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光合成をする生物

nakaizuの回答

  • nakaizu
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回答No.6

まず、生物の進化を大まかに述べると次のようになります。 地球上に生物が現れた後、光合成をする生物ができました。さらにその中から酸素呼吸する生物ができました。 光合成は二酸化炭素と水から光のエネルギーを使って、酸素と炭水化物を作る反応です。酸素呼吸は逆に酸素と炭水化物を水と二酸化炭素にしてエネルギーを得る反応ですが、実はこの二つの反応はよく似ています。光合成をする機能を少し改良して酸素呼吸ができるようになったものと思います。こういった生物を真正細菌といいます。真正細菌の多くでは光合成の機能は退化して無くなってしましました。 一方、初めから光合成をしなかった生物もいました。古細菌といわれています。酸素は遺伝子に有害ですので、古細菌の一部は遺伝子を膜で囲って保護しました。この膜で囲った部分が細胞核で、細胞核がある生物を原始真核生物ということにします。 原始真核生物は真正細菌よりかなり大きかったので、真正細菌を食べて生活していましたが、酸素呼吸ができなかったのであまりエネルギーを得ることができませんでした。しかし、いつも食べた真正細菌を消化できるわけではなく、中には原始真核生物の中で生活する酸素呼吸をするが、光合成をしない真正細菌が現れました。 一度このようなことになると真正細菌にとっては他の敵から襲われないし、原始真核生物にとっては酸素呼吸によるエネルギーを分けてもらえるので、ずっと続けていくようになりました。ついにはお互いに単独では生きていけなくなってしまいました。こうしてできたのが真核生物で、中に入った真正細菌はミトコンドリアと呼ばれるようになります。 さて、同様にして光合成をする真正細菌(藍藻という)を中に取り込んでしまう真核生物も現れました。こうした生物を通常は植物と呼んでいます。中に取り込まれた藍藻は葉緑体となります。 真核生物は全てミトコンドリアを持っているので新たにミトコンドリアを獲得するものはありませんが、葉緑体を持っていない真核生物はたくさんあるので、新たに葉緑体を持つようになることは現在でも起こっているようです。 また、藍藻ではなく、真核生物の植物を体内に取り込んで葉緑体にしてしまうこともあります。渦鞭毛藻という藻類の葉緑体には退化しつつある細胞核の痕跡があるものもみつかっており、現在進行形のようです。 ミドリムシが葉緑体を獲得したのは他の植物より後のようですが完全に葉緑体となっているので、かなり(数千万年?)前のことではないでしょうか。 ゾウリムシの仲間でよくみかけるものには ゾウリムシとヒメゾウリムシ、ミドリゾウリムシ の三種類がいます。その中のミドリゾウリムシは体内にクロレラに似た藻類を共生させています。この藻類はミドリゾウリムシの体外に出しても普通に生活、増殖していきますから、葉緑体とは言えません。また、ミドリゾウリムシも藻類を出してしまっても普通のゾウリムシのように生活できます。 ミドリゾウリムシは葉緑体を獲得する最初の段階にあるのかもしれません。

tomiyoshi
質問者

補足

丁寧な回答ありがとうございます。 光合成をするものとしないものの進化の過程が良く分かりました。 「新たに葉緑体を持つようになることは現在でも起こっているようです」そうなのですか。あまり実感がありませんが 100年や200年ぐらいではそんなに変化はしないですよね。 ミドリゾウリムシはどうなのでしょうか?これから葉緑体を獲得していくことはあるのでしょうか? とても興味深い内容でした。

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