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遺伝「赤緑色覚」について。最初、霊長類は赤と青の色覚しか持たなかったん

kagakusukiの回答

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  • kagakusuki
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回答No.7

 回答番号:ANo.6です。  申し訳御座いません、肝心の本題を書いておりませんでした。  前の回答で、旧世界霊長類は青緑赤の3色型色覚を持ち、新世界霊長類では青用の視物質は全個体が持っているが、その他の緑用、黄用、赤用の視物質の内のどれを持つのかは、個体によってまちまちであるという話をしました。  青用視物質のアミノ酸配列は、赤用、黄用、緑用の各視物質の何れとも、大きく異なっている上、それを作るための遺伝子が存在している染色体も異なっているため、青用視物質は他の色覚用視物質とは起源が異なっていると考えられています。  ヒトの青用視物質の遺伝子に良く似た遺伝子を、殆どの脊椎動物が持っている事が判明しているので、青用視物質は最初の霊長類が誕生する前から、使われていたと考えられています。  これに対して、緑用視物質と赤用視物質は、どちらもX染色体上に遺伝子が存在し、全部で364個あるアミノ酸の内、異なっているのは3個だけに過ぎないため、この2つの物質は同じ起源を持ち、遺伝子の突然変異によって、異なる波長域の光を吸収するようになったものと、考えられているようです。  先に御断りしておきますが、これ以降は、確認された事柄や、学会における定説等ではなく、発表されている新説の中の一説に基づいた話になります。  赤用、黄用、緑用の各視物質や、その他の視物質(霊長類以外の視物質)の研究から、この種類の視物質は、アミノ酸配列の一部を変えると、光の最大吸収波長が変化する事が知られています。  緑用視物質や赤用視物質では、最大吸収波長の違いを生み出している3個のアミノ酸配列は、新世界霊長類と旧世界霊長類で共通しているそうです。  又、黄用視物質のでは、この3個のアミノ酸が存在している部位の配列は、一部が赤用と似ていて、他の一部は緑用に似ているそうです。  このため、X染色体上に遺伝子が存在する3種類の色覚用視物質の原型は黄用視物質であり、霊長類の祖先が2色型色覚しか持たなかった時代には、青用視物質と黄用視物質が使われていたとする説があります。(黄用視物質のアミノ酸配列の、緑用や赤用との違いは、緑用と赤用の違いよりも小さいため)  そして、旧世界霊長類の系統と新世界霊長類が系統が分岐したとされる約4000万年前の頃までには、黄用視物質遺伝子の突然変異により、緑用や赤用の視物質が出現していたと考えられます。  その頃の霊長類は、現在の新世界霊長類のような、個体により異なる色覚を持っていた筈です。  その後、旧世界霊長類の中から、卵母細胞の減数分裂時に染色体の相同組換えが起こる事で、赤用視物質と緑用視物質の両方の遺伝子を持つ、X染色体が生まれたと考えられています。  このX染色体を持つ雄は、青緑赤の3色型色覚を持つ事が出来るので、2色型色覚しか持たない他の雄よりも生存競争に有利になります。  そのため、赤用と緑用の両方の視物質の遺伝子を備えたX染色体を持つ個体が増え、色覚用視物質が1つしかないX染色体を持つ個体は減少して行き、ついには赤用と緑用の両方の視物質の遺伝子を備えたX染色体のみを持つ個体だけになったと考えられています。  こうして、ヒトを含む旧世界霊長類は、初期の青黄の2色型色覚から、現在の青緑赤の3色型色覚に、進化したと主張する説もあります。  その説は、「Gerald H. Jacobs教授」と「Jeremy Nathans教授」が、「SCIENTIFIC AMERICAN」の2009年4月号で発表した説で、和訳されたものが「日経サイエンス」の2009年7月号に掲載されています。 【参考URL】  サルが見た色の世界 色覚の進化をたどる   http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0907/200907_064.html

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