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質問者が選んだベストアンサー
横やりを入れて大変申し訳ないのですが、No.2の方の >環の安定性は、5~6>3>4>7~8で、考えられるほど四員環は不安定ではないのです というところに疑問です。 シクロアルカンの歪みのエネルギーは3>4>>5>6であり、3員環がもっとも不安定で、4員環も不安定です。 7,8はよくわかりませんが大きな環は様々な立体配座をとることが可能になりますので、歪みエネルギーは考慮されなくなってきます。 分子内アルドール反応で5,6員環を形成しやすいのは、歪みエネルギーが少なく衝突頻度が高いことが理由で、7,8員環は歪みこそありませんがエノラートの衝突頻度が低いので形成は不利になります。 しかし図の問題は逆アルドール反応ですので、7員環が形成したことではなく、歪みのある4員環が無くなったということが重要です。 それで回答ですが、No.1の方と同じです。-OHはカルボニル基にも付加しますが、元に戻る逆反応が起きるだけでそれ以上先に進みません。なので付加しないように見えるわけです。 そして図中の逆アルドールが起こるのは、7員環エノラートから4員環にもどる逆反応が起きにくいためです。(4員環はひずみが大きく生成しにくい) ちなみにアルドール反応は全て平衡なので、右矢印だけで書くのはまずいです。 (最後のプロトン化以外は両矢印)
その他の回答 (2)
No1の回答の次の文章に少し疑問符が付きます。 >この場合は原料が四員環を含む縮合環から出来ているのでまずその歪みを解消する方向に進みます。 環の安定性は、5~6>3>4>7~8で、考えられるほど四員環は不安定ではないのです。。 本反応は、立体電子効果(stereoelectronic effect)、HO-C-C-C=Oの軌道の重なりを考えると良いかもしれません。
お礼
環の安定性が5~6>3>4>7~8なら、より不安定な8員環になるのは確かにおかしいような気がします。
この場合は原料が四員環を含む縮合環から出来ているのでまずその歪みを解消する方向に進みます。 水酸化物イオンなどの求核試剤のカルボニルへの付加は「可逆」反応なので、もし最初に付加が起きても、それに続く不可逆過程がないので、最終的には開環の方向に戻ってしまいます。 今回は生成物の安定性が反応方向を決定したと言えるでしょう。
お礼
回答ありがとうございます。参考になります。
お礼
No1の方の解答に詳しい解説を付け加えて頂きありがとうございます。とても分かりやすいです。