• ベストアンサー

定量下限の記載法

私は現在、ICP-AESを使用した食品中の重金属分析をおこなっています。 結果の報告の際、測定値の横に定量下限を記載しています。 (定量下限は10σを使用しています。) そこで以下の疑問があります (1)例えば、試料を1mlサンプリングして、分解過程などを経て最終的に100ml にメスアップした場合、定量下限値も100倍して提示するべきでしょうか。   (2)希釈倍率を掛けるとした場合:私は、1つの試料に対してサンプリング量を変えながら複数回測定することがあります。 (少ないと検出されるピークが小さく、多すぎると分解が大変なため。) その場合、試料の測定値の横に定量下限値も複数記載することになると思うのですが、依頼者は混乱しないでしょうか。 (3)実試料の測定の際、試料中のマトリックスの影響などにより、定量下限は上がると思いますが、 結果に記載する定量下限にはマトリックスの影響などをふまえて、何らかの安全係数を掛けて補正するべきなのでしょうか。 例えば、対象元素の定量下限が0.1ppmだった場合、 マトリックスを含む試料中の対象元素0.11ppmが定量できないという可能性はないのでしょうか。 その際、依頼者には、「定量下限というのは計測値の精度から算出するものなので、 実際の試料にはそのまま当てはめることはできないんだよ」という説明を毎回することになりそうなのですが… マトリックスの影響をできるだけ小さくして測定することが重要なのはわかっていますが、 影響をゼロにするというのは難しいと思います。 経験が浅いため、とんでもない間違えなどがあるかもしれませんが、 お叱りも含めてアドバイスがいただけたらと考えています。よろしくお願いします。

  • 化学
  • 回答数4
  • ありがとう数9

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • elpkc
  • ベストアンサー率53% (626/1160)
回答No.1

1.測定サンプルに対する定量限界を示すのが普通です。 2.測定サンプルに対する定量限界ですから、サンプリング量によりません。 3.サンプルに対する定量限界ですから、標準溶液等での検出限界は、 何の意味も持ちません。(装置の測定限界という意味ぐらいしかないような気がします。) 試験を全てサンプルを用いて測定するべきではないでしょうか。

zxc123
質問者

お礼

elpkcさん、回答ありがとうございました。 あくまでも測定サンプルに対する定量限界であるとのこと 理解できました。 すいません。おそらくelpkcさんにとっては自明のことなのでしょうが、 もう少し詳しく教えてください。 >測定サンプルに対する定量限界を示すのが普通です。 測定サンプルに対する定量限界はどのようにして求めていますか。 測定サンプルを複数回測定し、その標準偏差をとるということですか。 また、その際のブランク溶液は、測定サンプルから対象の元素のみをのぞいて、 その他のマトリックスをすべて合わせた溶液を調製するということでしょうか。

その他の回答 (3)

  • mokotann
  • ベストアンサー率57% (55/95)
回答No.4

お困りのようですね。 ICP-AESは干渉等で、結構経験値が必要かと。 依頼分析を受けているのか、内部の自主検査なのかでも違ってきますが、検体一種類ごとに厳密な検出下限値を求めるのは事実上、ムリです。 その場合、標準添加法で行えばよろしいと思います。検索すると、いくらも出てきます。 また、検出下限値ですが、もし時間があれば、検出下限値をまたぐ範囲で複数の濃度(例として0.01が仮の検出下限値の場合、0.1、0.03、0.01、0.003、0.001のように)を5検体ずつ作り、各濃度で変動係数を求めます。その数値をグラフにプロットします。 濃度が低くなるほど変動係数が大きくなり、ある濃度から急激に変動が大きくなります。無機物の場合、10%程度が検出下限値としてよく用いられます。是非一度やってみてください。 それから (2) ですが、複数の条件での複数測定データは、画一的に一括処理(平均値を取ったり)しません。一番良好な条件でのデータを採用するのが一般的です。ですから、複数記載はありえません。 私が日ごろ参考にしているページを隅々までご覧なってください。食品分析に携わる方には大変参考になる事がいっぱいあります。

