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人間以外の生物は即自存在?対自存在?

noname#254の回答

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noname#254
noname#254
回答No.1

 難しいですね。が、おそらく、サルトル本人だったら「動物・植物は対自存在ではない」と答えるのではないでしょうか。というのは、それ自体として存在している即自存在が、「世界」という虚無の中に投げ出されて、そこで「それ自体ではないもの」という対自存在へと分裂するわけですが、これはその存在が「自己意識をもつ」ために起こることだからです。「即自かつ対自」という果たされることのない再統合を目指しつつ、「まだそれではないものになる」という脱自を生きていく…というこの過程、これも「自己意識」があって初めて意志的な過程になるものでしょう。とりあえずサルトルの視野に入っているのは「人間だけ」ということになろうと思います。  しかし、植物はいいとして、動物が「自己意識を持たない」と断ずることには、僕個人はためらいを感じます。人間に比べて、はるかに単純で素朴かもしれませんが、非常に原初的な形では、動物たちにも「自己意識」があっておかしくないのではないか、と。だとすれば、対自存在に動物を入れることも、まったく不可能ではないでしょう。  これに関連して、このコーナーの少し後ろの方にある「人間って、なんですか?」という質問に対するozapanの回答も、もしよろしかったら参照してください。

noname#191804
質問者

お礼

ご回答どうもありがとうございました。ご紹介いただいた「人間ってなんですか?」というQ&Aも大変参考になりました。 なるほど。人間の場合は、ホモ・サピエンスとしての在り方を即自存在、意識のレベルでの在り方を対自存在と考えるべきなのですね。 私もあなたがおっしゃるように、猿やイルカやカラスなど高い知能を持った動物たちは人間に近い在り方をしているのではないかと思います。また、ホモ・サピエンスであっても、生まれたばかりの赤ん坊や重度の知的障害者、文明以前の原人やアマラとカマラという狼に育てられた少女たち(*1)について考えてみると、やはり簡単に線引きできる問題ではないような気がします。 ところで、この質問をした経緯について少し述べたいと思います。私は普段は哲学書などほとんど読まないので、サルトルがどういう人かも実はよく知りません。しかしつい先日、柄谷行人氏の「倫理21」という本(*2)を知り、その本の次のような箇所を読んで『石と人間じゃ極端だなぁ。』と感じたことが、この質問をしようと思ったきっかけです。 “カントが自由を義務として見たのに対して、サルトルは、「人間は自由という刑に処せられている」といったのです。  サルトルは、石が石であるような在り方をすることを即自存在と呼びます。それに対して、人間は対自存在、つまり、在るところのものではなく、在らぬところのものであるような存在の仕方をする。それはたえず不安な在り方であり、自分を決定的に根拠づけることができないような在り方である、と。だから、ひとはここから逃れようとする。たとえば、石が石であるように、自分は白人であり、男であり、フランス人であると考える。しかし、それは自己欺瞞であって、人間は根本的に自由であるという条件をまぬかれないのだ、とサルトルはいうのです。” ちなみに、私がこの本を読んで思ったのは、自分の考えていることなどまだまだ未熟で甘いのだなということでした。 私はこれまで倫理というものを幸福主義的/功利主義的なものと考えていたし、人間が持っている攻撃性に関しての認識も甘いものでした。たぶん、私はこれから何度もこの本を読み返すだろうと思います。また、多くの人に広く読まれて然るべき本であると思いますのでお勧めしたいと思います。 参考URL *1 http://www.sinri.co.jp/sinri/library/l7.htm *2 http://www.nam21.org/book/rinri21.html

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