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法廷でよく聞く、「疑わしきは被告人の・・」意味教えて下さい。

noname#61929の回答

noname#61929
noname#61929
回答No.4

前提として刑事訴訟の概略を説明すると、 1.刑罰を適用するには犯罪となる事実がなければならない。 2.その事実は「過去のもの」なので現に目の前には存在し得ない。 3.そこで証拠によってその事実の存否を確定する。 4.証拠により事実の存否を示すことを立証と言う。 5.立証は原則として検察官の義務である(例外もある)。 6.立証が上手く行けば裁判所は検察官の主張する事実があったと認定する。 7.立証に失敗すれば裁判所は検察官の主張する事実はなかったと認定する。 8.裁判所は認定した事実に基づいて法を適用し、犯罪となれば有罪、ならなければ無罪という判断をする。 というところ。 さて、ここで5と7のところで問題になるのが「疑わしきは被告人の利益に」という話です。これは、決して「有罪の確信が得られなければ無罪の判決を書け」という意味ではありません(無論、「結果的に」そうなることはあります)。この点は勘違いしている人が多いのですが、#1の回答の引用サイトにもあるとおり「疑わしきは被告人の利益に」というのはあくまでも「証拠に基づく事実認定の原則」であって「有罪の判決に必要な裁判官の心証の程度」の話ではありません。 もうちょっと具体的に言えば、「検察官が事実の存在を立証する義務を負い、その立証が不十分なために検察官の立証しようとする『事実』が存在するということに裁判官が疑問を抱いた場合には、その『事実』は無かったものとして扱う」ということ。要するに「被告人は自分に不利な事実の存在についてその不存在を立証する義務を負わない。そこで、裁判官が納得する程度の立証を検察官がしない限りはその立証により存在を証明すべき『事実』は存在しないものとして扱う」ということです(無論原則論で例外はあります)。 有罪無罪の判断はあくまで「事実の積み重ねの結果」なので「一つの事実が存在しないという認定になったからと言ってそれだけで直ちに無罪ということになるとは限らない」ので、結果としては有罪ということはあり得ます。一番典型的なのは、「殺意の立証が不十分なので殺意の存在を認定しないで傷害致死罪とする」というもの。あくまでも結論は「有罪」です(殺人罪としては無罪という言い方はできますが)。 次に、根拠ですが、条文上の根拠という意味では「明文規定は存在しない」です。ただ、フランス人権宣言に由来する無罪推定の原則からすれば当然のことであり、憲法31条および刑事訴訟法336条の趣旨からも当然ということにはなっています。そうではなくなぜそのような原則があるのかという話ならそれは、「歴史的に冤罪回避の方法として有効と認められたから」です。 ちなみにこれは「台詞」とかそんな薄っぺらなものではありません。あくまでも近代刑事司法における大原則である無罪の推定から導かれる重要な原則であり、歴史から人類が学んだ知恵です。

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