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関西電力と大阪ガスについて
質問させてください。今電力自由化の勉強をしています。そこで関西電力と大阪ガスが激戦を繰り広げていることを知りました。なぜ二つの企業はそんなに争っているのでしょうか?また電力会社とガス事業がうまく提携を組んで私達家庭によりよいサービスを提供することはありえないのでしょうか?ぜひ教えてください。
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当該業界で勤務するものです。 【関電VS大ガスの競争が激烈なのは何故?】 まず、大前提として、電力とガスは同じ市場をターゲットにした ライバル商品です(キッチンやお風呂など)。競争するのは当た り前のことですよね。「関電と大ガスの競争が激烈」というのは、 (1)完全に規制されていた以前に比べて、(2)他の地方に比べて、 という相対的な意味で、異常に競争しているわけではありません。 (1)の以前に比べて、いう点については、以前はエネルギーの重 要性から規制産業でした。ただし、橋本内閣以降の規制緩和の流 れにもれず、徐々に規制が緩和され、競争が可能になりました。 その結果、確かに値段は安くなってきているものの、「事故が増 えてきている(原子力トラブル等)」や「環境問題への影響(コ ストの安い石炭発電所の増加)」など規制緩和の是非が問いなお されていますが、総合的に優れた企業戦略を打ち立てた会社が勝 つことでしょうね。 (2)他の地方に比べて、ということについては、実は大阪ガスの様 な大きなガス会社は都市部にしかありません。東京ガスと東邦ガス くらいでしょうか。地方では零細のLPG会社がプロパンガスをボ ンベで売っているようなケースが多いので、電力が着々と市場を拡 大しているのではないでしょうか(ただし、地方経済や独占禁止を 考慮し、一気の拡大などはありえませんが)。特に関西については、 関電:大ガスの企業規模が比較的近いこと、関西経済が東京や中部 に比べ停滞気味なこと、もあり、競争が激烈になっています(東京 ガスや東邦ガスは、東京電力や中部電力に対し、かなり企業規模が 小さかったと記憶しています)。 【両者の協力はないの?】 当然ありえますし、今も一部ではしています。 家庭用キッチン分野等では競争していますが、基礎研究分野など では協力しています(燃料電池開発など)。また、敵の敵は味方 という発送で、中部電力と大阪ガスが提携している事業などもあ ります。 【ガスを広めた方が環境にいいの?】 環境、特にCO2という観点からは大体、「原子力の電気>ガス>石油 の電気」という順番です。ただし、コストや安全性など、環境面だけ から優劣を論じることはできませんよね。 色々とお話しさせて頂きたいことはあるのですが、敢えて質問だけに 絞ってお答えしました。
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- itab
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>なぜ二つの企業はそんなに争っているのでしょうか?また電力会社とガス 事業がうまく提携を組んで私達家庭によりよいサービスを提供することは ありえないのでしょうか? 自動車会社や電化製品などを作る会社のように、一般の企業は、販売価格やサービスについて、他の会社と競争して売上げを伸ばし、利益を上げていきます。 でも、以前の電力会社、ガス会社は、独占的な面があり、そんな競争があまりなかったんですね。 現在の電力などの自由化は、逆に一般社会からみれば正常になったと言って良いかもしれません。 以前から日本の電気料金は、外国に比べて割高だといわれていました。 これを世界の相場に近づけるために、今までの電力会社以外の企業にも電気の販売に参加してもらい、適正な競争をしてもらうというのが電力自由化の主旨なんです。 ガスについても同様のことが言えます。 他社と競争するということは、効率よく電気・ガスをつくり、効率よく家庭などに届けるということになり、エネルギー全体にとってもとても良いことだと思います。 外国に比べて停電が少なく、良質の電気を使える従来からの良さは維持してもらって、安く電気、ガスが使えれば私たち家庭にとっても喜ばしいことです。 良い意味で、どんどん(環境保全を含めた)激戦を繰り広げてもらおうではありませんか。
