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水処理の中和に硫酸を使う理由とは?
現在、とある処理場で水処理業に従事しているのですが、滅多に来訪しないお偉い様から質問を受け、明確に答えられませんでした。 単純に個人的にも疑問を持った内容だったので、どなたかご存じでしたら教えて下さい。 当処理場の条件(質問の内容)は・・・ ・カルシウム塩が高濃度に存在し、原水はpH11~12ぐらい ・塩酸を使用しない理由はなぜか? ・仮にカルシウムと結合した場合、溶解度の観点から硫酸カルシウムより塩化カルシウムとなった方が水処理も容易なのではないか? ・維持管理上の規制がある塩化物イオンは、塩酸を使用することにより中和によって高くなるものなのか? 以上4点です。なお、コストは度外視して教えて下さい。 宜しくお願い致します。
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・塩酸は塩化水素ガスを発生するので取扱が悪い。また場合によっては更に有害な塩素ガスを発生する可能性が高い。硫酸はガスを発生すること(排水処理での反応で)はまずない。 ・塩化カルシウムは水溶液で系外に出た場合、環境汚染の問題がある。硫酸カルシウム(石膏)は水に不溶で沈殿するので汚泥として別途運搬、処理できる。 ・塩化物イオン濃度は塩酸を使うことにより、当然高くなる。塩化物で沈殿するような+イオンなら別ですが(仮にAgやPbが排水に来ることは設計上問題がありますが)
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- komes
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水処理の目的によりますが源水の数値を見ますと、カルシウム塩濃度が高くアルカリ性であるという場合、カルシウムイオン濃度を下げるには硫酸で硫酸カルシウムとして沈殿除去するのが最適の処理法です。 塩酸では中和出来てもカルシウムイオン濃度は変わりません。 しかも塩化物濃度が増加するだけです。 塩化物濃度は稀釈しかないので、水処理のコスト負担が増大します。
お礼
実際のところ、75%硫酸で一次中和していますが、カルシウム濃度は入口側の濃度と差ほど変わらないため、効果の程は微妙なようです。 ですが、塩酸と比べればまだメリットが大きいことは理解できます。 あと、単に塩化物イオン濃度が上昇するのはやはりよろしくないですよね。 ありがとうございました。
- ht1914
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硫酸からは亜硫酸ガス、塩酸からは塩化水素ガス と書かれています。 塩化水素ガスは塩酸そのものです。塩酸は塩化水素を水に溶かしたものだからです。 亜硫酸ガスは硫酸そのものではありません。硫酸が酸化剤として働くことがなければ出てこないものです。 高校の教科書にも熱濃硫酸は酸化作用を示すと書かれています。 水処理の場合、この熱濃硫酸という条件が実現する事はないと思いますので亜硫酸ガス(二酸化硫黄)の発生はないとしていいと思います。
- mitsuo-0324
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各回答は、No.1さんの内容と私も思います。 4点から判断すると硫酸がよいと思われます。 一般的には、硫酸も塩酸も利点難点あり、水処理センターでは諸事情あると思いますので、どちらがよいとは言い切れません。
お礼
腐食性ガスである亜硫酸ガスと塩化水素ガス・・・果たして、どちらが大きな問題かと言われれば微妙なのかも知れません。 一般的に酸側への中和にほとんど硫酸しか耳に入らない理由も知りたかったのです。 まあ、中和効率が断然に硫酸の方が上回りますから、その辺ですかね。 どうもありがとうございます。
お礼
そっそくの回答、恐れ入ります。 三点目の質問は、「塩酸で処理した方が」という言葉が足りなかったのですが、網羅された回答で恐れ入ります。 ただ、塩カルが外部へ排出すると環境汚染・・とありますが、排水基準で引っかかるのはCODくらいな感じもします。 ありがとうございました。