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可視光における磁場の影響

【質問1】 電磁気学や光学の教科書で、 「磁場は電場よりも十分小さいのでここでは電場の影響のみを考える。」 といった記述を目にします。 その論拠として教科書によく挙げられている式、 |E|=c|B| について質問です。 これを見る限り、確かに電場の振幅が磁場の振幅のc(光速)倍なので、 大きいというのはわかります。 しかし、これでは|E|と|B|の次元が違うので奇妙に思い、調べた結果、 これは考えている単位系が原因なのだとわかりました。 そこで、改めて、|E|と|B|の次元が同じ単位系(SI自然単位系)で 同じ式をMaxwell方程式から導出したところ、 |E|=|B| という式が得られました。 今度は、次元がそろったものの、「磁場が十分小さい」と言えないことになってしまいました。 取る単位系によって磁場が小さくなったり大きくなったりするものなのでしょうか? そうだとすれば現象を十分に記述していると言い切れるのでしょうか? 【質問2】 光が媒質中を進むときの屈折率は、 n=√(μ_r×ε_r)              μ_r 比透磁率          ε_r 比誘電率 で表せますが、光を扱うときよく、μ_r=1としています。 これは何故でしょうか? 電場は媒質の影響を大きく受けるのに、 磁場は媒質の影響をあまり受けないのでしょうか?

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回答No.4

cgsにはなるべく近寄らないようにしているのでSIで行きますが、電場と磁場のエネルギー密度はそれぞれ、 電場 We = (1/2)E・D=(1/2)εE^2 磁場 Wm= (1/2)H・B=(1/2)μH^2 で与えられ、電磁波ではこの時間平均が等しくなります。その結果、 ε|E|^2=μ|H|^2 (これはcgsでも成りたつ) つまり、 √ε|E| = √μ|H| 、もしくは、|E| = √(μ/ε)|H| これはSI、cgs-Gaussのどちらでも成りたちます。 ここでμをルートの外へ出して光速vがSIで√(1/εμ)であることを使うと |E| = √(μ/ε)|H| = μ√(1/εμ) |H| = v |B| です。(|B| = μ|H|) cgs-Gaussでは光速は v=c/√(εμ) なので、 |E| = (v/c) |B| になるはずです。真空中ならv=cなので|E| = |B|。 >取る単位系によって磁場が小さくなったり大きくなったりするものなのでしょうか? 単位とはそういうものです。 よく誤解されているような気がするのですが、ある物理量の大きさというのは単位の前にある数字で決まるものではありません。その数字×[単位の量]で決まるのです。 たとえば、長さを考えれば、1mの棒の長さはメートルの単位では1ですが、センチメートルの単位では100です。これが等しいのはメートルという単位が1の大きさ、センチメートルという単位が1/100の大きさなので、 1×1 = 100×(1/100) で等しくなっているのです。単位はだてについているわけではないのですよ。

snobbery
質問者

お礼

回答ありがとうございました やはり、取る単位系によって"単位の前についている数字"だけでは物理量を捉えることはできないのですね。 ということは、電場と磁場の単位系を揃えずに、その前の数字のオーダーだけ比較することは、数値的な比較であっても物理的な量の比較にはならないということですね。 疑問解決です。勉強になりました。

その他の回答 (4)

  • walkingdic
  • ベストアンサー率47% (4589/9644)
回答No.5

>電磁気学や光学の教科書で、 >「磁場は電場よりも十分小さいのでここでは電場の影響のみを考える。」 >といった記述を目にします。 この表記は正しくは、 「磁場の物質に対する影響は電場の物質に対する影響より遙かに小さいので、電場の影響のみを考える」 と書くべきです。つまり磁場を無視するのはそういう事情から無視しているに過ぎません。 つまりご質問の2番のことがあるので(きわめて高周波だと磁場と物質の相互作用がほとんどない)、電場のみを取り上げるのです。

snobbery
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 "数値が小さい"ことと"影響が小さい"ことをしっかり分けて考えるようにしないといけないんですね。 勉強になりました。疑問が解決したので、ここで締め切らせていただきます。