お礼
詳しくご説明頂きありがとうございました。価格競争が激しさを増しても質だけは落とさないようにして欲しいですね。ありがとうございました。
- GTAC
- ベストアンサー率69% (316/454)
電力会社が作る電気の原料は原子力と天然ガス、石炭が主体です。原子力発電はウランの持つエネルギーの10%程度、天然ガスを用いた発電は、天然ガスの持つエネルギーの2-4割しか利用できません。(発電から送電、変電のロス、需要場所で電気から空調やIH調理器などの熱エネルギーに再変換するロスを考えて) ガスを直接給湯・暖房・調理などに利用すれば利用効率は5割を超えます。 コジェネレーションという技術を使い、ガスから直接電気と熱を作る場合、利用効率は7割を超えます。ただし、熱と電気が同時に発生するので、お湯や空調を使いたい時間と、電気を使いたい時間がほぼ一致していないと、熱をためる必要があります。 コジェネは基本はエンジンなので、排ガスが生じます。天然ガスシステムでの排ガスの成分はCO2と窒素酸化物であり、燃焼をコントロールすれば家庭用風呂釜なみです。同じエネルギーを使うとすれば総排出量は火力発電所で集中処理する場合と比べて膨大になるでしょうが、現状並みかそれ以下と考えてよいと思います。 一方で太陽光や風力、原子力といった温室効果ガスの排出が少ないエネルギー源を利用できるのが電力会社の強みです。また、ヒートポンプという技術を使えば、電気から効率よく熱エネルギーを生み出すことが出来ます(投入した電力より4倍もの温度差を作ることが出来る) ガス会社の経営規模は電力会社の10分の1から100分の1の規模です。ガスを海外から調達する際の購買力は圧倒的に電力会社が強力です。実際には電力会社が交渉した価格にならってガス会社も購入しています。 同じガス田からやってきたタンカーが、隣接するガスの受入基地に接岸しています。したがって原料は同じです。さらに、いくつかの中小ガス会社は、電力会社からガスの卸売りを受けています。 ヒートポンプが技術向上してもコジェネレーションの総合効率(発電から利用まで)を超えることは無いでしょう。さらに燃料電池という技術を使うと効率は8割になります。家庭で太陽熱温水器や太陽光発電を併用し、住宅地の数家庭で燃料電池を設置すれば、ガス管でほとんどのエネルギーをまかなうことが出来ます。 また、燃料電池の場合は排ガスは出ません(水だけ)。 ビルでもガスをエネルギー源とすれば電気代より安価に運営が出来ます。 一方電力だけでシステムを構成すれば保守の面倒も無く火の始末の不安も無く、高齢化社会への対応も容易ですから、ランニングコスト・省エネ性と利便性のどちらを優先するかという点で採用が決まります。 (省エネに優れているからといって、みんながプリウスに乗るわけではないのと同じ) 基本的にはガス会社が攻勢を掛け、電力会社がヒートポンプやIHなどのオール電化による利便性や料金割引でつなぎとめるというのが現状です。 未来像としては、ガソリンスタンドのような水素スタンド(ガス会社がガスを供給して変換する装置を置く)から燃料電池自動車に水素を入れてきて、自宅の駐車場で発電し熱もまかなうようなシステムも考えられます。 (スポーツカーのエンジンの出力は100kWを超えます。燃料電池車はバッテリーと組み合わせて数十kWの燃料電池を積んでいます。一方で家庭用に必要なエネルギーは数キロワットです) そうはいっても電力には多くのメリットもあります 電線でエネルギーが送れる 電線ルートを多重化できるので、地震などのリスクの分散が図れる 災害で切断されても復旧が容易 自然エネルギーとの組みあわせが容易 専門技術者を集中配置できる ガス管が展開できない地域でもエネルギーをあまねく供給できる(地域格差を縮小できる) 一方でデメリットとして 核廃棄物が残る 水力・風力は自然環境に与える影響も大きい 発電所への投資が膨大であり、一般的に高い買い物になっている。