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保護責任者遺棄致死

子供を車の中に放置してパチンコ等をしていて死なせてしまった場合、 必ず保護責任者遺棄致死が適用されるのでしょうか? まったく罪にならないなどというケースも場合によってはあるのでしょうか? また、真夏の炎天下、こういった行為を行った場合は、 故意的なものとして殺人罪にはならないのでしょうか?

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  • takka2005
  • ベストアンサー率53% (36/67)
回答No.2

 こんにちは。  ご質問の行為が、保護責任者遺棄致死が適用されるか、殺人罪に相当するかと言うことは、犯人の「故意」によって変わります。  「故意」についてお話します。  犯人が何らかの犯罪を犯す際、「○○してもよい、○○したい」と考えることを「故意」といい、○○した結果、△△になるかもしれないがかまわない」と考えることを「いわゆる“未必の故意”と言います。  日本の刑法では、この「故意」に重点を置く傾向にあります。    ご質問のケースを例に挙げてみると (1)殺人罪になる場合 ☆犯人が「子どもを殺そう」と思って、子どもを炎天下の自動車の車内に放置した結果、子どもが死んだケースは、「子どもを殺そう」という意思(故意)があるのですから、殺人になります。 ☆犯人が「この暑さで、子どもを自動車の車内に放置すれば、死んでしまうかも知れないが、この子どもは死んでしまっても構わない」と考えて、子どもを自動車の車内に放置した結果、子どもが死んだケースは、「子どもが死ぬかも知れないが、心でも構わない」という“未必の意思”があるのですから、これも殺人罪が適用されます (2)暴行罪・傷害罪・傷害致死が適用される場合 ☆犯人が「この子どもを殺すつもりはないが、懲らしめるために、炎天下の自動車の車内に閉じ込めよう」と考えて子どもを車内に閉じ込めた結果    ・・・・・死んでしまった場合は、犯人に殺人の意思が無かったため、傷害致死になります。    ・・・・・死ななかったが、子どもの体に何らかの怪我や傷害を与えた場合、傷害罪になります。    ・・・・・子どもに怪我も傷害も与えなかった場合は、閉じ込める程度にもよりますが、社会常識的に“懲らしめる”目的で炎天下の車内に閉じ込めると言う行為が、たとえ親の行為であっても是認されるような行為とはいえないので、暴行罪が適用されると思います。  (相手に暴行した結果、怪我が無ければ、暴行罪になります。怪我をしてしまえば、傷害罪になり、その結果、死んでしまえば傷害致死になります) (3)保護責任者遺棄致死になる場合 ☆「少しくらいなら大丈夫だろう」と思って、子どもを自動車の炎天下の車内に放置した結果、死んでしまった場合に相当します。  この場合は、子どもを殺してやろうという意思もありませんし、懲らしめてやろうと言う暴行の意思もありません。  あるのは、親という保護責任者として、子どもの生命や身体を保護しなければならないという「認識」の欠如ですが、この罪が成立するのに必要なのは、この“認識の欠如”と“子どもの死”という結果が発生すれば成立します。  なお、これは「~~しなければならないのに、(失敗して)~~できなかった結果、結果が発生した」というような“過失”ではないので、過失致死罪は適用されないと思います(過失致死は50万円以下の罰金)      子どもが死んでしまったという結果が発生してしまった以上、まったく罪にならないといったケースはないと思いますが、裁判になって情状が酌量されて執行猶予になったりするようなことはあるでしょう。  さて、外見的には同じ行為で、結果も「子どもの死」という同じものであっても、犯人の心の中の「故意」によって、どの犯罪が適用されるか異なってきます。  犯罪にいたるまでの状況や、目撃証拠、犯人の供述などを総合的に勘案して、上記の犯罪に当てはめていくものだと思います。  

fujifuji1006
質問者

お礼

詳しいご回答ありがとうございました。 以前、法学部で刑法の勉強をしていたときにも、 この「未必の故意」には悩まされた覚えがあります。 同じ子を持つ親としては、すでに毎年夏になると、 何人もの赤ちゃんが車内に取り残されて、 親がパチンコ中に悲しい事になっている事実があるのですから、 殺そうと思ってやっているとしか思えない、と感じてしまうんですよね。 でも、パチンコって夢中になると正常な思考をなくしてしまうのかもしれませんね。 どちらにせよ、恐ろしい事です・・・

その他の回答 (2)

回答No.3

 前段の質問については、放置という不作為による保護責任者遺棄致死の成否は、法律上の作為義務があり、保護義務の履行が可能であるのに、不作為により生命身体の安全を「危険にさらした」と言えれば、成立です。  その際、不作為の実行行為性の有無については、被害者の年齢・放置の態様(鍵を掛けて車内から出られないようにしていたのか・容易に出られる状態か)など、客観面の検討が先行しなければなりません。  たんに保護義務違反なのか、さらに進んで生命の安全を害する危険性まで認められるのかです。  保護を要する者を危険にさらすだけでなく、さらに死の結果発生を認識認容して行為した場合でも、簡単に不作為による殺人罪となるわけではありません。その場合、前記したところより、行為者がたんに放置したという不作為だけではなく、さらに要保護者を自己の支配領域内に置いて、生命の安全を害するだけの結果発生の現実的危険を生じさせたと言えれば殺人罪も成立可能性が出てきます。  不作為にどれだけの定型的危険性が認められるか、という問題で、ここは行為性の有無という客観的な判断となります。それによって、保護責任者遺棄致死となるのか、殺人罪となるのか、分かれます。  質問者の聞いている事例では定型性判断の要素があまり出ていません。なので、故意だけでの回答に流れるのでしょう。  保護責任者遺棄致死が成立しないときとしては、鍵のかけられた車内に放置された子供が、たとえば脱水症状でのどが乾いた場合、車内に水の入ったペットボトルが子供に分かる場所に置かれてあったようなときが、考えられます。  この場合、子供は当然ですが、目が覚めたとき、自分の意思で自由に活動して水を飲めるだけの行動能力のある年齢に達しているという前提です。  自分で飲むだけの身体的活動能力のない乳飲み子のそばに、ペットボトルを置いていたとしても、上記事情のもとでは、保護責任者遺棄は当然で、死の認容があれば殺人罪です。

fujifuji1006
質問者

お礼

専門的なご回答ありがとうございました。 真夏の炎天下、乳児を車内に残し、車のエンジンを止めて放置する。 ここまでくると、乳児の生命を奪うための行為、と思えてしまいます。 すでに、こういった行為をすれば乳児の生命は危機にさらされるというのは、 周知の事実となっているのですから、 「まさかこんな事になるとは思わなかった」は通用しないぞ!と強く思わずにはいられません。

  • marimo_cx
  • ベストアンサー率25% (873/3452)
回答No.1

殺人罪は殺意があったかどうかが争われるそうですので、殺意が明確に無いと言える場合は被害者が死んでも傷害致死らしいです。 未必の故意の殺人は“放置すれば死に至るであろう≒殺意”ということらしいので、放置してパチンコに行っただけだと重過失致死なので殺人じゃないのではと思います。 もしも育児に疲れた親が“このままパチンコをしていれば子供は死ぬだろうなぁ”と思って故意にパチンコを続ければ未必の故意になるかもしれませんが、それをどうやって立証するかですよね。

fujifuji1006
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 これだけ、毎年何件も同じような事例が発生しているのに、 それでも車内に子供を残してパチンコをする親がいなくならないのが不思議でなりません。 せめて法で厳しく裁いてくれたら・・・と思わずに入られません。

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