物件的請求権について質問です！

質問

A→B→Cと腕時計の物権変動がありました。A→B間は貸借、B→C間は窃盗です。窃盗から半年が経過したところです。
この場合Aは、１９３条の所有権に基づく返還請求件をCに請求できますか？

２００条の占有回収による請求は１年以内なら出来ますよね？２００条はBが占有代理人であるので、Aは間接的に占有していることになるので、請求できると。
しかし１９３条を適用しようとすると、AB間が貸借になっいて、BC間が窃盗なので、Aは１９３条を使えるかがわかりません。

AB間が窃盗だと１９３条が使えて、AB間が貸借だと使えるのか？というところで悩んでます。何方か教えてください。宜しくお願いします。。。

回答No.4

kanpyou

moonliver_2005さん序文にご指摘の通り、盗品・遺失物を「即時取得」とすること自体が考えられません。

『即時取得』と考えられるためには、質問文を例にとると、更に「Ｄ」の存在が必要なのではないでしょうか。

Ｃが目的物を取得し、それをＤの知らない間にＤ宅内へ隠した場合が考えられます。
Ｄは「善意・無過失」で占有を始めるわけですから、その権利を取得するのです。ただし、193条により回復請求が為された場合は、これに応じなければなりません。194条の有償取得とは異なり、原始取得でありますので、その費用負担は無いのです。

お礼

時効取得しないと１９３条は適用されない。
これがわかって本当に助かりました。
有難うございました。。。

回答No.3

moonliver_2005

以下、大江忠著「第三版要件事実民法(2)物権」（第一法規）85-87頁の本質問向けの要旨、つまり受け売りです。（私は物権法の初心者です）

＞A→B→Cと腕時計の物権変動がありました。A→B間は貸借、B→C間は窃盗です。

この場合の物権変動は占有の移転でしょう。Bには占有正権原がありますがCには占有正権原は無いという話です。ということは所有権は依然としてAのままです。

＞AB間が窃盗だと１９３条が使えて、AB間が貸借だと使えるのか？というところで悩んでます。

本件、所有権はAのままですから、AはCに対して所有権に基づく所有物返還請求権としての動産引渡し請求をすれば良い事になります。

我妻・有泉著「新訂物権法」（岩波書店）230-231頁には本条に基づく回復請求権を取得すると書いてあるそうですが（私は読んでいませんが著者はこう書いています）、この場合はこの腕時計が盗品か遺失物であることを立証する負担が生じるので、あえてこうする実益はないと著者はのべています。

実はBがCに対して目的返還を求めるときには本条は有効になります。Bには所有権が無いからです。この場合、Bは被害者であることを明らかにするために占有正権原（賃貸契約など）を有することを立証する必要があるようです。

ただし、Cの占有がBの占有に直接引き続くものであるなら、200条が行使できます。ということは、Bは、目的物が窃取されたか遺失したものであることを立証する必要がある193条をあえて持ち出す必要は、この場合はないということになります。

私は、正直言ってこの本のこの条文解説の意味が深く理解できませんでしたが、質問者さんの疑問によって、よく判る様になりました。有難うございます。

お礼

占有の移転はあるが、所有権は移転していないので、所有権にもとづく返還請求権ができる。
なるほどです！
有難うございました！！！

回答No.2

kanpyou

193条は、平穏・公然・無過失に、善意者が占有を始めた『原始取得』の場合でありますので、適用はありません。

回収に主眼を置くならば、Ｂの200条による返還請求権をＡが債権者代位して返還を求めることが出来るのではないでしょうか。もちろん、所有権に基づく請求も並行して可能です。

お礼

１９３条が適用されるのは即時取得されてないと駄目だということ分かりました。
本当に有難うございました。。。

回答No.1

tatuta1991

＞A→B→Cと腕時計の物権変動がありました。A→B間は貸借、B→C間は窃盗です。窃盗から半年が経過したところです。
この場合Aは、１９３条の所有権に基づく返還請求件をCに請求できますか？

正確にいうと193条の請求は、「所有権に基づく・・・」ではなく盗品等の回復請求権と言います。原所有者だけでなく賃借人、受奇者でも可能です。そして、193条ですが、これは動産物権変動の即時取得における例外規定です。よって、Cの即時取得の具備（192条）が前提条件ですので、193条では請求できません。

＞AB間が窃盗だと１９３条が使えて、AB間が貸借だと使えるのか？というところで悩んでます

なのでどちらも193条請求は出来ないと思われます。BC間に有効な取引行為の存在・Cの平穏公然善意無過失・Cの占有取得がまず前提と思いますが。

お礼

有難うございます。
１９３条が即時取得の例外規定という言葉で頭の中が整理されました。
動産による即時取得あっての１９３条なんですね。
有難うございました。。。