• ベストアンサー

反射神経 て何用語?

・反射(脊髄反射など) ・反射神経(咄嗟にかわす) ・条件反射 ・高度に学習された行動 具体的にはどう違い、用語的には正しいのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • ruehas
  • ベストアンサー率68% (816/1194)
回答No.3

こんにちは。 我々人間や他の動物の身体にある末梢神経は、「感覚神経」「運動神経」「自律神経」の3種類ですよね。解剖学的には「反射神経」という分類はありません。 我々の身体には様々な「反射」があります。咄嗟に目を瞑るとか、身をかわす。思わず手が出る足か出る。怖くて震え出したり緊張して冷汗が出るといった生理反応も反射ですし、パブロフの犬でお馴染みの、よだれも有名な「条件反射」ですよね。 このような反応や行動は、特にひとつの神経の働きによって行なわれているというわけではありません。目の前に何か物が飛んで来たとき、我々は咄嗟に目を瞑りますが、これは飛んで来た物を捉える視覚の「感覚神経」と、瞼を閉じるための筋肉を動かす「運動神経」が連動して起こることです。鍋の蓋に触って「熱い!」と咄嗟に手を引っ込めるのは「脊髄反射」だったでしょうか(ちょっと自信ない)、これも、感覚神経と運動神経が目にも止まらぬ速さで反応するために成せる技です。 反射行動の流れを大雑把に纏めますと、 感覚受容器-感覚神経-中継中枢-運動神経もしくは自律神経-標的臓器 ということになります。 ですから、一口に「反射神経」と言ってしまいますと、この一連の反応経路を指すことになりますよね。「条件反射」の場合は訓練や身体能力によって結果や速さに差が出て来ますので、日常的には「あの選手は反射神経が良い」などといった使われ方をするのではないかと思います。ですが、如何に単純な反射行動といえども、それは複数の神経や臓器の組み合わせによって成立するものですから、解剖学的・生理学的には、反射に関わる専門の神経系というものは特にないということです。 念のため、我々の身体には複数の神経核によって構成され、生得的に定められた反応を示す「反射弓」といわれるものが特定されていますが、これもやはり反応経路を指すものであり、神経細胞の「機能的分類」というわけではないはずです。 哺乳動物の中枢を系統発生的に並べますと「脊髄」が一番最初で最も古く、続いて「脳幹(中脳・橋・延髄)」、「大脳辺縁系」となり、そして「大脳皮質」が最後に発達した最も新しい中枢ということになります。 上記の通り、反射というのは「中継中枢」を介して行なわれますので、どの中枢が中継に使われているかによって「反射行動」を分類することができます。ですから、それでゆきますと脊髄を介した反射が最も古く、単純ということになりますね。 脊髄反射の反応はふたつにひとつしかなく、有無を言わさず生得的に定められています。例えば、与えられた刺激に対して「回避行動」を取るか取らないかといったような単純なものですが、その分だけ反応が素早く、迷うこともなく確実に目的を果たします。 「脳幹」は呼吸や心拍、自律作用などを司る中枢で、ここには生命の維持という大原則が働き、「大脳辺縁系」では刺激に対する価値判断が行なわれますので、「接近」か「回避」かの選択が可能になります。そして、「大脳皮質」は辺縁系の判断に対してより高次な情報を提供するわけですが、ここまで来るともう反射とは言えませんよね。 脳幹や大脳辺縁系が関わることによって「条件反射」というもの生まれてきます。 遺伝子に定められ、生まれながらにして持っている反応を「無条件反射」というのに対して、生後の体験・学習によって獲得されたものを「条件反射」と言いますね。 有名な「パブロフの犬」の実験は、生命機能であるはずの自律神経系にも学習は起こるということを証明したものです。大脳辺縁系は脳幹の生命機能をより上位から司ると共に運動機能などの高次中枢に対しても出力を持っており、我々の身体に起こる様々な「生理反応」や「反応行動」に関わっています。辺縁系は刺激に対する価値判断を行ない、それに基づく身体反応を表出するわけですが、その判断基準は生後の体験・学習によって獲得されたものですから、表れる反応は「条件反応」ということになります。 例えば、食べ物の好き嫌いや異性の好みといった個人差のあるものは、ほとんどが生後に獲得された「条件反応」です。あたかも生まれたときからそれが嫌いであったように思えてしまうのは、そのようなものの多くが生後3歳くらいまでの人格形成期に体験した記憶であるからです。大脳皮質ではその理由などとっくに忘れてしまっているのですが、「好き・嫌い」という結果だけは偏縁系内にしっかり記憶されているというわけですね。 何処までを「反射」と呼ぶかは微妙な問題ですが、それは意識に上らない反応や行動であり、主に本能的・生得的に備わった「無条件反射」の方を「反射行動」とするのが一般的のようです。 このような反射や反応が複数組み合わされることによって、ある特定の目的が果たされるものを「本能行動」といいます。「お腹が空いた」という反応と「目の前に食べ物がある」という刺激情報が重なれば直ちに節食行動が選択されますし、満腹が知覚されれば食べるのを止めます。発情期やフェロモンによる生殖行動も無条件反応ですが、人間の場合は大脳皮質や大脳辺縁系の助けを借りた「恋愛」という生殖行動も行ないます。 生殖という本能行動にこのような体験・学習に基づく条件反応を組み入れることができるのは、より高次な中枢である皮質や辺縁系が生後環境に適応する能力を持っているからですね。辺縁系以降の中枢は哺乳動物から発達したものであり、爬虫類にはありません。ですから、ワニが獲物に食らい付くのは、あれは純粋な本能行動であり、無条件反射なのではないかと思います。生きてゆくためです、ワニに敵意はありません。 このようなことから人間や他の動物の反応や行動選択を分類しますと、 「無条件反射」 「本能行動」 「条件反射」 「意識行動・計画行動」 というヒエラルキーが成立します。 更に人間の社会では、「理性行動」というものを優先しなければならないという、大変ややっこしいことになっています。 さて、「高度に学習された行動」ということですが、学習されている以上、それは条件反射ですね。このようなものは「熟練運動」といい、それを実現するための情報は「小脳」に蓄えられています。 小脳は、大脳皮質・運動野から運動神経系に出力される命令に対して、それを円滑に行なうためのサポートをし、尚且つ結果を記憶するという役割を担っています。「運動記憶」といい、我々が何かの運動を繰り返すたびに細かいミスが修正され、その結果は小脳に蓄えられてゆきます。ですから、慣れて来ると何も考えずにスムースな運動ができるようになります。 プロのスポーツ選手やダンサーが目を見張るようなプレイや演技を見せてくれるのは、訓練によって小脳に蓄えられた運動記憶の賜物です。もちろん、我々だってゴルフやテニス、楽器の演奏など、刳り返し練習をすればそれなりに上達するわけですし、自転車に乗る、強いては真直ぐに歩くといった動作も小脳の学習能力によって実現するものであり、生涯に渡ってまず忘れることはありません。 このように、身体で覚えたものは特に意識しなくてもできてしまいますので、一見反射行動であるように思えてしまいますが、それは運動記憶の獲得による熟練した条件反射であり、小脳の学習能力によって支えられているということですね。

