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一茶の俳句で
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>”墨染めの蝶がとぶ也秋の風” 「墨染め」とは仏僧が普段に着るゆったりした法衣のことです。 ところで、重要なことは、蝶は、羽が比較的に強く、ひらひら、という感じの飛び方になります。ひらひらというのは、空気のなかで落ちたり上がったりをしているということです。 >墨染めをまとったような黒い蝶が、風のなかでゆったりと飛んでいる。秋の静かな風情のなかに、無常の世を思い起こさせる。 「墨染め」という言葉が出てくると、和歌などでは、必ず「出家の身」とか「世の無常」とかが含意されます。俳諧は、連歌や和歌の伝統とつながっており、「墨染め」と出てきて、「出家」とか「僧」とか「世の無常」とかを連想しないで、ただ「色の黒」だけというのは、ありえないのです。 蝶は昔はたくさんいたのですが、ある意味のどかな情景であり、また蝶が飛ぶのを眺めているというのも、暇な人だとなります。無論、俳諧を詠むのには、のどかで暇な生活が前提になります。芭蕉は忙しい人生を送りましたが、ちょっと旅をしすぎているのです。だから、「芭蕉=幕府隠密説」などが出てくるのです。 一茶はひねたところがあり、変なものの見方をします。例えば、「やれうつな、蝿が手をする足をする」では、蝿が、手足をすり合わせて、「助けてくだされ」と拝んでいると言っているのです。 「蝶が墨染めをまとって秋の風のなかをゆるやかに飛んでいる。わしが出家せぬのを、馬鹿にしておるのか」……こんな意味までは出てきませんが、「黒い蝶」のことを「墨染めの蝶」と見た、見たてたときに、一茶の生活と、出家の生活が、この情景で対比されて、秋の情景に織り込まれていると考えるのは、それほど、唐突なことではありません。 俳句も和歌も字数が少ないので、意味を拡充して使います。その言葉から導かれるイメージをすべて考慮するといえるのです。「墨染めの蝶」は明らかにメタフォアで、仮に一茶が、実は「単に、黒いを意味したかっただけだ」と何かに書いていても、読む方は、そうは受け取れないということです。 これは、わたしの句の鑑賞ですから、間違いとか、正しいは関係ありません。「秋」は無常を思い出させる季節であり、そこに「墨染め」と出てくると、一茶は、出家や放浪生活のことを、考えているのではないかというのは、自然な連想です。
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- fukuyori
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お坊さんの着る黒い法服のことを「墨染めの衣」といいます。袖も裾もゆったりとしていて、その立ち居振る舞いに衣が揺らぐ様を蝶に譬えることも突飛ではないでしょう。 秋風の中、僧侶(僧形の自分?)がきびきびと法務に服している──。 なーんてのは思いつきの解釈です。正しいかどうかは……?
適当に書いてみました。 真っ黒な大きな蝶が、私の前を通り過ぎていく。ああ、もう秋風が吹く季節になったなあ。 #秋の蝶……晩夏~晩秋に現れる蝶は、いわゆる夏型で、その種としては最大のサイズになります。 #墨染め……法衣の比喩ととらえる必要はなく、単純に黒い蝶と考えてみましょう。 一般的な黒い蝶なら、 クロアゲハ・モンキアゲハ・オナガアゲハ・カラスアゲハ(緑がかっている)の類 もしかしたら、 シジミチョウの類(暗い色のものに限る) になると思います。
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絵柄入りの説明ありがとうございました!
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