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質量分析装置について

rei00の回答

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回答No.3

 MSを主要な研究手段として使用しています天然物化学者の rei00 と申します。ご質問の内容に関しては,専門家とは恥ずかしいので経験者としておきます。  いくつかMSの種類を挙げておられますが,MSを分類するには3つ程観点があります。  まづ,質量分離を行なう方法での分類があります。これには,セクタ-型,四重極型(Qとお書きのものです),飛行時間型(TOF です),イオンサイクロトロン型(FT-MS と呼ばれるものです)等があります。  次に,イオン化の手法での分類があります。EI,CI,FI,FD,FAB,liquid SIMS,ESI,APCI, LD,MALDI 等があります。  そして,資料導入法での分類です。直接資料導入,LC-MS,GC-MS,TLC-MS,CZE-MS,(MS-MS)等があります。  で,それぞれにメリットとデメリットがあり,それは分析対象によっても変わりますので,MiJun さんお示しの成書あるいは以下の成書などをご覧いただいて,もう少し具体的に絞っていただけると回答しやすいのですが。  取りあえず,簡単に回答しますと。  (1)と(2)はどの様なMS本体かで決ります。(1)はセクタ-型,飛行時間型,イオンサイクロトロン型で,(2)はセクタ-型,イオントラップ型(これについては上記で説明しませんでしたが,イオンを一度ため込みますので,生成したイオンの殆どが検出器を通過するため,感度が高くなります),イオンサイクロトロン型ですね。  (3)と(4)はどの様なイオン化法かで決ります。スペクトル重視の意味がチョット判らないんですが,フラグメントが多いのは,EI と CI です。他のイオン化法(FI,FD,FAB,liquid SIMS,ESI,APCI, LD,MALDI 等)は,基本的にはフラグメントがあまり出来ません。そのため,衝突活性化(CID)などの方法でフラグメントを作ったりもします。  (5)のダイナミックレンジとは測定質量範囲でしょうか。これが高いのはセクタ-型ですが,飛行時間型やイオンサイクロトロン型には理論的には制限がありません。ただし,四重極型でも多価イオンが生成する場合は,その価数に応じて高分子量まで測定が可能になります。 以下は成書の紹介です。 「有機質量分析イオン化法」  Alison E. Ashcroft 著,土屋正彦・横山幸男 共訳,丸善,1999年 「有機質量分析法」  J. R. Chapman 著,土屋正彦・田島 進・平岡賢三・小林憲正 共訳,丸善,1995年 「最新のマススペクトロメトリ- -生化学・医学への応用-」  丹羽利充 編著,化学同人,1995年  その他,日本電子(JEOL)のペ-ジ(↓)も参考になると思います。「技術情報」の「分析機器」の所に「質量分析計 (MS:Mass Spectrometer)」という項があります。「イオン化法」のあたりは参考になるかと思います。

参考URL:
http://www.jeol.co.jp/

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