけ限れば純正調といえるかもしれませんが、現代の楽譜を普通に吹いて演奏するのは不可能です。 自分のなかにスケールを作り、その音が出るように訓練します。アンサンブルの時はさらに周りを耳で聴きながら合わせるのです。 >このようないろいろな音律を混ぜ合わせたオーケストラの音は、実はどういう音律になっているのでしょうか?  メロディは旋律的音階、ハーモニーは純正調、その他は12平均律かそれをつじつまが合うように調整しながら演奏することになります。 蛇足:  上記は西洋音楽の文化の話であって日本の純邦楽に使われる楽器はまったく別物です(つまり事情は当てはまりません。日本の文化ですから)。

x1paz
質問者

お礼

ご自身の実践にもとづいた詳しい説明ありがとうございます。 管楽器はみな演奏のとき奏者自身による「つじつま合わせ」が必要ということですね。そのもとになっているのは奏者自身の音律に違いなく、「作音」の意味よくわかりました。 お答えを読んで管楽器奏者への見方が変わりました。ありがとうございました。

  • jupitan
  • ベストアンサー率36% (227/616)
回答No.1

木管楽器やピストン金管楽器も当然平均律で作られていて、実用上の共鳴に幅というものがあるので、微妙な音程は口のしめ具合で多少変えることが出来る故、純正律での演奏が可能であるということです。バイオリンなど弦楽器も完全に純正律楽器です。 尚、特に木管楽器の中ではオーボエ、ファゴット、クラリネットなどが弦楽器とよく合います。 残念ながらフルートの音色は弦楽器とはあまり合いません。ちなみに、モーツァルトはフルートがあまり好きではなかったそうです・・・けれど、2曲のフルート協奏曲、フルートとハープのための協奏曲、フルート四重奏曲など素晴らしい傑作があるのはやはり天才の証といえます。 オーケストラは言い換えれば巨大な純正律楽器だとも。 そして、それは各時代の偉大な作曲家の創る音楽によってそれこそ様々な表現が出来るようになったのです。 例えば、完全五度やオクターヴといった完全協和音のみが美しいとされてきたグレゴリア教会音楽、初期バロックあたりの音楽は確かに音の響きはきれいでも何となく無味乾燥的で、人間的なものや精神性、感情、色彩、迫力等の表現に欠けます。そのうち、三度や六度といった不完全な協和音が楽曲に多く導入され、音楽は格段に豊かな表現が出来るようになりました。 また、ピアノなどの平均律楽器と協奏した際、それこそ根本的な微妙なズレ?が音楽をさらに活き活きと味わい深く華やかにするのでしょう。単に理論や理屈ではない音楽の不思議さというか「力」を感じます・・・

x1paz
質問者

お礼

ご返答ありがとうございます。 <微妙なズレ?が音楽をさらに活き活きと味わい深く華やかにする> なるほど、そう考えればいいのですね。 私は弦楽四重奏がいちばん気持ちよく聴けます。その中に平均律のピアノなどが混じるとだんだん落ち着かなくなってきます。<微妙なズレ>の面白さをもう一度感じるように努めてみます。

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