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「ツァラトゥストラかく語りき」の中の「ラクダ」「獅子」「幼子」とは?

ニーチェの「ツァラトゥストラかく語りき」の中に、「三段の変化」という項目があります。「ラクダ」「獅子」「幼子」と、精神が三段に変化を遂げるようすを詳述してあるものですが、いくら読んでも、具体的にどう言う心境の変化を述べたものなのか理解できません。ニーチェは、やはりラクダと幼子を肯定的にとらえ、獅子を否定的に扱っているのでしょうか。 私は哲学はからっきし無学ですので、可能であれば具体的な事例を挙げてお教え下さい。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • aoneko
  • ベストアンサー率52% (65/125)
回答No.1

幸い(?)私も哲学オンチなので、哲学色はヌキにしてお話させてくださいな。 ■精神の三段の変化とは 1)ラクダ段階:神にひざまずき、重い荷を背負いたいと願う、服従と勤勉の精神  俺は傲慢だ、知ったかぶりだ、俺はバカだ。  そうであることの重荷に耐えられるほど、俺は嬉しい。  どうか俺の背中に一番重い荷物を乗せてくれ神様。  俺はどんな辛さにも耐えるから。 2)獅子段階:新しい創造を目指す権利を得る、自由意志発揮の破壊精神  神とやらが俺に押し付けていた「義務」はもうどうだっていい。  だって俺はこんなに強いもん。  俺はきゅうくつな修行から逃れて、そして何者にも縛られない自由を手に入れるぞ。  俺はもっとすごいことがしたいんだ。邪魔するやつは容赦しない。 3)幼子段階:新しい創造ができる力を得る  (敬虔であったラクダ時代を忘れ、暴虐だった獅子時代も忘れ、  すべてを真っ白な新しい気持ちで受け入れ、遊びながら、  どんどん新しい価値を生み出していく存在。) 途中で「神様」という語が出てくるけれど、 ニーチェの名台詞はご存知「神は死んだ」。 つまりこの書は、キリスト教の価値観でガチガチに固められた世界観をブッ壊して、 それに代わる新しい価値観や新しい人間像を、 ゾロアスター教の神様(ツァラトゥストラ=ゾロアスター)にかこつけて語らせてみているわけです。 神様の教えに従順に従っている段階がラクダ。 それにおかしいと気づき、ぶっ壊そうとあがき暴れまくっているのが獅子。 (獅子でなければ古い価値観をブッ壊すことはできない) そして新しい価値観を生み出すには、幼子のように無垢でなければいけない。 …とはいえ、「ツァラトゥストラ~」は「福音書」のパロディらしくて、 「幼子」とはイエスその人を指してるみたい。(「幼な子のようになりなさい」っていう聖書の言葉から) つまり元に戻るだけで、新しい価値は誰も生み出せないという… 恐ろしいオチです。 >具体的な事例を挙げて 夏目漱石の「坊ちゃん」から「三段の変化」を説明しているサイトを見つけました。ご参考になさってください。おもしろかったです。(^^) ラクダ…うらなり 獅子…山嵐 幼子…坊ちゃん

参考URL:
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4208/unpublished/enfant.html
brucelee
質問者

お礼

ありがとうございました。ご指摘のURLは、私にはちょっと難しすぎましたが、上述された123は、非常によくわかりました。 獅子の時代は、世阿弥のいう「時分の花」で、それを超えたところが「幼子」なのかな、とか、中島敦の「名人伝」の登場人物も同じ道をたどっているなとか、巨人の星の星飛雄馬もこの三段階を経ているなとか、いろいろ思いを致すよすがになりました。

その他の回答 (2)

  • kapibara
  • ベストアンサー率14% (1/7)
回答No.3

お読みになったのは新潮社の「ツァラトストラかく語りき」でしょうか? 中央公論の「ツァラトストラ」はもっと読みやすいですよ。 質問に対しての回答ではないですが、ちょっと書いてみました。

brucelee
質問者

お礼

アドバイス有り難うございます。 同僚が会社の会議で引用していたので、彼に頼んでその部分をコピーして貰ったのですが、何版かはわかりません。教養の差を思い知っています。

  • Mell-Lily
  • ベストアンサー率27% (258/936)
回答No.2

ニーチェは、古来からの伝統的なキリスト教的価値観を批判しました。彼は、キリスト教を、奴隷、すなわち、弱者の哲学し、強者の哲学を唱えました。彼の中心思想は、超人という概念にあります。駱駝とは、キリスト教に盲従する者、獅子とは、それから脱却する者、幼子とは、新しい価値を見い出す者の象徴です。つまり、いかにして人が超人に目覚めていくかを語っているのです。

brucelee
質問者

お礼

キリスト教に対する批判だったとは、思いもしませんでした。ありがとうございました。

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