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C3N4 カーボンナイトライドについて
こんばんは。 私はC3N4(カーボンナイトライド)薄膜について 勉強している者です。 調べてみると電気デバイス、ヒートシンク材料に使われる 可能性があることが分かりました。 そのほかにはどのような分野でどのような応用が 期待されているのでしょうか? 教えてください。
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窒化炭素膜についてはまだCNxの段階だったように思いますが、C3N4はもう合成されていますでしょうか。 以下は思い付いた応用例を挙げたものです。あくまで「考えられるもの」であり、実際に使ってみたら予期せぬ問題がおきたりコスト的に結局見合わなかったりもあり得る点はご承知下さい。 この種の硬質膜ですと、まずは硬さを活かした超硬工具(ドリル、スローアウェイチップほか)が考えられそうです。工具は単価が高くてもその分寿命が長ければ買ってもらえますから、新しい硬質膜の適用先としてはハードルは高くないものです。 プレス成形金型表面の耐摩耗コーティングにも可能性があると思います。このコーティングには耐摩耗性と低摩擦の両方が要求されます。金型の値段は高いものですし、コーティング法がコスト高であってもトータルとして金型の寿命が伸びるのであれば採用されるでしょう。 ハードディスクの磁気ヘッドへのコーティングも有望です。現在はダイヤモンド状炭素(これも耐摩耗性に優れる)が使われていますが、ディスク側との空隙をさらに狭く、ディスクの回転速度をさらに速くしていったときにC3N4の出番があるかも知れません。 ヒートシンクは申し上げるまでもなく熱伝導率の高いことが要求されますが、C3N4なら原子間の結合が強く、かつCとNの原子量が接近していますから特性はよいと思います。ただこの用途だと薄膜というより薄板に近いものになりバルク的な量が必要ですので、特性はよくてもコストの関係から使われないことは考えられます。(ダイヤモンドは熱伝導率が2000W/(m K)にも及び特性としては申し分ありませんが、あまりに高価なために用途が限定的であることはご承知の通りです) 産業応用の観点では特許の記述を調べるのも有効です。以下は特許庁のホームページ(http://www.jpo.go.jp/indexj.htm)で、「窒化炭素」をキーワードにして拾った特許の「利用分野」についての記述です。ただしCNxも含んでのものであり、C3N4には特に限定していません。 特開2002-167206号 「本発明は窒素炭素珪素系硬質材料に関し、この材料は主として、摺動部品、工具等の材料に用いることができ、特に表面保護膜として優れた高硬度を有す、摺動部品、磁気記録媒体、工具等の表面保護膜に用いることもできる。さらに、本発明の窒素炭素珪素系硬質材料は画像表示素子及び計測装置、半導体製造装置等に使用される電子線源に用いることができ、特に大面積薄型画像表示素子の実現を可能とする電子線源として有望である。」 特開2002-038269号 「(本発明は)切削工具、金型、耐摩耗部品、耐腐食膜、摺動部品、記憶媒体の保護膜などに用いられる硬質窒化炭素膜の合成技術に関する。」 以下のページも参考になるかと思います。 http://chibaken-web.hp.infoseek.co.jp/Theme.html http://leo.nit.ac.jp/~saburo/student/tema4.html
お礼
回答ありがとうございました。まだC3N4は完成していませんが、仮に合成された場合、どのようなご利益があるのか知りたかったのです。 わかりやすく具体例がかかれていて非常に助かりました。ありがとうございました。