参考URL:
http://www5e.biglobe.ne.jp/~ytsumura/,http://ytsumura.cocolog-nifty.com/
zxc123
質問者

お礼

mokotannさん。回答ありがとうございます。 >依頼分析を受けているのか、内部の自主検査なのかでも違ってきますが、 検体一種類ごとに厳密な検出下限値を求めるのは事実上、ムリです。 No.3のお礼にも書いたのですが、内部のみで扱うデータの測定をしています。 すべての試料に対して検出下限を求めたり、標準添加法をおこなうのは 現在の状況では難しそうです。。 しかし、このままモヤモヤしたまま分析をおこなうのは嫌なので、 試料に応じて標準添加法をおこなえるような体制をとれるよう、準備を進めたいと思います。 >検出下限値をまたぐ範囲で複数の濃度~ 検出下限値の具体的な例ありがとうございます。 現在の方法での下限値と比較してみようと思います。 >それから (2) ですが、複数の条件での複数測定データは、 画一的に一括処理(平均値を取ったり)しません。 なるほど、よくわかりました。一般的にはそうなんですね。 以前、「食品は試料が均一でない場合が多いから、数値がバラついた場合には、そのバラつき具合もみたいから、 3連の数値をすべて載せた上で、平均値を記載してくれ」という依頼を受けたことがあり、 それ以来同様な形式で結果をだしていました。 (3連のバラつきの許容範囲は、自社の基準で判断しています) まだ分析の職について浅いこともあり、自社の基準を普通だと考えていました。 今後は、成書を勉強し、他社の分析業務に携わる方と情報交換をして、 どこに出しても通用するような分析結果をだせるよう努力していきます。 また、参考サイトありがとうございました。 非常に内容が濃いので、時間をかけてじっくりと読ませていただきます、 先にお礼をさせていただきます。

  • elpkc
  • ベストアンサー率53% (626/1160)
回答No.3

>測定している食品試料には、さまざまな成分が混在しており、 >何の成分がどれだけ入っているのか全く分からない状態です。 >そういった試料でも、測定対象成分のみを除いたブランク溶液を作ることは現実的に可能ですか。 その場合は、実際の試料の測定値に被測定物質を添加し、その検量線と、 標準液のみ検稜線の傾きを比較し、同じであれば、正しく測定できていると推定できますので、 試料を希釈した測定限界と、標準液の測定限界を比較することで 定量限界が測定できませんか。 アドバイスが出来るのはここまでです。 後は、実際のものを知った上でないと無理だと思われますので、 詳しい上司にご相談されることが望ましいかと思います。

zxc123
質問者

お礼

elpkcさん。何度も回答いただき本当にありがとうございます。 elpkcさんの回答は非常に分かりやすく、大変参考になりました。 マトリックスによる干渉を無視できない場合には、 標準添加法を使べきなのですね。 以前、一度上司に相談したことがあるのですが (1)表にださないデータ(社内で管理するデータ)である (2)分析スピードが重視されている というという理由から標準添加法はせずに、測定をおこなうよう指示を受けました。 また、目安として、装置の定量下限を添えて結果を報告するようにとのことでした。 しかし、私は自分が定量下限以下として報告している試料が、 本当に定量下限以下なのか不安に感じているのです。 そのため、定量下限の数値になんらかの工夫をすることで、 より現実に則した値がだせるのでは、あるいは他社の分析担当者は すでに何らかの工夫をしているのではないかと思い相談させていただきました。 (定量下限を勝手に変えてはいけないということは、十分承知しています。 その上での自社ルールのようなものを使用しているかどうかを知りたかったということです) elpkcさんの回答を読んで、自分の考えが間違った方向に向かっているということが分かりました。 elpkcさんの回答を今後の分析に活かしていこうと思います。

