- 締切済み
液晶の変調について
今液晶についてすこし勉強しているのですが垂直配向液晶が分かりにくいので教えていただけないでしょうか? 電圧がオフの時には液晶分子が基盤に対して垂直なので例えばs波が入ると液晶の影響を受けずにそのままs波が通過するのはわかるのですが、 電圧がオンになった時液晶分子が基盤に対して水平になります。その時s波がp波に変調される理由がわかりません。垂直だった液晶が水平になれば偏光が90度回転すると考えているのですが、それによって偏光が90度回転する(s波がp波に)理由がわからないので教えていただけないでしょうか??
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
みんなの回答
- chiezo2005
- ベストアンサー率41% (634/1537)
このタイプの液晶は複屈折という現象で偏光面を回転させています。 つまり基板に平行な液晶の長軸方向と短軸方向で屈折率が違う液晶を使います。入射偏光に対して分子の長軸方向を45度傾けて置くと,液晶に垂直な成分の光と垂直な成分の光に位相差ができ,その位相差が90度になれば偏光面は90度回転します。
- beeba
- ベストアンサー率49% (25/51)
まずはじめに、S波、P波は電場ベクトルが入射面に垂直か平行がで定義されます。したがって界面に垂直に入射する光は、S波、P波は一義的に決めることはできません。ご質問の場合偏光をS波、P波と分けるのは混乱の元なので避けたほうがいいでしょう。 垂直配向液晶は液晶の複屈折性を利用しています。 ネマチック液晶の屈折率は、分子の長軸方向に垂直な屈折率Noと平行な屈折率Neを持っています。3次元では屈折率楕円体で表現され、光の進行方向に対して垂直な断面の屈折率が偏光に影響を与えます。 簡単のため、電圧をかけたとき完全に水平になっている場合で説明します。液晶層の厚みはdで、両側に2枚の偏光板が偏光軸を直行して配置されているものとします。従って液晶への入射光は直線偏光です。 偏光は電場ベクトルが直行する二つの直線偏光の合成として記載できます。NeとNoは直行していますので、偏光はNe方向成分とNo方向成分と考えることができます。偏光の電場ベクトルはそれぞれの成分の三角関数として記述できます。 dの距離の光路長は、Neの方がd・Ne、Noの方がd・No d進む間に位相は上記に2π/λをかけた分進むことになります。 ΔN=Ne-Noとおくと、位相差δは δ=2π・d・ΔN/λ となります。電場ベクトルが三角関数で記載されることから、位相がπずれた光は、入射光にくらべ偏光面が90度回転していることが分かります。2枚の偏光板は直行していますので、当然δ=πの時、透過率は最大となります。出口の偏光板を出た時の光の強度は I/Ii=sin^2(δ/2) で現されます。上式からもδ=πで最大であることが分かります。なお、このとき液晶層はλ/2板として機能しています(すなわちd・ΔN=λ/2)。 中間の状態では、直線偏光が回転した状態ではなく、楕円偏光となっています。 詳細は記載していませんが、入射偏光がNe方向またはNo方向の成分しか持っていない場合は、偏光面は回転しません。Ne、No方向に対し45度の偏光面を持つ偏光が入射したとき、透過率は最大となります。 以上が概略ですが、光学の文献(偏光と複屈折、(常光、異常光)などの記載があること)と液晶の文献(液晶の文献には光学の概略しか書かれていない場合がほとんどです)を見ながら考えていただくとよいかと思います。