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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:猿の惑星と相対性理論)

猿の惑星と相対性理論

shiaraの回答

  • shiara
  • ベストアンサー率33% (85/251)
回答No.10

加速度系から見た場合の、物体の時間の進み方について説明します。 一般の座標系から見て、物体が点Aから点Bに移動したとき、その物体の動いた軌跡の四次元的距離Δsは、次の式となります。 Δs^2=gμν・Δxμ・Δxν  (1) ここで、点Aと点Bの座標の差をΔxμとし(μは添字で、時間の0、空間の1~3を表す)、その座標系での計量テンソルをgμνとします(それぞれの添字は、上付きと下付きがありますが、ここでは書き分けることは困難なので、区別しないで記載します)。 その物体の固有時τ(その物体が感じている時間)は、上記のΔsを使って Δs=c・Δτ  (2) の関係があります(cは光速度)。 質問者様が知りたいことは、この固有時τと、座標系の時間変数tとの関係になります。(1)をΔt、Δx、Δy、Δzで書き表すと、 Δs^2=g00(・cΔt)^2+g11Δx^2+g22Δy^2+g33Δz^2  (3) (gμνは、対角成分のみとなるように座標系をとっているものとします) (3)式の右辺の第2項から第4項までの和は、点Aと点Bの間の空間距離を表しますので、これを-Δr^2とおきます(空間の計量を負に取っていますので、マイナスが付きます)。つまり、 Δs^2=g00(・cΔt)^2-Δr^2  (3)’ これに(2)を入れると、次のようになります。 (c・Δτ)^2=g00(・cΔt)^2-Δr^2  (3)’’ これを変形して、Δτを求めると、以下となります。 Δτ=Δt√(g00-(v/c)^2)  (4) (Δr/Δt=vとおきました。これは、この物体の移動する速さです) (4)式は、任意の(ただし、計量が対角型の)座標系から見た場合の、物体の固有時τと、座標系の時間変数tの関係を与える式です。g00が分かれば、具体的な時間の関係が分かります。なお、慣性系では、g00は1なので、(4)式は、ローレンツ変換から求められる時間の遅れの式と同じになります。 今、一定の加速度aで一定方向に運動している宇宙船を考えます。この宇宙船に固定した座標系では、g00は次の式で与えられます。 g00=(1+ax/c^2)^2  (5) ここで、宇宙船が進んでいる方向をx軸とします。(5)の中のxは、宇宙船から見て座標xの位置ということです。地球から宇宙船が離れていくのであれば、地球の位置xは負になります。 この式から分かることは、axが正で大きいとg00も大きくなり、ΔτはΔtより大きくなるということです((4)でvが大きくなってもv/cは1程度にしかなりませんから、ax/c^2が1程度であれば、(4)のルートの中は3程度になります。加速度aが地球の重力加速度程度の10m/s2でxが1光年であれば、ax/c^2は1程度になります)。ΔτがΔtより大きくなるということは、宇宙船から見た地球の時間の進み方が速いということです。 axが正であるとは、宇宙船が地球から離れる方向に動いていてかつ減速している場合(a、xとも負)、もしくは地球に向かって加速している場合です。もっと簡単に言うと、Uターンをするときです。ですから、Uターンをするときは、地球での時間の進み方が速くなります。 具体的な時間の経過は、(4)の微分方程式を解く必要がありますが、結論だけ述べると、以下ようになります。 地球と、目的地(Uターンするところ)との距離をLとします。地球を出発した宇宙船は、速度がvになるまで一定の加速度aで加速するものとします。速度がvになったところで等速度で飛行し、目的地に近付いたら、-aの加速度で減速し、目的地でちょうど速度がゼロになるものとします。このとき、宇宙船から見た地球の時間τは、次の式で与えられます。 最初の加速のときは、τ1=v/a 等速度運動では、τ2=T2√(1-(v/c)^2)(T2は宇宙船内の時間) 目的地前の減速時は、τ3=(c/a+L/c)・v/c ここで注目したいのは、加速度aが非常に大きくなった場合(瞬間的に加速した場合)、最初の加速のときは、地球での経過時間はゼロに近付きますが、目的地前の減速では、Lv/c^2になるということです。つまり、瞬時にUターンしても、地球ではLv/c^2の時間が経過するということです(Uターンという意味では2倍しなければなりませんが)。 以上の説明は、メラーの相対性理論に書かれていることなので、詳しいことが知りたいのであれば、それを読むことをお勧めします。

ga111
質問者

お礼

ご解説をありがとうございました。ここで補足いたします。かなり検索したところ、少し定性的には分かってきました。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=1113432826 一般相対性理論では加速度と重力は等価であり加速度をあげると時間が遅れるとのことですがではマイナスの加速度中では時間が早くなるのでしょうか? 加速度と重力が等価という時、これらの量は方向性を持たないスカラー値を取ります。スカラー値には「マイナスはない」ので、マイナスの加速度というのは「物理的に意味がない」のです。

ga111
質問者

補足

大変丁寧なご解説をありがとうございます。専門から遠く離れるので、相対性理論は教科書は読んでも理解不能だと思います。 τ2=T2√(1-(v/c)^2)は特殊相対性理論からでいいとしても、τ1=v/aとτ3=(c/a+L/c)・v/cが対称的でないのが気になります。また、τ1=v/aの式は光速度の項がなくていいのですね? 加速度系でも時間が遅れるということから、加速時、減速時、等速度時すべてで時間が遅れ、トータルとして宇宙船が戻ってきたときは宇宙船内の時計の時間は遅れるということでよろしいのでしょうか? (いただいた式に代入しようとしたのですがダメでした。)

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