  • elpkc
  • ベストアンサー率53% (626/1160)
回答No.2

定義:定量限界とは,試料に含まれる分析対象物の定量が可能な最低の量又は濃度のことである.定量限界の分析対象物を含む試料の測定値の精度は,通例,相対標準偏差で表して10%である. 評価方法:定量限界は,ブランク試料又は定量限界付近の分析対象物を含む試料の測定値の標準偏差及び定量限界付近の検量線の傾きから算出される.例えば,定量限界は,測定値が正規分布し連続な場合には,定量限界付近の検量線の傾き及びブランク試料の測定値の標準偏差から,次式により求めることができる. QL=10σ/slope QL:定量限界 σ:ブランク試料の測定値の標準偏差 slope:定量限界付近の検量線の傾き クロマトグラフィーの場合には,測定値の標準偏差の代わりにノイズ・レベルを用いることができる.分析法の定量限界が試験の規格値よりも小さいことを確認する. で10σ法なので、求め方は同じだと思います。 実際には、測定対照物質を除いた盲検体に、既知量の測定対照物質を 段階的に加えて、測定します。 ものによっては、どうしても測定対照物質が含まれている場合や、 測定対照物質をサンプルに加えることにより、濃度が変わる場合など、 出来ない場合がありますが、その時はぞれぞれ別途検討します。

zxc123
質問者

お礼

elpkcさん。ふたたびの丁寧な回答ありがとうございます。 定量限界の定義、測定方法ともによくわかります。 しかし、私が知りたいのは実試料でそれをおこなうことができるのかということです >測定対照物質を除いた盲検体に、既知量の測定対照物質を 段階的に加えて、測定します。 測定している食品試料には、さまざまな成分が混在しており、 何の成分がどれだけ入っているのか全く分からない状態です。 そういった試料でも、測定対象成分のみを除いたブランク溶液を作ることは現実的に可能ですか。

関連するQ&A

  • 定量下限について

    GC-MSを用いて定量下限を求める時の方法について教えてください! いろいろな分析会社のHPやJISなどを見ていると、検量線用標準試料の最低濃度のものを用いて5回なり10回なり測定したときの標準偏差をとり、これを10倍した10σを定量下限値とするようなことが書かれていました。 初心者的な質問になってしまうのですが、この10回測定するというのは、私が見たり読んだりした文脈からは、1度調整した溶液を連続で10回測定すると読み取れたのですが、正しいでしょうか?1ppmなら1ppmの溶液を10個作製して、これを10回測定するというのとは違いますよね?すいませんが教えてください。

  • 定量下限算出について

    HPLCの定量下限を標準偏差法を使って算出したいと思っています。 算出法として、 『定量限界付近の濃度の分析対象物を含む試料を用いて検量線を作成し、回帰直線の残差または切片の標準偏差をσとし、回帰直線の傾きをSとした場合、DL=10(σ/S)で表される。』 を参考にしました。 そこで質問なのですが、 1)回帰直線の残差の標準偏差の解釈     検量線の各点において、    (実際の測定で出た数値)と(最小二乗法によって求め    た直線式から導かれる数値)の差の標準偏差    という解釈でよいのか? 2)切片の標準偏差とは何を意味しているのか?    何度か測定した際の切片の標準偏差という意味?? 3) 最終的にその定量下限値が妥当であるかを示すデータが必要。ということなのですが、何度か定量下限値の試料を測定し、値にばらつきがない事を確かめればいいのでしょうか? 過去の質問や、国立環境研究所等のサイトも見てみたのですが、理解ができませんでした。 わかる部分だけでもいいので、よろしくお願いします。

  • クエン酸の定量方法

    水溶液中にクエン酸を含むの試料があり、クエン酸濃度を測定したいと思っています。 濃度範囲は1ppm ~ 50ppmです。 どなたか定量方法をご存じでしたら教えてください。

  • ホルムアルデヒド定量

    食品中のホルムアルデヒド測定をしています。 サンプル2gに対して水100mlとりん酸1ml程度を加えて水蒸気蒸留した留液200mlから5mlとってアセチルアセトン試薬5mlを加えて発色。 吸光度を測定して得た濃度○ppmには何か数値をかけなければなりませんか?2gの中に○ppm含まれるということですか? ファクターがよくわからず測定までは終わったのですが、定量値が出せずに困っています。

  • リンの定量について

    リンの定量について 牛乳を用いてリンの定量をしたのですが リンを定量する際に試料を加水分解する理由を教えて下さい!

