- 締切済み
コレクタ同調形発振回路
実験の課題がわからなかったので質問させてください。 「コレクタ同調形発振回路で電源電圧変動により発振周波数が変化する理由を答えよ」という課題です。 トランジスタを使用した回路なので、 電源電圧が変化することでトランジスタのバイアスが変化し、トランジスタの動作点が変化するため発振周波数が変化する と考えました。 しかし、私の考えでは理由が漠然としすぎてるような感じがします。 (そもそも、あっているのかさえ不安です…。) そこでウェブで検索をかけて調べたのですが、詳しく解説をしてくれているサイトを見つけることが出来ませんでしたので質問させていただきました。 どなたかわかりやすく説明をお願いします。 また、いいサイトがあれば教えてください。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
原因はいろいろ考えられますが、コレクタ出力容量が電源電圧によって変わる効果が最も大きいと思います。 資料[1]にコレクタ同調型発振回路の等価回路が出ています。その図5にある↓(電流源)とその右の抵抗がコレクタ-エミッタ間の等価回路になります。この回路の発振周波数は、6ページに出ているように f0 = 1/{ 2*π*√( L*C ) } となります。しかし、図5には書いてありませえんが、実際にはコレクタからトランジスタ内部を見たときの寄生容量 Cc が付加されて f0 = 1/[ 2*π*√{ L*( C + Cc ) } ] になります(Cc が大きいほど f0 が小さくなる)。ただし、コレクタ抵抗が変わっても同調周波数は変わりません(共振のQ値は変わりますが)。 このCc は、資料[2]に出ているコレクタ-ベース間容量 Cob とエミッタ-ベース間容量 Cib の直列合成容量になります。つまり Cc = 1/( 1/Cob + 1/Cib ) ですから、Cob や Cib が変動すると Cc も変動することになります。Cib はベース-エミッタ間電圧 Vbe によって変わり、Cob はコレクタ-ベース間電圧 Vcb によって変動します(電圧で静電容量が変わる現象は可変容量ダイオードの原理です)。Vbe や Vcb が電源電圧に対してどれくらい安定しているかは、Shun0531さんの考察通り、バイアス回路に依存しますので一概には言えません。しかし、Vbe や Vcb が変動することで発振周波数が変わる直接的な原因はCob や Cib の変動です。もし、トランジスタのベース-エミッタ間が高周波的にショートになっている場合は Cib = 0 なので、この場合の周波数変動の原因はコレクタ-ベース間電圧 Vcb の変動だけになります。一方、Vbe や Vcb が変動するとトランジスタ内部の等価抵抗も変動しますが、上述したように、それで共振のQ値が変わることはあっても共振周波数は変わりません。 同調回路の C が大きくて C >> Cc ならば、Cc が変わっても周波数の変動は大きくないですが、Ccは数pFでC も同じオーダの容量の場合(数十MHz以上の発振回路)は Cc の変動の影響が大きくなります。蛇足ですが、Vbeの変動を使って音声を周波数変調したのがFMワイヤレスマイクです。 Cob と Cib の電圧依存はトランジスタによって違うので、実際にデータシートを見るしかないですが、一例を資料 [3] に揚げておきます。 [1] コレクタ同調型発振回路の等価回路(図5、5ページ) http://www.info.kanagawa-u.ac.jp/~uchida/HP-uch/feedbackosc.pdf [2] Cob とCib(図3-3-15 ) http://okawa-denshi.jp/techdoc/3-3-4TRseiden.htm [3] Cob とCibの電圧依存の例(Fig.6、2ページ) http://www.rohm.co.jp/products/databook/tr/pdf/2sd2679-j.pdf
お礼
わかりやすく親切な説明ありがとうございます。 電源電圧の変動により結果的にコレクタ出力容量(寄生容量)が変化することが影響しているとは知りませんでした。 非常に勉強になるサイトも載せて頂きありがとうございました。 また、勉強してみようと思います。、