電磁気学の発展史についての疑問

このQ&Aのポイント
  • 電磁気学の発展史に興味があり、電場と磁場の最初の定義について疑問が生じました。
  • 電場の定義にはポアソンやグリーン、ガウスらのポテンシャル論に基づいた考え方と、ファラデイやマックスウェルの微分形による定義があります。
  • 磁場の定義にはアンペールやノイマンの数学的ポテンシャル論が関与しています。具体的な歴史的事実を知りたいと考えています。
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最初の電場や磁場の定義

 電磁気学の発展史に少し興味があります。  点電荷のCoulmn力をF、位置ベクトルr,r’にある点電荷をQ’,Q、εを真空などの誘電率として、   F=(1/4πε)×Q’Q/|r-r’|^2×(r-r’)/|r-r’|      (1) から、とりあえず電場Eを、   E=F/Q=(1/4πε)×Q/|r-r’|^2×(r-r’)/|r-r’|   (2) と導入するのが、今のふつうのやり方と思えますが、歴史的にはどうなのだろう?、という話です。  例えば電場については、(2)に先行して(1)の遠隔作用に基づいた、ポアソン,グリーン,ガウスらのポテンシャル論があり、その結果を近接作用の考えに基づき利用した、微分形によるファラデイ,マックスウェルの電場の定義が出てきます。  (2)の形は、ポテンシャル論と非常に相性の良い数学的補助手段ではありますが、遠隔作用という問題意識から出発したポアソン,グリーン,ガウスらにとって、(2)によってわざわざ電場を定義までする物理的価値は、あまりなかったように思えます。  とすると、正式な電場の最初の定義は、ファラデイ,マックスウェルなのだろうか?、それともポアソン,グリーン,ガウスらが、一種の便利概念として(2)で導入したのだろうか?、それとも以前から何となく電場という言葉はあったのだろうか?、という疑問が沸きました。  さらに(2)は、電磁気の単位系を定めるのに、非常に都合の良い形をしているので、事によったら、マックスウェル以後においてウェーバーなんかが、単位系設定のために、初めて言い出したのではないか?、などと勘ぐってしまいます。  実際の歴史的事実を具体的に知りたくて質問しました。磁場については、アンペール,ノイマンの数学的ポテンシャル論があり、ファラデイ,マックスウェルにいたります。  以上の経緯は、以下で調べましたが具体的記述がなく、そのものずばりの電磁気の発展史が記述されているような文献等でもかまいません。  ・フント,思想としての物理学の歩み,朝倉書店.  ・広重徹,相対論の形成,みすず書房.  ・菅野礼司,物理学の論理と方法,大月書店.  ・山本義隆,重力と力学的世界,現代数学社.

noname#221368
noname#221368

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • wata717
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回答No.1

太田浩一著「マクスウエル理論の基礎』東大出版(2002)を参照して下さい。 クーロンの法則と相対論で電磁場を構築します。

noname#221368
質問者

お礼

 太田浩一先生をご紹介頂き、ありがとうございます。「マクスウエル理論の基礎」も、余裕があれば(金銭上の)取り寄せてみたいと思います。

noname#221368
質問者

補足

 ご回答ありがとうございます。  さっきご指定の図書を探しに、本屋に行ってきましたが、東大出版の本はやはりありませんでした。かわりに同じ著者の「電磁気学の基礎 I,II、シュプリンガー・ジャパン」がありました。以下は、ご指定の図書をサーベイしておらず、「電磁気学の基礎 I,II」を立ち読みした印象という事でお許し下さい。  クーロンの法則と(電荷保存則と)相対論で電磁場を構築するという方向は、自分にはとても魅力的です。ただ今回の件は、理論の組み立て方ではなくて、  ・電場って、いつ誰が最初に言い出して、その際の文脈はどんなものだったのだろう?  (1) という、しょうもないくらい単純な質問です。  こんな物わかって、どうするのさ?、という意見は当然あると思いますが、これが自分のやり方だとしか言えません。例えば歴史的な思想史を知りたい、というのであれば、あるいはフントの著作で十分なのかも知れませんが、もう一歩踏み込んで、いつ誰が最初に言い出したのかを具体的に知りたい訳です。  というのは、何かを学ぶ時には、その歴史的経緯も出来るだけ知っとく必要がある、というのが自分の意見です(特に独学の場合は)。こういう事を長くやってると、当時の現場の雰囲気を、知りたくて知りたくてしょうがなくなります。質問は、その一環です。  上記の趣旨から、吉岡書店から出ているジャクソンも一時考えましたが、分厚い上に高いので、手を出していません。そこで例えば、ヤンマーの「質量の概念」のような総括論文集や、具体的事実に基づいた発展史が記述されている文献はないのだろうか?、と思って質問しました。  太田幸一という人は知らなかったのですが、立ち読みした結果、購入リストに入れました。もし「マクスウエル理論の基礎』が、(1)に応えてくれるような本ならば、取り寄せ注文も辞さない気持ちです。現在は以下の本で、電磁気学学習プログラムをやっています(自分で決めたものです)。とりあえず(a)は、鉛筆を持って追っかけました。(b),(c)は全て追っかけてはいませんが、いちおう最後まで目を通しました。   (a)牟田泰三,電磁力学,岩波書店.   (b)砂川重信,理論電磁気学(第3版),紀伊国屋書店.   (c)ランダウ・リフシッツ,場の古典論(原著第6版),東京図書.  虫の良い話ですが、アドバイス等ございましたら、お願いいたします。

その他の回答 (1)

  • ninoue
  • ベストアンサー率52% (1288/2437)
回答No.2

簡単すぎて既にご存知の情報ばかりかも知れませんが、 次のようなサイトがありましたので参照してみて下さい。 http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/ 電気の歴史イラスト館

noname#221368
質問者

お礼

 毎度こういう質問に付き合って頂き、感謝しております。

noname#221368
質問者

補足

 電圧と静電ポテンシャルの質問の時にも、お応え頂いた方ですよね?(じっさい唯一の応えでした)。今回もまっさきに「電気の歴史イラスト館」に行ってみたのですが、自分が望む記述は得られませんでした。  探し方が悪いのでしょうか?。  何かありましたら、また情報を下さい。お願いいたします。

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