  • 標準添加法

    標準添加法を用いる際の、空試験の取り扱いについて教えていただきたく思います。 たとえば、ある溶液AのBという物質を吸光度で定量したいとします。ですから、ある溶液Aに、Bを1ppm、2ppm、3ppm加えるのですが、マトリックスモディファイアーを使用しているため、Bの濃度に影響を及ぼしているようです。 その際、それぞれの、吸光度から、空試験の吸光度をひいてから、標準添加の検量線を作成しX切片(目的定量物質濃度)を求めてもよいのでしょうか。

  • 分析の問題が解けません

    問題 環境空気中(25℃、1気圧)のモル質量74g/molの有害物質を捕集液4mlに捕集し、そのうちの1mlを分析に供し、最終試料液量を3mlとして分析した。この分析方法の定量下限濃度が0.4μg/mlであったとすると、空気中の濃度を1ppmまで測定するために必要な最小資料採取空気量として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、試料採取時に捕集液の損失はなく、かつ、捕集率は100%とする。 正解 1.6L 正解を導くことができません。よろしくお願いします。

  • 複数の下限値未満の数値の取扱いについて

    こんばんは、製品中の不純物含有率の評価を始めようとしている者です。 例えば製品1gあたりの不純物(Fe,Cr,Ni)が100ppm以下でなければいけない場合、 それぞれ分析装置(ICP-MS,AES)の定量下限値未満である<10ppmとなったとき、 単純に合計して「不純物含有率は<30ppm」と結論付けて良いのでしょうか。 先輩からは、「すべて定量下限値未満の値であったら、合計の1/3とする」ように言われましたが、 根拠はわかっていないようです。 インターネットで検索した例です。 神奈川県におけるダイオキシン類の分析において、 「検出下限値未満の数値の取扱 大気:検出下限値の1/2とする」といった記述がありましたが、 根拠は示されておりませんでした。 もしかしたらこのような数値の取扱方法は数学(統計?)の分野なのかもしれませんが、 実用面から考えて化学の分野で質問させていただきます。 複数の下限値未満の数値の取扱いについて根拠となる考えがお分かりの方、 参考図書またはこんな分野を勉強すればよいなど教えてください。 以上、よろしくお願いします。

  • ブドウ糖定量時のソルビトールの影響

    HPLCでブドウ糖の定量を行うとき、試料にソルビトールが入っていた場合測定はできますか?ピークが重なってしまったりうまく分離できない等あるのでしょうか?

  • ICP-AESによるガラスの分析(初心者その1)

    ガラス中の微量成分(~0.1wt%程度)の測定にICP-AESを使用することになりました。 その際の試料調製(目的元素の濃度)についての質問です。 装置担当者から、 「まず試料100mgを酸溶解して下さい。次に希釈、メスアップ等を経て、最終的には50mlで、目的成分が10ppm程度に調製して下さい。」 との指示がありました。 ガラス中の目的元素は、約0.1wt%含まれています。 それを酸溶解を経て溶液とした際の、目的元素の濃度の計算に疑問があります。 例えば、 ガラス:100mg 目的元素:0.1mg(100mg×0.1wt%) 溶解後の溶液:X mg という数値をもとに、(0.1/X)という割り算から目的元素の濃度を算出し、必要な希釈等を行うのでしょうか。 それともmg/lという単位を用いるのでしょうか。 これだと、mg/l→%→ppmという換算式を用いれば、求める濃度が得られるのでしょうか。 というわけで、ICPに限らず湿式分析の際の、固体試料とその溶解液との間の濃度計算についてお教え願います。 補足ですが、ICP-AES自体の原理は理解しています。 また、目的元素は酸溶解での揮発等は無く、溶解フローも確立されたものを使用します。 あと目的元素は、ICP-AESで測定可能な金属元素です。