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大腸菌の抗生物質の作用の違いについて

はじめまして。大学で微生物の研究をしています。 わからないことがあったので宜しければ教えてください。 大腸菌の抗生物質であるアンピシリンと、ストレプトマイシンを加えた場合では大腸菌にあらわれる変化になにか違いはあるのでしょうか? 教えていただけると幸いです。

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  • oil-sour
  • ベストアンサー率68% (34/50)
回答No.3

耐性のない大腸菌に対しての反応の違い、ということでよろしいでしょうか。 #2の方の補足ですが、アンピシリン(βラクタム系抗生物質)は細胞壁合成酵素阻害剤ですので、静菌的に作用します。薬剤そのものによって溶菌はしないと思いますが、細胞壁を新たに合成することができないので、増殖(や成長)はできません。菌数は増えないので、結果的に自身の代謝によるストレス物質で徐々に死滅していきます。 一方のストレプトマイシン(アミノグリコシド系抗生物質)は30Sリボソームサブユニットに不可逆的に結合し、タンパク質合成を阻害しますので、細胞の生命活動が停止し、細胞が死滅します。こちらは殺菌的に作用します。 耐性という話もでたので蛇足します。 βラクタム系抗生物質に対する耐性は、多くのグラム陰性桿菌の場合、βラクタムを特異的に加水分解するβラクタマーゼという酵素によります。したがって培地中にβラクタマーゼを産生する細胞がいた場合、その系のβラクタム剤が徐々に減っていきます。前述の通り静菌的に作用しますので、耐性を持たずβラクタムにさらされつつも耐えていた(増殖できなかった)細胞も、ある程度βラクタムがなくなったところで増え始めます。 遺伝子操作などでβラクタム系の薬剤マーカーを使った場合、プラスミドの入った目的とする大腸菌の周りに、時間が経つとプラスミドの入っていない(耐性を持たない)はずれのコロニーが増え始めます(サテライト)が、これは上記の理由からです。 一方のストレプトマイシンは殺菌的に作用しますので、サテライトは比較的できません。アミノグリコシド耐性は、アミノグリコシド修飾酵素による薬剤の不活性化、または標的部位であるリボソームサブユニットの点突然変異がよく知られています。

mero11
質問者

お礼

こんなに丁寧に教えてくださってありがとうございます!! とてもよくわかりました。 勉強不足でご迷惑をおかけしました。 本当にありがとうございました。

その他の回答 (2)

noname#160718
noname#160718
回答No.2

 獣医師です。細菌は専門ではないので、ごくごく基礎的なことしか判りませんが。  まず、アンピシリンとストレプトマイシンは共に大腸菌に有効なはずです。なのでこの点では現象としては同じになります。  β-ラクタム系(あるいはペニシリン系)の抗生物質であるアンピシリンは細菌の細胞壁の合成を阻害することによって抗菌作用を発現します。つまり最終的には溶菌することになるかと。  アミノグリコシド系の抗生物質であるストレプトマイシンは、細菌が持つリボゾームの蛋白合成作用を阻害します。こちらの死菌的に作用します。  つまり「両方とも大腸菌は死ぬ」ということですか・・・  その死に方に違いがあるのかも知れませんが、私に判るのはこの程度までです。他に詳しい方が回答されるのをお待ちください。  ちなみにVREは「バンコマイシン耐性腸球菌」のことなので、今回のご質問とはまったく無関係ですね。

mero11
質問者

お礼

とても参考になりました!貴重なご意見、ありがとうございます!

  • elpkc
  • ベストアンサー率53% (626/1160)
回答No.1

その大腸菌の耐性により異なるでしょう。 だから、用いた大腸菌によります。 たとえば、VREなら分かるでしょう。

mero11
質問者

お礼

解決しました。貴重なご意見ありがとうございました。

mero11
質問者

補足

回答ありがとうございます。何にも耐性を持たない大腸菌を使った場合の違いがあるのか、宜しければおしえていただきたいです。

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