  • KIKosmos
  • ベストアンサー率33% (4/12)
回答No.3

質問1にだけお答えします。 もちろんの事ながら単位を変えるだけで実際の物の大きさが変わるわけではありません。物理学ではcやhbarなどどこにでも出てくる定数をいちいち書くのが面倒で省略することが多いのです。(もちろん現実的な数が必要なときには最後に次元を調節します)つまりE=Bである単位系はは単なるE=cBの省略形としてみてくれていいと思います。 なので電場と磁場の大きさを比べるときに単位系を間違った、というわけではないです。 E=cBというのは電磁波のときだけ成り立つもので、この場合確かにEとcBは同じ大きさです。 教科書などで比べられているものはもしかすると電場と磁場そのものではなく、電磁気の電磁場にある物体にかかるローレンツ力 F=q(E+v×B) でのEとv×Bではないでしょうか?その場合EとBの電磁波の場合の関係B=(k/c)×E(kは電磁波の方向の単位ベクトルです)を使うと、考えている物体が光速に近い速さで動いていない限り(vがcに近くない限り)ローレンツ力の二つ目の項は無視できるということになります。 つまり、磁場自体が電場よりも小さくなくても(もちろんの事ながらcをかけてから比べてみて、ですよ!)、電荷にかかる力自体は磁場からのものがダントツ弱いことが多いってことです。教科書に書いてある文は「電場からの”影響の”方が磁場からの影響よりも数段強いので・・・」に代えるべきですね。 電磁波による電磁場を考えた問題、と見て答えましたけど、もしかすると電磁場が関係ない問題なのかも、という気もします。質問とちょっとずれてたらすいません。

snobbery
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 No.2さんのお礼のところにも記載したとおり、質問に誤りがありました。申し訳ありません。 そんなわけで、今回用いたのはc=1とする自然単位系ではないのです。 >電磁波による電磁場を考えた問題、と見て答えましたけど、もしかすると電磁場が関係ない問題なのかも、という気もします。 質問1に関しては真空中の電磁波で、電荷が存在しない時です。(質問が不備で分かりにくくて申し訳ありません。) cgs-Gauss単位系を用いた時でも、E=cBは成り立つのでしょうか? ご教示よろしくお願いいたします。

回答No.2

EとBが同じ次元の単位系がよく理解できません。 -rotEがBの時間微分に等しいという電磁誘導の式がその単位系で なりたつとすると、時間と距離も同じ次元ということになりますよね。 たぶん、どこか勘違いをされていると思います。 もう一度、見直してみたらいかがでしょか。 一応どんな単位系を用いても、電磁誘導の式よりE|=c|B|です。 ローレンツ力はF=q(E+v×B)ですので、光速で動いている物質には 磁場は電場と同じだけの相互作用があります。

snobbery
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 >たぶん、どこか勘違いをされていると思います。 すみません。重要なことを書き間違えていました。訂正します。  |E|と|B|の次元が同じ単位系(SI自然単位系)[誤]  |E|と|B|の次元が同じ単位系(cgs-gauss単位系)[正] http://butsuri.fc2web.com/electro/1-14.html ここのページの(6)式のMaxwell方程式から導出しました。 >一応どんな単位系を用いても、電磁誘導の式よりE|=c|B|です。 これは本当でしょうか? だとすると、rotE=-1/c(∂B/∂t) が成り立たない気がするのですが。。。 質問の記述を間違えていて申し訳ありませんでした。 訂正事項を踏まえた上で、再度ご教示よろしくお願いします。

回答No.1

磁場が小さいからではなく、可視光程度の振動数になると磁化の変化が磁場の変動についていけなくなるために、媒質は磁場にとっては真空と同じになってしまうのです。厳密にはわずかに影響は残るでしょうが、電場の影響のほうがはるかに大きいので現実的には無視してかまわないということであろうと思います。 つまり、可視光ではμ_r=1です。 これが赤外あたりの領域になると磁場の効果が無視できなくなります。

snobbery
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 なるほど、「静止した電子から生じうる電場」と「運動した電子からしか生じない磁場」の違いが、高周波数で表れてくるわけですね。 これで質問2に関してはスッキリ解決しました。

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