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古典荷電粒子の運動

siegmundの回答

  • siegmund
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回答No.5

stomachman さんご指摘のように, あるいは guiter さんの No.4 のご回答の趣旨のように, 「完全に考慮」というのが難しいところで, 電磁力学とでも言うべき話です 普通のニュートン力学はガリレイ不変な形式になっているのに対し, 電磁場のマクスウェル方程式はローレンツ不変な形式ですから, 「完全に考慮」するなら,両者は両立しません. guiter さんご指摘のように,「完全に考慮」なら特殊相対論的記述が必要です. 粒子の速度が光速に比べて小さいときは,v/c の最低次まで取ればよいわけで, これが普通の電磁気学のテキストに載っている記述です. ビオ・サバールの法則やローレンツ力も上の意味で v/c の最低次の近似です. 実際,guiter さんが No.4 で書かれた相対論的ラグランジアン  L = - mc^2√(1-v^2/c^2) - eφ + e/c*(A・v) で v/c の最低次まで取り, 作用積分極値条件からオイラー・ラグランジュ方程式を作ると ローレンツ力が出てきます. 難しすぎるからでしょうが, 普通の電磁気学の教科書には余りこういうことには触れられていません. したがって,v/c の最低次の近似の式とマクスウェル方程式をコンシステントでないように 組み合わせたりするとおかしな結果になることがあります. 実は,私も電磁気学の授業で学生から 「こういう問題で,○○の式とマクスウェル方程式とをこういう風に使うと 答が違っちゃうんですが,なぜなんでしょうか」 と聞かれて即答できなかった経験があります. 結局,「今すぐにはわかりません.来週まで待って下さい」ということになりました. ちょっと考えてどうなっているかわかりました. 組み合わせ方が v/c の次数をコンシステントに引き出すように なっていなかったのです. 話が横道にそれました. 「完全に考慮」するには,guiter さんの No.4 のラグランジアンに 電磁場のラグランジアン  (1/2)(E・D - H・B) を加えればOKです. 電磁場のラグランジアンは普通 -ρφ + j・A がついていますが, 今の話では電荷と電流は荷電粒子で生じているわけですから, -ρφ + j・A は荷電粒子との相互作用項で, 粒子側と電磁場側の双方から考慮すると相互作用を2重に数えてしまいます. 結局,ラグランジアンは L = - mc^2√(1-v^2/c^2) - eφ + e/c*(A・v) + (1/2)(E・D - H・B) で,粒子が多数あれば右辺の最初の3項が粒子の関しての和になります. これが場の自由度まで含んだラグランジアンということになります. これと作用積分極値条件から連立偏微分方程式が出てきますが, まともに解くのはどうにもならないでしょう. 物理的な様子を知るための概念が, ポインティングベクトルやラーモアの放射公式などです. > もしこのモデルの運動が容易に予測できないのであれば、 > 物理学の基本が完成しているとはとても思えなくなります。 具体的問題の運動の様子が容易にわかるのかどうかと, 基本法則がわかっているかどうかは別の問題と思います. stomachman さん: > 慣性系を適切に選ぶと、 > どちらの質点も同じように光子を放出しながら原点の周りをぐるぐる巡って、 > ついには原点に落ち込む. 歴史的にはラザフォード原子模型の古典的不安定性として有名ですね.

hagiwara_m
質問者

補足

ありがとうございます。初等的な教科書が欲求不満を与える理由まで含め、大変見通しよくなってまいりました。(解けるはどうかは別にすれば)この電磁場を含むラグランジアンが、最初にお尋ねした基礎方程式を原理的に決めている、、これで解決か、、、 以下、独り言的に整理してみます。 2つの点電荷は、相互に相手が感じる場をつくりあいながら、場が担う分も考慮した重心のまわりの角運動量を保存しながら運動する。ただし、空間に広がりゆく電磁波があるので点電荷の力学的エネルギーや角運動量は保存せず減速の一途をたどる。それでも(場も含めた)系の重心に固定した座標系は慣性系であり、この慣性系で記述する点電荷の位置および双方が感じる場の時間変化の全ては、特殊相対論に基づく2体系のラグランジアンをもとに原理的には完全に決定される。 これでいいでしょうか。

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