イジング模型の臨界指数:比熱

このQ&Aのポイント
  • イジング模型における比熱の臨界指数αについて、参考書には0と書かれています。
  • 比熱の関数形はmが異なるため、(1)と(2)で変わってしまう可能性があります。
  • (2)の式ではT<Tcで比熱が負になる問題がありますが、正確な式として扱った結果です。
回答を見る
  • ベストアンサー

イジング模型の臨界指数:比熱

イジング模型での比熱の臨界指数α( |T-Tc|^-α ) は0であると参考書に書いてあります。(相転移、臨界現象の統計物理学:培風館、西森秀稔著) 確かに系の分配関数よりエネルギーを求めて比熱を求めるときに 磁化 m={3(Tc-T)/Tc} …(1) としてやればこの値は得られます。 しかし上のmは本来 m=tanh[βJzm](平均場のself-consistent方程式) をm=0(T~Tc)付近で展開し得られた m={3*T^2Tc^-3*(Tc-T)}^1/2 …(2) を T~Tcより(T/Tc)~1 として得られたものです。 問題は(1)と(2)のmを用いるのでは比熱の関数形が変わってしまうことです。 (1)ではC = 3k (k:ボルツマン定数) :α=0 (2)ではC = 3kT(2T-Tc)/Tc^2  : α=-1(?) となります。 (2)のほうが最初の T~Tcより(T/Tc)~1 を考慮せずに正確に式を扱った結果ですので正しいと思うんですが、いかがでしょうか…よろしくお願いします。 ちなみに(2)だとT<Tcで比熱が負になります…汗 おかしいとは思うんですがこのやり方のどこがまずいのか、ご教授いただければ幸いです汗

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.2

m=tanh(m/T)..........(1) を満たすmを求めた時にどういう近似をしているか考えて見ましょう。まず、行き当たりばったりですが、mは小さいとしてtanhを展開して非自明な解が得られるmの3乗までのテイラー展開で答えをみつけました。 答えは m0=T√3(1-T/Tc), Tc=1 です。 ところでこの答えを(1)に入れて戻してやっても、当然のことながらm0≠tanh(m0/T)です。いったい何をやっているのでしょうか? 私の理解では(1)が成立するのはm0が小さいとき、すなわちT/Tc≒1の時です。その時に近似的にm0≒tanh(m0/T) のつもりですね? ところが tanh(m0/T)≒(m0/T)なので m0≒m0/T にならなければいけませんね。これはT≒Tcを考慮すればm0≒m0 でめでたく、矛盾がありません。 つまり何がいいたいかというとT≒Tcを使わなければm=tanh(m/T)は満たされません。それならばmの表式はm0=T√3(1-T/Tc)でも m0=Tc√3(1-T/Tc) もどっちでも良いわけです。 さてこの方法を系統的に行なうにはm0=√3Δtを近似的解のスタートにしましょう。ここでΔt=1-T(簡単のためにTc=1を代入した表式で議論します。)そして(1)の答えを m=√(3Δt) ×(1+a1 Δt + a2Δt^2 + a3 Δt^3+....) と仮定します。この表式を代入してΔtの冪を比較して m=tanh(m/(1-Δt))を成立させるようにa1,a2,a3などを次々選んでゆけばどんどん正確なmに近づく事でしょう。つまりa1まで正しく計算して、a1=1となれば m=√(3Δt) ×(1+Δt+...)≒√(3Δt) ×(1+Δt) ≒√(3Δt)×T となり kyongsokさんがいう正確な答えがでるはずですね。つまりkyongsokさんはそこまでやって初めて問題の違いを議論できるわけです(どうもa1=1にはならないようですが)。a1まで求めてない段階ではm≒√(3Δt)の近似以上のことは言えません。 そしてm=√(3Δt)を使うかm=√3Δt(1-Δt)=√3Δt×T を使うかはT≒1の近似の最低次の範囲では議論できません。つまり答えが違うといっているのは C=(3k/2)*T/Tc*(3T/Tc - 2) =(3k/2)*(1-Δt)*(3(1-Δt) - 2) =(3k/2)*(1-Δt)*(1-3Δt) ≒(3k/2)+O(Δt) なので、矛盾内容におもえますが。 =(3k/2)*T*(3T-2Tc)/Tc^2

kyongsok
質問者

お礼

なるほど…そういうmの展開の仕方があったんですか… mはT~Tcで一階微分が無限大に近づくのでどう展開していいのかわからずじまいでした汗 というか(2)のCの式の中身を全然考えていませんでした…普通に3k/2に近づいていきますね汗 己のバカさをまたしても痛感させられました、 atomicmolecule先生、ありがとうございます!

