• ベストアンサー

スピーカの選択の基準って?

Yorkminsterの回答

回答No.3

「特性に乱れがない」とか「歪みが少ない」とか「色付けの有無」といった事柄は実際に測定したり試聴したりしないと分かりませんが、そういう話ではなくて、質問の趣旨は「カタログから何が分かるか」ということですよね? (1)インピーダンス アンプから見た「負荷の重さ」を表します。アンプには、出力に流せる電流に上限があります。オームの法則から、電圧が同じなら抵抗値が低い方が多くの電流が流れます。したがって、「インピーダンスが低い方がアンプにとってはキツい(過電流で壊れやすくなる)」といえます。 真空管アンプの多くは出力トランスを介していますが、この場合、4オームのスピーカーは4オームの巻き線に、8オームは8オームに、接続する必要があります(そうしないと、周波数特性に乱れを生じます)。逆にいえば、アンプ側に8オームの出力端子しかないときは、8オームのスピーカーを選択するのが望ましいといえます(多分4オームでも実用上は問題ないと思いますが、真空管アンプについては明るくないので、断言はできません)。 (2)能率(dB)音圧 ある基準信号を入力したときに、何デシベルの音圧(音量と思って良い)を得られるかを示します。通常は、1Wもしくは2.83Vの信号で、軸上1m地点で、かつ部屋の反響がない場合の値です。 1Wと2.83Vは、8オームのスピーカーにおいては同義ですが、これ以外のインピーダンスでは意味合いが異なります。1Wは、4オームでも8オームでも同じ意味(アンプの出力が1Wということ)ですが、2.83Vは、4オームのスピーカーでは2Wに相当します(電力=電圧×電流。オームの法則から、電流=電圧/抵抗)。 他の要素とのかねあいもありますが、基本的に、低能率であるほど低歪みになるという関係にあるので(特にウーファーやフルレンジでは)、高能率ばかりを目すると音質は悪くなるといえます(もっとも、その歪みが独特の音色になってリスナーの好みに合う可能性はあります)。ただ、真空管アンプの場合、出力に余裕がないので、アンプの歪みが少ない領域で使うとなるとある程度高能率のスピーカーを選ぶべきでしょう。おおむね、90dB/1W程度を目安にすれば良いかと思います。 なお、デシベル表記なので3dBの差は音量でいうと2倍、つまり、90dB/1Wのスピーカーで出せる音量を87dB/1Wのスピーカーで出すには2倍のアンプの出力が必要ということです。 (3)周波数特性 一定以上の音圧が得られる帯域を示します。たとえば、50Hz-20kHzとあれば、平坦なのは100Hz~くらいで、あとは両肩下がりになっていると考えて良いでしょう。最後に、(-6dB)等の記載があれば、「その対域内ではマイナス6デシベル以内の差に収まっている(あくまでマイナス側だけで、プラス側=ピークの有無については何もいっていないのと同じ)」という意味です。 基本的に、上も下も広いのが望ましいですが、「質」を伴った広さであるかは別問題です(たとえば、歪みっぽい広帯域より、歪みのない狭帯域の方が優れているといえます。安いスピーカーでやたらに帯域の広いものは、基本的に歪みが多いと思って良いでしょう)。2Way以上なら、高域側が20kHzは当然として、低域側は50Hz程度まで表記されていればいちおう及第点といって良いと思います(人間の可聴限界は20Hz程度とされていますが、ここまで出すには40cmくらいのウーファーと風呂桶並みの箱が必要です)。 (4)大きさ 低音との関係でいえば、以下のことがいえます。 ・同じ振動板面積なら、ストローク幅が長い方が低音が出る。 ・同じストローク幅なら、振動板面積が大きい方が低音が出る。 つまり、振動板が駆動できる「空気の体積」が問題であって、大きい=低音が出るというのは、半分正解で半分不正解です。なお、あまりにストロークが大きいと歪みが増え、あまりに振動板が大きいと高音の歪みが増えます(低音に関しては、振動系質量や先鋭度など他の要素もたくさんあります。したがって、大きい=自然な音と決めてかかるのは早計です。まあ、大型スピーカーには高級品が多いということを前提とすれば、そういえなくはないですが)。 箱のサイズは、基本的に大きい方が低音再生に有利ですが、強度を伴わない箱は共振によって音質が悪化しますから、安くて大きい箱よりは高くて小さい箱の方が良質といえます。 (5)価格 基本的に、安い価格帯ほど値段=音質と考えて間違いありません。上で述べた様々な点で、コストをかければ性能を上げることができるからです。他方、何100万円もするスピーカーでは、物理的性能の良し悪しというよりは、音の好みに対するこだわりを実現したらその値段になった的なものが多くなってきます。 以上の他に、位相特性や過渡特性、歪み率など、カタログ上には表れない多くの要素が音質に関係します。上で書いているのは、音質を決めるほんの一部の要素に過ぎません。したがって、カタログだけでスピーカーの良し悪しを判断することは困難で、けっきょくは「聞き比べられる限りは聞き比べる」というのがいちばんであるといえます。よって、あくまで、ご参考までに。

toitoi406
質問者

お礼

大変詳しい解説参考になりました。 お詳しいそうなので”ズバリ”お聞きしたいのですがエレキットの TU-879S真空管アンプ(8.5W+8.5W)にベストフィット のスピーカー(予算左右で5万円以内)はいずれがいいでしょうか? 皆さん高能率が良いと言うことなんですが。 難しい質問ですみせん。

