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塩化第二銅エッチング反応について
masa1000rxの回答
- masa1000rx
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補足に対して。 まず仮想的な Cu + Cu2+ -> 2Cu+ の平衡反応についてです。 例えば、金属銅(大量)に Cu2+ の 1 M 水溶液をいれたとします。すると、系が平衡に達するまで反応が右に進みます。理論上は、[Cu+] = 10(-3) M になるところで、右向きの反応と左向きの反応の速度が等しくなり、見た目に反応は終ります(平衡)。でもこれではエッチングは終了しませんよね。 ところが実際には Cu + Cu2+ + 2Cl- -> 2Cu+ + 2Cl- と塩素イオンが存在します。実は CuCl は難溶性なのです。これがみそです。 上記の場合 1 M の Cu2+ と同時に 2 M の Cl- が存在します。反応は右に進むのですが、 [Cu+] = 1.6 x 10^(-7) M になったところで CuCl の沈殿が生じはじめます。すなわち Cu+ の濃度は 1.6 x 10^(-7) M 以上になることはありません。よって平衡には決して到達することなく、反応は右に進みつづけることになります。エッチングも終ると。ようするに Cu- を沈殿によって取り除くことが反応を右に進める原動力になっているということです。 こういう話は、分析化学の「沈殿平衡」というところを見ると書いてあります。ただし CuCl や Cu- の安定性は考慮していません。そこは無機化学の領域です。 ところで、この反応を左に片寄せるにはどうすればよいか。今度は逆に Cu2+ を除去すればいいです。これには、エチレンジアミン (en) が使えます。en を系に加えると、ほぼすべてが Cu2+ に配位して [Cu en2]2+ の錯体を形成するため、左辺の Cu2+ がほぼなくなります。すると左向きに反応が進行し Cu- の濃度が下がり、ついで CuCl も解けだす。 いかがでしょうか?(ただし、これは計算上の事なので、実際には他のことも起こって複雑化しているとおもいます。でも、基本はこれでいいです。)
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