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詐欺にあった場合の被害者の過失責任

法律について勉強しているなかで気になったのですが、詐欺被害にあった場合、その被害者に過失責任は存在するのでしょうか。 民法96条では、「詐欺による意思表示の取り消し」を明示していますが、この条項には95条の錯誤のように「表意者に重大な過失があったときは」等の文言がありません。 ということは詐欺は表意者の過失の有無に関わらず、無効ということになるのでしょうか。 もちろん、誰が聞いても不自然であることに関しては93条の心裡留保にあたるとは思いますが。

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  • ベストアンサー
  • tkpai
  • ベストアンサー率70% (35/50)
回答No.3

はじめまして。法学部4年生です。 そこそこ勉強しているつもりですが、未熟な点もあると思うのでご承知おきください。 95条但書の重過失は、このような場合にまで無効主張を許せば、相手方に不測の損害が生じ取引の安全を害するので、無効主張を制限するためのものです。 この点について、相手方が重過失につき悪意ならば無効主張できると解釈されています。 ここでは重過失は、表意者と相手方の保護のバランスをとるための要件として機能しています。 96条詐欺では、このようなバランスを考えるまでもなく、詐欺をした者が意思表示を取り消されてもやむを得ないので、表意者の過失が何ら要件となっていないのだと思います。 他方、善意の第三者との関係では、表意者に多少の帰責性があるため対抗できません。しかも、表意者の帰責性は少ないことが通常であるため、第三者には善意に加えて無過失も要求する解釈もなされています。 >もちろん、誰が聞いても不自然であることに関しては93条の心裡留保にあたるとは思いますが。 これについてですが、どのようなケースを想定されているのかわかりませんでした。 次に補足について。 刑事上の詐欺と民事上の詐欺は異なると思います。 刑法では財産上の損害が重視されているのに対し、民法では意思表示を取り消しうるかどうかの問題なので。 民法の詐欺は、欺罔によって人を錯誤に陥れ、錯誤に基づいた意思表示をさせることです。 この要件をみたせば、意思表示を取り消すことができ、取り消せば遡及的に無効となり、原状回復義務が生じます。例でもこの要件をみたせば、効果が生じます。 他に不法行為責任を追及できる場合もありますが民法ではここまでです。 告訴云々は刑事の話です。 なお、商人の特別法である商法には詐欺などの意思表示に関する規定は無かったと思います。とすると一般法である民法が適用されます。 私の回答に疑問に思う点があれば、是非補足で質問してください。私も大学院進学が決まりましたがまだまだ学習中の身なので未熟かもしれませんが。今少し眠くて前の回答者への補足に関してあまり説明する気力がありません。申し訳ないです。

その他の回答 (2)

noname#70379
noname#70379
回答No.2

>1.「他店より高い場合は値引きします」と謳っているA店で、「B店は3万円だった」と虚偽の申告をし、商品を3万円で購入したが、実際はB店は3万2千円だった 欺いてはいますが、カネを支払っている以上、詐欺が成立するとは言えません 2.買い主が自ら壊したのに、「箱を開けたら壊れていた」と虚偽申告をして商店より代替品を搾取した 不当利得と思います >まとめると、詐欺による表意者は、有過失であっても、その意志を取り消すことができるが、善意の第三者には対抗できない、ということでしょうか。 (詐欺又は強迫) 第九十六条  詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。 2  相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。 3  前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。 有過失・・・・・具体的にはなにを意味しているのでしょう?

tokiwa-so
質問者

補足

いろいろとありがとうございます。 やはり、法律は難しいですね。 「B店は3万2千円だった」に関して、刑法246条の「不法の利得」の説明として、 「詐欺利得罪が成立するには、他人を欺いて錯誤に陥れ、その結果、欺かれた者をして何らかの処分行為をさせ、それにより自己または第三者が財産上利得を得たのでなければならない」という判例があがっています。 これはまさにこの例の通りのことを指しているのではないでしょうか。 また、具体的な判例としては、「売買の目的物の数量を偽って代金の交付を受けたときは、実在数量を超えた部分に対応する金額についてだけでなく、その全部について詐欺罪が成立する」というものがあがっています。 例では代金と目的物が入れ替わるわけですが、「売買の代金の数量を偽って目的物の交付を受けたときは……」と読み替えることはできませんか。 これから察するに「金を払っているのだから詐欺は成立しない」とは言えないのではないでしょうか。 例え代金を支払ったとしても、その金額で折り合ったという契約に詐欺が関与しているわけですから、契約自体を取り消すことができるはずです。そして取り消しによって品物の返還請求をし、それに応じなかった場合に詐欺罪として告訴し、立件されるのであって、現時点では確かに「詐欺」は「成立」していないかもしれません。ただ、詐欺と言える要素を孕んではいるのではないでしょうか。 そして僕が知りたいのは、これが通常の一般人同士であればなんとも思わないのですが、相手が商人である場合、商法及びその他周辺法の規定とかによって商人側の責任がより重くされていることがありますよね。そういった規定が存在するのかどうか、です。 そして、僕の発言中の有過失とは「調べようと思えば調べられたのに、それを怠った」ということです。 錯誤無効における重過失と同じようなものです。 つまり、例では、買い主は3万円だったと証言しているわけですが、例えば買い主の発言は別の商品のことだったのにも関わらず、売り主(表意者)が勝手に勘違いして3万円で売ったのなら売り主に錯誤が存在していますよね。 で、錯誤があったことに気づいて無効を要求した場合、買い主は「自分で調べない方が悪い」と言い、確かに簡単に調べられたはずであれば、表意者は無効を主張できないんですよね? そもそもこの考え方がまったく間違っているのでしょうか。 で、錯誤には過失の有無が絡むけど、詐欺には絡まない、と。 でも、上に挙げたように、商人に対しては特別法があったりするのかな、と。 こういうことです。 まだ、法律の勉強をはじめて浅いので、まったくトンチンカンなことを言っているかもしれません。

noname#70379
noname#70379
回答No.1

詐欺の場合「無効」ではなく、「取り消す」ことができる。 と民法に書いてあったと記憶しています。 >詐欺被害にあった場合、その被害者に過失責任は存在するのでしょうか。 善意の第三者に対抗できない。

tokiwa-so
質問者

補足

失礼しました。 「無効」ではなく「取り消し」でした。 まとめると、詐欺による表意者は、有過失であっても、その意志を取り消すことができるが、善意の第三者には対抗できない、ということでしょうか。 また、他の特別法中に別の規定が設けられたりはしていないのでしょうか。 例えば、 1.「他店より高い場合は値引きします」と謳っているA店で、「B店は3万円だった」と虚偽の申告をし、商品を3万円で購入したが、実際はB店は3万2千円だった 2.買い主が自ら壊したのに、「箱を開けたら壊れていた」と虚偽申告をして商店より代替品を搾取した などの場合のことです。 この場合、商人側が何らかの手段で調べれば、それが欺罔であったことはわかるかもしれません。 それを怠って商品を受け渡したのならば商人に過失があるとも考えられるわけですが、この場合にも一般法である民法の規定が適用されて、商人側は意思表示を取り消し、商品を取り戻すことができるのでしょうか。 それとも商人に対しては特別法の規定等があったりするのでしょうか。

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