関連するQ&A

  • スピーカーのカタログの見方を教えてください。

    スピーカーのカタログの見方を教えてください。 出力音圧レベル 85dB インピーダンス  4Ω っというスピーカーと、 出力音圧レベル 85dB インピーダンス  8Ω このような、出力音圧レベルが同じで、インピーダンスが違うスピーカーがあったとします。 私は、8Ωの方がカタログ的には出力音圧レベルは高いと思ったのですが、 昨日オーディオショップの店員さんに4Ωの方が出力音圧レベルは高いと言われました。 「音圧って1Wの信号を入れて1mの距離で測ったものですので、 抵抗値が高いと音圧は小さいです。なので4Ωの方が音圧は高いです」 っといわれました。 カタログって「dB/2.83v/m」っという基準?規格?で書いているの思うのです。 「W=V×V÷Ω」で2.83Vで計算すると、4Ωのスピーカーだと2Wになりますよね。 なので、出力音圧レベルの数値が同じ場合、4Ωの方が-3dB低くなるのでは ないかと思ったのですが違うのでしょうか。 スピーカーはインピーダンスが変動するのはわかっています。 能率もインピーダンスも周波数によっても違うのはわかります。 ですが、「カタログの見方」として教えてほしいです。

  • スピーカーの過渡特性について。

    スピーカーの過渡特性っというものをものすごく簡単に言うと、 ユニットがパッとうごいて、パッと止まることが、 「過渡特性が良い」っということになるのでしょうか。 もし、そうだとすると高音用のユニットは高音しか再生しないし小さいので 過渡特性がよくて、ウーハーは大きくて重たいので過渡特性が悪いっという ことになると思うんです。 そうなると、綺麗な高音を出すために、高音を伸ばすために、 ツィーターはどんどん軽い振動板や新しい素材の振動板になり、 ウーハーは、小型で低音を伸ばすためにドンドン重たくなり、 過渡特性が高音と低音でかけ離れたスピーカーが増えている っということになるのでしょうか。 そして、真空管アンプを私は使用しておりますが、 非力な真空管アンプを使用している時点で、過渡特性が良い スピーカーを使用しても、スピーカーの性能を活かしている っとういことにはならないのでしょうか。 ある程度、アンプ側で制御することで、過渡特性の良さが 生きるのでしょうか。 最近、スピーカーのお国柄の違いや、高音の聴力の質問をしているうちに、 周波数特性がいくら良くても、過渡特性がそろっていなければ それは「使いづらいスピーカー」っということになるのかな。 っと考えてしまいました。 逆に、周波数特性も過渡特性も優れていないフルレンジスピーカーを 非力な真空管アンプで鳴らしたほうが、音楽鑑賞っと言う点では 向いている場合もあるっということでしょうか。

  • スピーカー振動板の振幅の理解

    スピーカーは,Fs以上が高音ほど振動板振幅が小さくなってフラットな音が作れるとされています。 実際の振動板振幅を動画で録ろうとしましたが振幅が小さくて困難でした。 周波数特性図の前と内部の音圧を測定すると、 箱内が低音ほど音圧が大きいのは、振動板振幅が大きいことであって、 理論通りと思うのですがこの理解で良いですか? 参考:オーディオの科学記事の音響インピーダンスhttp://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/9522soundimpedance.pdf ダイナミックスピーカー理論http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/9722dynamicspeaker.pdf

  • スピーカーの選択

    スピーカーの選択 30年位コンデンサーヘッドホンを使っていたのですが、スピーカーとアンプを置けるようになり、設置しました。アンプは300Aの7WX2で10Hz~70kHzという特性、スピーカーはブックシェルフ型13cmの同軸2ウェイで70Hzから20KHzというものです。最近のスピーカーは高域特性の良い物が安く買えるのでどうしようかと考えているのですが、スピーカーは周波数特性で選ぶべきでしょうか、価格相応なんでしょうか。コンデンサーヘッドホンでは低域が出にくいため、スピーカーも低域特性は重要視しないものとします。 CDプレーヤーが不足していてDVDプレーヤーで聞いていますが、CDプレーヤーとDVDプレーヤーの音は同じなのでしょうか。音楽DVDも聞けて便利ですが。

  • スピーカーの単位について

    最近音質のよいスピーカーを買おうと思ってインターネットでイヤフォンを調べてみたところ、 以下のような項目が製品につけられていました。 ドライバーユニット:mm インピーダンス:Ω 音圧感度:dB/1mW 最大許容量:mW 再生周波数帯域:Hz~Hz 上のこれはそれぞれ何を表しているのでしょうか。 どなたか詳しい方、教えてください。