その他の回答 (2)

回答No.3

因みにm=tanh(m/T)の解をTごとに数値的にもとめグラフにプロットした図と次のテイラー展開の表式は殆ど一致します。 m=[3(1-t)]^(1/2)×(1-12δt/30) δt=1-tです。δtの一次までテイラー展開で解きました。これで 0≦t≦1の範囲ならばっちりです。とはいってもこれは単なる遊びです。2次元のイジング模型での平均場近似は実際にはあまり良くないですし、臨界指数も厳密解と比べるとかなりずれています。だからあまり細かい事に拘らずに、相転移の一つの現象論として大雑把に勉強してもっとましな近似なり繰り込み群などの方面へと進んでいった方がいいんでしょうね。因みに先生といわれるとやりづらいのでやめて欲しいんですが、kyongsok先生にいい辛くてこまっています(笑)。

kyongsok
質問者

お礼

了解です、先生はなしでいきます笑 今回の質問を通じての理解は (1)粗い近似式を詳しく追うより先にもっと相転移の全体像をつかむ。 (2)微係数が発散してf(t)がテイラー展開出来ないときはf(t)=g(Δt)*s(t)と書き換えてs(t)を展開すれば何次の近似かは見れる。 (3)求めた式についてちゃんと解析する。汗 です。毎回大変勉強になります。ありがとうございます!

回答No.1

昔に勉強して殆どわすれているのであまり自信がありませんが、以下のことを確認して見たらどうでしょう。 先ず、二つの磁化はTcより上と下での表式なのでしょうか?そうとして話をすすめると (1)Tの領域,T>Tc かT<Tc でm(T)の表式を区別して使っていますか?  (2)比熱はギブスの自由エネルギーにm(T)を代入して C = -T d^2G/dT^2 としていますか? Tcを境に比熱の表式が異なるのは良いとしても,負はありえないと思います。いや、そうなったら系は不安定という事なのかもしれません。 次に、取り合えず(1)式と(2)式は冪が違いますが記述間違いで、(1)式の冪1/2が抜けているとしましょう。 すると(1)と(2)で答えが違うかもしれませんが、それはT-Tcのテイラー展開を高次までやってないから違うのは当然として、本当に答えが等しくなる冪まで正しく近似しているかどうかが問題になるでしょう。mの表式からみるとT-Tcの周りで展開した表式が(1)ですが、(2)は平均場近似から直接得られたといっていますが、T-Tcの冪展開は高次まで全て正しく入っていると思っていいのでしょうか?つまり m=tanh(β(m+h))  をどういう近似の範囲内で解いたかもう一度考えてみたらどうでしょう。どちらにせよ臨海指数はT=Tcでの主要項で決まっていますから、同じになると思いますが・・・・ ところで私が持つ文献では臨界指数αはT>Tcで定義されているようです。よって臨界点より下の表式は使わないみたいです。確認してください。

kyongsok
質問者

補足

返信遅れて申し訳ありません、atomicmolecule先生、またしてもご回答ありがとうございます! う…(1)式の1/2べきが抜けておりました…大変ご迷惑おかけしました汗 計算が少し間違っていたようですので訂正いたします。 (1)はC=3/2*k (2)はC=(3k/2)*T*(3T-2Tc)/Tc^2 となります。もっとややこしくなりました…しかし自分の疑問の本質は変わっていません。 私の主張は(2)を近似した式が(1)なのに、(1)の結果が採用されているのはおかしいのではないか?(2)を使うべきではないか?という事でした。 以下に自分の計算経過を示します。 m=tanh(β(m+h))でh=0としm=0付近(T~Tc)で展開し(2)を得て さらにT~Tc近似をもちいて(1)を得ました。 このself-consistent方程式がT<Tcでしか解がないので 上のmはm(T<Tc)です。(それも明記しておくべきでした汗) (※ご存知だとは思いますが一応書いておきます。 T>Tcではm=0なので平均場のハミルトニアン H=NB*J*m^2-JmzΣSi (ここでNB:系のスピン対総数、Z:最近接格子数) =0となり比熱も0になってしまいます。なのでT>Tcでα=0は成り立ちます。T<Tcでも(1)を用いれば一定値(C=)に近づくのでα=0だと書いてあります。ただし比熱は不連続になります。) 比熱は粒子当たりエネルギー密度ε=d(βf)/dβに (1),(2)のm=m(T)を代入し温度で微分しました。C = -T d^2G/dT^2と同じ結果になると思いますが比熱も一粒子当たりのものです。(ここでε=E/N、f=F/Nです。)

