• ベストアンサー

古典荷電粒子の運動

guiterの回答

  • guiter
  • ベストアンサー率51% (86/168)
回答No.4

補足です。 通常の力学では相互作用の瞬時の伝播という前提により、 それ自身の中にある不正確さを含んでいます。 実際には相互作用は有限の速度(光速度c)で伝播し、 この伝播速度がどの慣性系から見ても同一である(相対性原理)ことや Maxwell 方程式の座標変換による不変性などを考えると、 どうしても Lorentz 変換や相対性理論などが絡んでくることになります。 stomachman さんも書かれていますが 特殊相対論の論文名は「運動する物体の電気力学」です。 Einstein は古典力学と電磁気学の統一をしたわけです。 ここで、外場の中の電荷 e に対する Lorentz 不変な Lagrangian は  L = - mc^2√(1-v^2/c^2) - eφ + e/c*(A・v)           …(1) とかけます。(第3項のvはベクトルでA・vは内積) ここで、私のNo.1での回答は v/c のべきで展開したときの0次近似です。 相互作用の伝播速度が有限であることからくる ポテンシャルの遅延を完全に無視しているわけです。 念のためもう一度0次近似の Lagrangian を書くと  L0 = Σmi(vi^2)/2 - e1e2/r ですね。 今度は2次まで考えてみます。 数式を書くのが大変なので結果だけですが、  L = L0 + Σmi(vi^4)/(8c^2) + e1e2/(2r*c^2)*{(v1・v2)+(v1・n)(v2・n)} のようになります。 (n はe1からe2へ向かう単位ベクトル、a・bは内積) ただし、ここまでの精度ではまだ電磁波の放射は考慮されていません。 Lagrangian が粒子の位置と速度だけに依存し場の自由度を含んでいないことからもわかりますね。 実は、電磁波の放射およびそれによる場の発生は3次の近似で初めて現われます。 ご質問の「点電荷のその後の運動を古典論的に決定する基礎方程式」は(1)式ということになりますが、 この式から v、φ、A などを決定するためにはある程度近似しないと (今回の近似とは逆に超相対論的近似も含めて) 解くことが出来ないということですね。

hagiwara_m
質問者

補足

貴重なお時間を頂き解説下さいましてありがとうございます。本質がだいぶ明らかになってまいりました。クーロン力以上の電磁気効果を取り入れるということは、とりもなおさず相対論を考慮することなのですね。 私が2体問題を持ち出したのは、容易に解けない問題を提案したかったからではありません。力学系の中で、自己完結的に議論できる最も簡単な系が孤立2体系であり、これが分かるようでなければ、物理の基本法則を知った気持ちにはなれないという信念(ただし物理教育的な立場からの)に基づいております。そして、今回考えたようなモデルは、(実現は難しいが)思考実験系としては極めて明確でリアルなものです。例えば、今度は、両方とも同符号の電荷にして、万有引力とクーロン反発力を完全に相殺させてみます。すると、スカラーポテンシャルはなくなり、貴兄のおっしゃる高次の項の効果がもろに効いてくると思いますが、もしこのモデルの運動が容易に予測できないのであれば、物理学の基本が完成しているとはとても思えなくなります。 長くなりました。貴兄の解説に関する疑問などもあるのですが、ご迷惑と思いますので控えます。相対論などについてもう少し勉強するのが先決と自覚しております。「お礼」の指定をすべきところですが、そうすると締め切ってしまうことになるらしいので、別の視点からのご意見や議論などの場として、もう少しこの回答受付を継続させて頂くことをお許し下さい。

関連するQ&A

  • 2体問題

    クーロンポテンシャルが存在する場で 2質点が衝突解を持つとき、衝突時に限りなく近づくとき、 引力と作用・反作用力が無限大に発散していくと思います。 このような場合、衝突前後の近辺でどのような挙動が起きるのでしょうか? また、このような場合におけるはねかえり係数について、 運動量保存 についてもご教授ください。 また、このような状況を考えるのは古典力学では限界で、 相対論や量子力学を使わなければならないということにもなってくるのでしょうか? 後、このようなことを考えると高校物理の運動量保存を使って衝突の問題を解くとき、 暗黙で万有引力が存在しないことを仮定していることに気づきました。

  • ニュートンがいなければ、万有引力から運動方程式は導かれなかったか?