  • スピーカーの疑問

    スピーカーの疑問 スピーカーを見ていたのですが・・・ アンプによくついてくる、ボックスのようなスピーカーと背の高いトール型?のスピーカーがありますよね? あの2つはどこか違いがあるんですかね?? 全く違いのないならトール型?を買ってみたいと思うのですが・・・ それとインピーダンス?はアンプと合わせたほうがいいんですよね? それからそれから再生周波数帯域は広いほうが低音、高音がはっきりするということなんでしょうか? 再びいろいろとすみません。 よろしくお願いします。

  • ヘッドホンの仕様と音質の関係

    音質がいいヘッドホンを買おうと思っています。 HPでいろいろ見ていると、仕様のところに、 ・周波数特性   (5~45000Hz など) ・最大入力    (1000mW など) ・インピーダンス (40Ω など) ・出力音圧レベル (102dB/mW(JEITA) など) が書いてあります。そこで質問なのですが、これらは、音質とどういう関係があるのですか? 特に、周波数特性のところが気になります。低いと低音がいいんでしょうか?教えてください。 ちなみにこれは、オーディオテクニカの8万のやつです。

  • 良いスピーカーの基準

    良いスピーカーの基準 タイトル通りですが、良いスピーカーの目安はありますか? 「実際に聞いてみて、良いものが良い」などと聞きますが、選ぶ基準は金額ぐらいしか無いんでしょうか? 今自宅で中古のPCスピーカー(NEC)を使っていて、4Ω 1.5W+1.5Wと記載されています。 1000円で買った割にはクリアで低音も響くので重宝していましたが、訳あってもうひとつスピーカーを購入しました。 http://www2.elecom.co.jp/multimedia/speaker/ms-87/index.asp 決して高額な買い物ではないのですが、比較してみると元のNECの方が篭らず良かったです。 NECはACアダプターで、エレコムは普通のコンセント式でした。 なんとなく素人感覚で最大出力が大きければ良いのか?なんて思っていましたが、アテにはなりませんでした。 そこで質問させて頂きたいのですが、みなさんのスピーカーを選ぶ基準は何かありますか?? とにかく家電店に行って直接視聴するのみ、ですか? 最大出力・インピーダンス・周波数帯域・スピーカー直径・電圧 このようなスペックを見るのですが、何がいいのか分かりません。 ACアダプター付きの方が、良いですか?

  • アンバランスドライブ(スピーカ)に対する考え方

    スピーカーに於けるインピーダンスとは可聴域周波数のどの部分を 指してのインピーダンスでしょうか? スピーカ(インピーダンス負荷)に対する伝送路におけるインピーダンスは0オームが理想と思いますが・・・。 スピーカーをドライブするのに対してケーブル(細い線)を縒って結線しているのを良く見かけますが、線を縒ってしまうことはL,C,Rが無条件に加わりAmpの持っている特性を表現できなくなると考えますが如何でしょうか? あくまでもアンバランスでのドライブを想定しての質問です。 この件に対して詳しい方教えてください。 宜しくお願いいたします。

  • サテライトスピーカー取り付けによる音割れ

    アトレイに乗っています。 以前フロントのスピーカーをcarrozzeriaのものに変更しました。 標準のスピーカーとの「音質」の違いに「スピーカーを変えただけでも、こんなにもクリアな音に変わるのか!!!」との驚きとうれしさのあまりサテライトスピーカーを新たに取り付けました。 しかし、音量をある程度まで上げると、サテライトスピーカーが音割れを発生してしまいます。 オーディオデッキは標準ものを使用し、配線には問題ないと思います。 (フロントとは別にスピーカー用のカプラがついていたので、それに繋げています) スピーカーの能力の問題かなと考えていますが、どのように設定、対処したら音割れが発生しないようにできるかわかりません。 スピーカーの仕様を見ていたら、周波数、定格入力などの項目の違いに何か問題があるのかななどど、憶測していますがどうなのでしょうか? フロントスピーカー スピーカー構成 16 cmハイ・アコースティック・ファイバーコーンウーファー、2.5 cmピュアマグネシウムドームトゥイーター 瞬間最大入力 170 W 定格入力 35 W 再生周波数帯域 30 Hz~30 000 Hz 出力音圧レベル 90 dB インピーダンス 4 Ω サテライトスピーカー 形式  密閉式サテライトスピーカー ミッドハイ  5.7cmコーン 瞬間最大入力  60W 定格入力   15W 再生周波数帯域 200~30,000Hz 出力音圧レベル 81dB インピーダンス 6Ω また、インピーダンスという内容をネットで調べてみましたが、 それを対処するにはどうしたらよいか分かりません。 知識が浅くオーディオ初心者で、知らないことばかりで申し訳ないのですがよろしくお願いします。

専門家に質問してみよう