関連するQ&A

  • 統計力学の問題。

    M(T)/M(0)=tanh(Tc/T)(M(T)/M(0)) M(T)は磁化の温度変化で、Tcはキュリー温度です。 今、上の式を数値計算により解き、磁化の温度変化を求めてグラフで示せ。 という問題なんですが、これを数式ソフトを使って解きたいんですが、どのようにすればいいのでしょうか? 考えても、何をすればよいのか全く分からず、ここで質問をさせていただきました。 よろしくお願いいたします。

  • 臨界温度について

    臨界温度をTc、ファンデルワールス定数をa,b、気体定数をRとしたとき、Tc=8a/27bRになることを習ったのですが、水における定数a=0.553(Pam^6mol^-2),b=0.0330×10^-3(m^3mol^-1),と気体定数として 8.314(Pam^3K^-1)を代入してみたんですが、水の臨界温度の374℃に近い値にならず、およそ324℃になってしまったんですが、これには何か原因があるのでしょうか。

  • 比熱について教えてください。

    比熱について教えてください。 来週、放課後の生徒が自分たちでするゼミがあり、比熱が僕の担当になっています。 まだ高1で、物理をやっているので、化学のことが分からず、昨日からずっと考えていますが、次の文の意味がよくわかりません。 物質1gの温度を1Kあげるのに必要な熱量を比熱[単位記号 J/[g K] ]といい、その値は物質によって異なる。 比熱c[J/[gK]]、質量m[g]の物質の温度がT[K]上昇したとき、その物質が吸収した熱量Q[J]は次の式で表わされる。 Q=mcT そこで、比熱の概念、単位記号J/[gK],Q=mcTはどうやったら出てきたのかを教えてください。

  • 比熱の実験

    Al Cu Fe の三つの比熱を求める実験をしました。 これらを熱湯にいれて熱平衡にし、水にいれてその温度の変化を10秒ごとに計りました。 最高温度をt2とし、熱湯の初期温度をt0,水の初期温度をt1,水の質量をM、容器等の質量をm0,容器等の比熱をc0としたとき c(比熱)=(M+m0c0)(t2-t1)/m(t0-t2) で比熱を出すという実験をしました。 報告事項 1なぜ高温金属を入れた後の水温変化を測定し最高温度をt2としたのか説明せよ。 2比熱の測定値は教科書の値(正しい比熱の値とかんがえてください)と必ずしも一致しないが、その原因と考えられる理由をあげよ。 この報告事項が分からずにいます。 1 は最高温度をより正確に測るため 2の理由は全くわかりません。 どなたかアドバイス・回答をください。 よろしくお願いします。

  • 比熱の実験

    閲覧して頂きありがとうございます、比熱の実験について質問させて下さい。 実験の方法は、黄銅球を沸騰したお湯に入れて温度を平衡状態にし、熱量計に入れて その温度変化を見ると言うものです。 (黄銅球の温度と質量・水の質量・熱量計の質量・始めの水温は計測しました) 比熱を求める式は、C=(MC0+M1C1)(t-t1)/m(t2-t) 水の比熱 C0=1.0cal/g・k とし 熱量計の銅の比熱 C1=0.092cal/g・k としています。 黄銅の比熱は、約0.0925(cal/g・K)ですが、実験した結果では 0.0760(cal/g・k)となり 誤差が、17.8%もあります、原因として考えているのは水の質量が90mlが適切と説明を受けていたのですが 75ml程度しか入れておらず、上の式においても水の質量が誤差を生み出していると考えています そこで、質問なのですが 水の質量の少しの違いでも誤差が発生するものなのでしょうか? また、実験値の方が理論値よりも低くなってしまっています これも、また水の質量によるものなのでしょうか? 水の量が足りない時点で実験失敗かもしれませんが、正確に水を測った班でも実験値の方が低くなるという結果が出ています。 これについても、ご意見をお聞かせください。 長文となってしまいましたが、宜しくお願いします。

  • アンモニアの臨界点の問題

    アンモニアの臨界点の問題 アンモニアの 臨界温度Tc=405.51K 臨界圧力Pc=111.3atm 臨界密度ρc=0.235g/cm^3 とする。 40Lの容器にアンモニア5kgを温室で充填すると、どのようになるか? _______________________________________________ ボイルシャルルの式を使うのか、ファンデルワールス状態方程式を使うのか、 さっぱり分からなくて困ってます。

  • 比熱(高校レベル)