      この、哲学カテの別のスレッドで、 万有引力からの運動方程式は、ニュートンという個性が導き出した。という風な、主張があった。 本当だろうか? 自分は、万有引力から運動方程式は、科学の進歩から必然的に生まれたもので、ニュートンは、一番手であったために、歴史に名を残した。 ニュートンがいなくても、別の優秀な科学者が、遅かれ、早かれ、万有引力から運動方程式は導きだしたと考えている。 これについて、自由に、意見を聞かせてください。  

  • クーロン力と万有引力

    クーロン力と万有引力の類似点、相違点を述べよ。 宇宙での力は万有引力が支配する。クーロン力が働かない理由を述べよ。 という課題がでたのですが、わからなくて・・・ 教えてください!!お願いします。

  • 等速円運動

    円運動に関する質問です。 物質がひもにつながれて回転している場合、物質がひもに引っ張られる張力と遠心力が作用・反作用の関係になっています。つまり慣性系で運動方程式を立てるために慣性力を考え、その反作用が向心力になっているとみることができます。一方惑星が引力で円運動しているような場合、慣性系で運動方程式を立てるのに、慣性力を考える必要はありません。この違いは何なのでしょうか?

  • 1s電子軌道の古典的イメージ

    水素型原子の1s電子の軌道は角運動量量子数l=0で確率密度分布はある距離のところに角度方向は均一に分布しています。原点の確率密度は0に漸近していますがクーロン力で近づく電子を押し戻す力はどう理解すればよいのでしょうか。 古典的イメージではクーロン力と遠心力でバランスが保たれていると思うのですが、それにはとにかく回らなくてはなりません。遠方で確率密度が小さくなるのは直感的に理解できますが角度関数が定数である1s軌道の古典的力学的イメージは径方向に固有振動していると考えれば良いのでしょうか。 これは勉強していない私の全くの想像ですが周囲からマイナス電荷を持つ電子雲が均一に近づくためお互いに反発しあって原点に近接できず押し戻されるのでしょうか。ご専門の方またはお詳しい方のご指南をよろしくお願いします。(当方学生時代にシュレディンガー方程式を勉強したときは式を追っかけるのが精一杯で物理的意味は殆ど分かりませんでした。)

  • 角運動方程式

    問題にそって角運動方程式を立てるとき 正負の符号のつけ方がわかりません。 これは、時計回り、反時計回りどちらかを正として決めているのでしょうか? 例えば、 ----ー   |\   |  \ 棒   |   \   |    \           ● このような単振り子があったとします。 角運動方程式を立てるとき、棒の軸周りの慣性モーメントをJ、角度変位をθ、棒の長さをL、おもりの質量をmとします。 角運動方程式をたてるとき J(d^θ/dt^2)=-mgLsinθ J(d^θ/dt^2)=mgLsinθ どちらが正しいのでしょうか?? この正負は時計周り、反時計回りのモーメントのどちらかを正とすると決めた上で、正負を決めるのでしょうか? わかりにくい質問ですみません。 よろしくお願いします。

  • 地球内部の万有引力

    ⅰ)2つの一様な球の間に働く万有引力をポテンシャルより求めよ。 ⅱ)また、仮に地球の中心を通る直径に沿って穴を作り、その中で質点を運動させたとする。質点はどのような運動をするか。ポテンシャルを考え、求めよ。 ⅰについてですが、普通に2点間の質点に働く万有引力を考えて良いのでしょうか?そしてなぜ質点とみなせるのでしょうか?球では半径などが関わってくると思うのですが。 ⅱは運動方程式からならおそらく解けるのですが、ポテンシャルUがどうなるのかが全くわかりません。どういう考え方でいけばいいのでしょうか?

  • 陽子・電子間のクーロン力と万有引力

    問題演習で、「陽子と電子の電荷は等量で逆符号とした時、0.53Å離れた電子と陽子の間に働くクーロン力の大きさを求め、これを、陽子と電子間に働く万有引力と比較せよ」という問題が出ました。 クーロン力の大きさは、 陽子の電荷をQ=1.6*10^-19[C] 電子の電荷をq=-1.6*10^-19[C]として、 F[N]=(1/4πε0)*(|Qq|/r^2)からF=8.2*10^-2[N]とわかったのですが、 陽子と電子間に働く万有引力の求め方がわかりません。 Wikiで調べるとF=G*(Mm/d^2)という式がでましたがMとmに入れる物質の質量は、この問題の場合、陽子・電子それぞれの電荷を代入して計算すればいいのでしょうか? どなたか教えて下さい。よろしくお願いします。 *答は3.6*10^-47[N]です。

  • 万有引力の微分方程式

    万有引力の運動方程式を考えていると、複雑な微分方程式になるなとおもっていました。 それで片方の物体が初速度を持っていた場合はどうなるのだろうと思って考えていたのですが難しくてわからなくなりました。 考えていた問題は (0,0,0)と、(0,0,s)にある二物体A、Bが万有引力のみをうけて運動します。 Bは速度(v,0,0)を持っています。 それ以外の条件はないです。 という問題で両物体の位置ベクトルを求めようとしたのですが、微分方程式がx成分、z成分の問題になり難しくて解けなくなってしまいました。 どなたかご教授ください

  • 万有引力の公式

    万有引力の公式をケプラーの法則や運動方程式を用いて作ってください。