参考URL:
 
kanpyou
質問者

お礼

ありがとうございます!! その辺の安物の本を読むより、非常に勉強になりました。

その他の回答 (3)

  • Diogenesis
  • ベストアンサー率49% (859/1722)
回答No.4

御質問の意図がもうひとつよくわからないのですが, 一般的な用語法ということでお答えします。 概念的には「反射」のなかに生得的な「無条件反射」と学習された「条件反射」の双方が含まれます。 ただし「無条件反射」を省略して「反射」の語が用いられることも多いようです。 「条件反射」のほうは省略されません。 また「学習された行動」には 「条件反射」のような「条件づけられたレスポンデント行動」以外に 「条件づけられたオペラント行動」が含まれます。 「高度に学習された」の意味は 「反応量が増した」,「誤反応が減った」,「消去抵抗が高まった」など 文脈によっていくつかの解釈が可能です。 最後に「反射神経」ですが, #1さんもおっしゃるとおり学術用語としては耳にしません。 生理学用語で関連のありそうなものは 「神経伝導(伝達)速度(NCV : Nerve Conduction Velocity)」でしょうか。 末梢神経の障害が疑われる場合に 「運動神経伝導速度(MCV : Motor Nerve Conduction Velocity)」や 「知覚神経伝導速度(SCV : Sensory Nerve Conduction Velocity)」の検査が行なわれます。 http://www.aichi-med-u.ac.jp/kensa/koumoku/seiri/6303ncv.htm 心理学用語で近いものとしては「反応時間(RT:Reaction Time)」があります。 ヴント以前の時代から最先端の認知心理学に至るまで, 反応時間は心理学研究のなかで重要な役割を担う変数として その精密な測定に工夫が重ねられてきました。 http://face.psy.bun.kyoto-u.ac.jp/museum/ なお「潜時(latency,latent period)」という語は生理学,心理学の双方で用いられます。

kanpyou
質問者

お礼

専門的、先鋭的な内容ですが、参考になりました。 ありがとうございます。

  • galoon
  • ベストアンサー率28% (38/133)
回答No.2

#1です。 いわゆる「反射」行動をとる速度に対する評価だと思われるので 条件反射や運動神経など複合的に関係するのではないでしょうか。 (私見)

  • galoon
  • ベストアンサー率28% (38/133)
回答No.1

反射神経という言葉は俗語で用語などには存在しないと TVで医師が話していましたよ。 (番組、医師の名前は失念しました。)

kanpyou
質問者

補足

なるほど!! やはり「俗語」でしたか。 ではその「反射神経」は、運動神経と関係すると思うのですが、心理学でいうところの『条件反射』に該当するでしょうか?

関連するQ&A

専門家に質問してみよう