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細胞膜について

sonorinの回答

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  • sonorin
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回答No.5

ご質問の意図は、「なぜ細胞内はK+>Na+で、細胞外ではNa+>K+か?」ということで、ややこしいですが他の回答者の方が説明されている基本的なイオンチャンネル(イオンポンプ)については分かっていらっしゃるのではないでしょうか? 「なぜ細胞内はK+>Na+で、細胞外ではNa+>K+か?」というのは、私の知識も教科書程度しかないので説明がつたないですが、これは細胞膜の興奮に関係しているからです。 基本的に細胞が静止状態にあるとき、内側が「負」、外側が「陽」の傾向にありますが、この差は主にK+によって生じます。 生理学の教科書にはたいてい載っているとは思いますが、細胞が静止状態にあるとき、各イオンの細胞膜の透過定数(PK、PNa、PCl)はPK >>> PNa > PClで、静止電位(Vr)はK+の濃度差によって生じる電位(平衡電位)にほぼ等しくなります。このとき、K+濃度は内(i)>外(o)で、 Vr≒-RT/F log [K+]i/[K+]o から、細胞内が外液に対し電気的にマイナスであることが導かれます。 しかし細胞に刺激が加わると、その部分の静止電位が減少し臨界点と呼ばれる電位に到達すると、今度は興奮による活動電位(Va)が生じます。 すなわち興奮部では、静止電位がどんどんと減少し、ついには細胞内の電位が細胞外よりもよりも高くなる(陽性に傾く)電位の逆転現象(脱分極)が起こるのです。 このVaは膜のイオンに対する透過係数が変化することにより生じます。 興奮時には、PNa >>> PK > PCl となり、今度はNa+の平衡電位に依存することになります。 興奮部位では脱分極によりNa+の細胞内流入、K+の細胞外流出が生じ、脱分極が起こり、そのためにその部位と周囲の非興奮部との間に電位差が生じることで電流が興奮部に流れ込む現象が起こります(この電流は「局所電流」と言います)。これは非興奮部に向かって外向きに流れた後、興奮部に戻るので、これが刺激電流となって非興奮部が脱分極し、興奮部を境に両端に向かってどんどんと脱分極を起こすことによって細胞膜の興奮伝導が起こります。 興奮部は脱分極後に再び各イオンの透過係数が変化するため(PK >> PNa)、再び元の静止電位に戻ります(再分極)。この電位の変化の山は「スパイク電位」と呼ばれます。 以上のような現象は、ご存じの通り神経細胞や筋細胞に非常に顕著な例ですが、このような細胞活動を行う上で、細胞内外のイオンの濃度差は非常に有意なのです。

参考URL:
http://hzmimac2.ls.noda.sut.ac.jp/Bone/Nerve.html
ta-bo-122176
質問者

お礼

どうも詳しい説明ありがとうございました。大変よくわかりました。参考にさせていただきます!!

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