給料も高い などが課題になっています。 東京・中部・大阪の3大ガス会社にしても、ガス会社は経営規模も小さく、電力会社や国の政策次第ではすぐに吹き飛んでしまうようなところが多いです。地方の都市ガス・プロパンは零細で、技術開発力も無く厳しい状況にあり、少しでも需要を拡大することによって固定費率を下げるように常に努力しています。 近年の自由化により、電力会社でない者がガスを調達し、自分で発電し、熱と電気を利用したり他人に供給できるようになりました。小規模の発電所のため運転費用も少なく安価な電気も供給できます。そこで大工場やスーパー、大規模商店、ビルなどの業務用電力分野では電力会社離れがおきています。 このため、電力会社は残された家庭用をオール電化を宣伝してでもガスの部分まで侵食しないと厳しい状況になってきています。 大ガス会社対電力会社のあおりを受けるのがプロパン、灯油などの零細業者です。 一般消費者は、照明やエアコンでは太陽光発電を使い(昼は自分で作った電気、夜は電力会社に頼る)といういいとこ取りをすでにしています。給湯は太陽熱温水器やガスを使うといった使い分けもしています。 家庭向けではオールガス化(コジェネ、燃料電池)は現状は技術的に未成熟・高価ですが、高効率給湯器やガスエアコン、高機能ガスコンロ(空焚き防止など安全装置が充実)などかなりの省エネ・安全機器が出来ています。太陽光発電を入れても万一のばあいを考えるとどうしても電力会社から電気を供給してもらう必要があります。 一方オール電化は便利で、料金的にもガス並みになってきていますし、ヒートポンプや太陽光発電を併用するとかなりのお得感が出てきています。ただし、ガスを完全にやめてしまうというのは、将来の燃料電池システムのことを考えると時機尚早に思います。 山村などではプロパンや灯油によるコジェネなどが将来も残ることでしょう。 なお、諸外国では電気ガス水道を一業者が行っているケースも良くあります。
お礼
こんなに詳しくご説明頂きありがとうございました。お互いがそれぞれの長所・短所をもっているんですね。電力会社も知恵を絞っていかないとだめみたいですね。ご回答ありがとうございました。
- Pesuko
- ベストアンサー率30% (2017/6702)
>環境に良いのでしょうか 膨大な計算になるのでしたことないのでわかりません 一部で言われているのが、電気の場合は発電所から家庭に行くまで 電線を使うため途中でかなりロスしているので無駄であると。 端末に近い場所で発電できれば伝送ロスが無くなり、その分が環境負荷にならないだろうと。
お礼
詳しくご説明頂きありがとうございました。伝送ロスはやはりかなりあるみたいですね。ご回答ありがとうございました。
- Pesuko
- ベストアンサー率30% (2017/6702)
相手の利用している範囲を自社に取り込めば 飛躍的に顧客数もしくは利用量が増えるからです。 ガス会社 ガスを利用して家庭用コジェネレーション(ガス発電機)を使ってもらう =電気の利用が皆無になる代わりに、電気利用している分がすべて ガスに依存することになる。 電気会社 夜間電力を利用してガスのほとんどの需要である給湯と IHでガスコンロを駆逐するとガス利用料がすべて電気に回る。 つまり販売している商品が技術革新で敵対関係になってきたんです。
補足
早速のご解答ありがとうございました。もし、ガス事業がコージェネレーションを中心に拡大していけば環境問題はどうなるのでしょうか?ガス会社は天然ガスはCO2排出量が少ないと言っているので電力よりガスが広まるほうが環境に良いのでしょうか?
お礼
本当に詳しくご説明頂きとても感謝しています。やはりどちらが良いというのは簡単に決められませんね。どちらも魅力名商品を提供してるみたいなので。環境問題にももっと力を入れていって欲しいと思います。どうもありがとうございました。