    物理の質量はキロが標準なのに、比熱のときはグラムが活躍しますよね。 (1)あるテストで比熱の単位を〔J/g・K〕としています。 比熱が c なら、c にその物質のグラム数と温度の変化をかけると J(ジュール)が得られますよね。 (2)さらに、鉄粉 m キログラムを袋に入れて、高さ h メートルから N 回自由落下させたとき、メートルも基準だったと思うので、重力加速度が g のとき、重力が mghN ジュールの仕事をしたことになりますよね。 そこで、わたしは(1)と(2)の値が等しいと考えました。単位が等しいと思うからです。 しかし、解答は(1)に1000をかけてから、等しい、としています。 どこが間違っているのかおしえて下さい。お願いします。

  • 統計熱力学

    Hamiltonianが H=Σ(Pi^2/2m+mω^2xi^2/2+αxi^4)  α>0 (Σはi=1からN) で与えられるN個の非線形振動子系の比熱を求め、αが非常に小さいとして比熱をαの一次までの範囲で近似したところ、 C=NkB-Nα3(2kB/mω^2)T/2  (kB=ボルツマン定数) という答えが得られました。これはあっているはずなのですが、物理的解釈がうまくできません。 これによると温度Tが上がるにつれて比熱Cが小さくなるということになりますが、うまくイメージできないので何か良い例など思いついた方は教えてください!

  • 定積比熱と定圧比熱とボルツマン定数の関係

    シリンダー内にn(>>1)個の分子からなる理想気体が入っている。その気体の圧力、体積および絶対温度をそれぞれP、VおよびTとすると、PV=nkTの関係が成り立つ。ここでkはボルツマン定数である。 (1)圧力一定の条件で外部から微小熱量d'Qをゆっくり与えることにより、体積がdV増加し内部エネルギーUもdUだけ増加したものとする。d'Q、dVおよびdUの関係式を書け。 (2)体積一定の条件で温度を微小変化させ熱量d'Qを与える過程から分子1個あたりの定積比熱c_V(cに下付きでV、以下、下付きの文字の前には_を付けることとする)が定義される。定義式より熱量の項d'Qを消去し、c_Vをn,V,TおよびUを用いて表せ。 (3)圧力一定の条件で温度を微小変化させ熱量d'Qを与える過程から分子1個あたりの定圧比熱c_Pが定義される。定義式より熱量の項d'Qを消去し、c_Pをn,k,P,TおよびUを用いて表せ。 (4)理想気体の内部エネルギーは温度のみの関数である事実を用い、(1)~(3)で求めた式よりc_V,c_Pおよびkの間の関係式を求めよ。 (1)は、熱力学第一法則より、d'Q=dU+PdVということが分かりました。 (2)に関しては、定積なのでd'Q=dUとなり、c_V=(1/n)(d'Q/dT)_V=(1/n)(dU/dT)_Vということまでは分かったのですが・・・このままではダメですよね?実際に積分して、U=n・c_V・T+U_0(U_0は積分定数)としても、問題文にあるVを使っていないことになりますし・・・ (3)に関しても、(2)と同じでよく分かりません。c_P=(1/n)(d'Q/dT)_P=(1/n)((dU+PdV)/dT)_Pから、どうしたらいいのか…。dVはあるし、kは用いてないしで・・・。 結局のところ、(2)(3)が明確に分からないため、(4)も解けません。 どなたか、ご教授のほど、本当によろしくお願いします。 かなり色々な熱力学に関する本を読んでみたのですが、(2)(3)の解き方が分かりません・・・

  • ファンデルワールス式に関する式の導出

    ファンデルワールス式を具体的に使用するために、物質定数a,bが必要になる。その際に臨界点での特徴は数学的に次式で表現される。 (∂p/∂Vm)Tc=0 (6.5) (m,Tcは下付き文字) (∂^2p/∂Vm^2)Tc=0 (6.6) (m,Tcは下付き文字) また、臨界点では次式が成り立つ。 pc=p(Tc,Vc) (6.7) (cは下付き文字) 式(6.5)~(6.7)の関係に式(6.4)を代入することで、 ファンデルワールス定数が次のように決定される。 a=(27R^2Tc^2)/(64pc)=3pcVc^2=(9/8)RTcVc (6.8) (cは下付き文字) この、式(6.5)~(6.7)の関係に式(6.4)を代入することで、 ファンデルワールス定数が次のように決定される。 という手法がうまくできなくて(6.8)式まで導出できませんでした。 もしよろしければ具体的な導出を教えてください。 宜しくお願いいたします。