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過分極か脱分極か
抑制性のGABA神経のメカニズムの説明で、おやっと思ったところがあります。 興奮性神経の神経終末部にあるGABA受容体が活性化されると、共役しているイオンチャンネルを通して塩化物イオンが細胞内に流入する。すると膜電位は脱分極の方向に振れるので、電位依存性カルシウムイオンチャンネルを通して流入するカルシウムイオンの量が減少する。 という説明なんですが、塩化物イオンが入ってきたら過分極の方向にいくんじゃないのか?と悩んでおります。
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ANO.1&NO.3です。 よく考えてみましたがミスの可能性が高いと思います。 抑制性神経による興奮性神経の神経伝達物質の放出抑制ということですので、カルシウムイオンの流入量が減少することは間違いないですが、やはり、その前の“膜電位は脱分極の方向に振れるので、”という部分がおかしいですね。“興奮性神経の局所における脱分極が阻害され、”の方が正解だと思います。 抑制性神経から抑制性神経伝達物質GABAが放出される→興奮性神経のシナプス後部にあるGABA受容体でGABA受容→IPSPで、過分極側へいき、活動電位おこりにくくなる→興奮性神経終末部でのカルシウムイオンの流入量減少→神経伝達物質放出量減少、で説明がつくと思います。 よって、“膜電位は脱分極の方向に振れるので、”→“膜電位は過分極の方向に振れるので、”と訂正すれば良いと思います。
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- mydummy
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それって、ずばりこのペーパーじゃないか? Zhang SJ, Jackson MB.(1993) "GABA-activated chloride channels in secretory nerve endings" Science 259(5094):531-4. the predominant inhibitory presynaptic neurotransmitter, gamma-aminobutyric acid (GABA), activates a GABAA receptor and gates a chloride channel in the membranes of peptidergic nerve terminals of the posterior pituitary. The opening of a chloride channel by GABA weakly depolarizes the nerve terminal membrane and blocks action potentials. In this way, GABA limits secretion by retarding the spread of excitation into the terminal arborization. 以上pubmedよりabstract(abstは基本的に著作権的には引用させるための部分だよね……?)。たしかに「GABAが塩化物イオンチャネルを開け、弱い脱分極が起き、活動電位が止まる」と書いてある。Scienceならどこの図書館にも置いてあると思うし。 なに?現役のおまえが調べろって?Scienceは千葉の書庫に移されたんじゃー(TдT)
神経細胞体のどの部分かによって話は違ってくると思うのですが… 細胞体部ではCl-ポンプ-ATPaseによる外向きCl-イオン輸送活性が高いため,細胞内Cl-濃度は低いようです。 樹状突起部ではNa+/K+/2Cl-共輸送体による内向きCl-輸送活性が高いためCl-が高いようです。 GABAA受容体刺激により,Cl-チャネルが開くわけですが,神経細胞体ではCl-の流入により過分極が引き起こされ,樹状突起では流出により脱分極が起こるのではないかと思うのですが… 現役の皆さん教えてください。
- mydummy
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私もその文脈ではミスプリ説に賛同かと…… 興奮性神経伝達のシナプス前終末のよくあるタイプの説明: 終末が脱分極する ↓ 電位依存性Caチャネルが開いてCaイオンが流入 ↓ Caイオンそのものが特定のタンパクに作用し、神経伝達物質の放出が始まる 「Clチャネルが開くと脱分極に振れる」が正しいとしても、電位依存性Caチャネルは興奮性シナプスの前終末では一般的には「脱分極すると開く」ので(脱分極するとむしろCaの流入量は増える)、そこが矛盾するかなと……。
- lion_tiger
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ANO.1です。 ちょっと自信ないですが、生理学の教科書(医学書院の標準生理学)を参照したところ、次のような記述がありました。 一般にシナプス後ニューロンで記録される速いIPSPは過分極性の電位変化を示すのに対して、シナプス前抑制の際にはシナプス前ニューロンの軸索終末部ではGABAによって脱分極性の膜電位変化が起きる。これは細胞内のCl-濃度がシナプス後ニューロンとシナプス前神経終末部で異なるためと考えられる。 恐らく、Cl-の細胞内濃度の違いによって、シナプス後ニューロンでは、過分極側になるが、シナプス前神経終末部では、脱分極側になる、そのことで、前者では電位を深くして活動電位を発生しにくくするIPSPを、後者では、電位依存性カルシウムイオンチャンネルから流入するカルシウムイオンの量を減少させて、シナプス前抑制に関わっているということだと思います。
補足
すいません、頭がごちゃごちゃしてきました。抑制性の神経が、興奮性の神経伝達物質の放出を減少させていることの説明なんですね。本当は図があればいいんですが・・・。 もう一つ、以下のようにも説明があります。 抑制性の神経が、興奮性の神経の終末部にシナプスを形成している。抑制性の神経伝達物質が放出されると、興奮性神経の終末においてCl-の流入あるいはK+の流出が引き起こされる。それによって興奮性神経の局所における脱分極が阻害され、Ca2+の流入量が減る。結果的に興奮性の神経伝達物質の放出量が減り、シナプス神経細胞に引き起こされるシナプス後電位が減少する。 「膜電位は脱分極の方向に振れるので」と言っておきながら、ここでは「脱分極が阻害され」と言っているから、一体どっちなの?って思うんですよね。
医学・薬学は全くの素人です。GABAa受容体によるシナプス抑制は,自分でも良く理解できないものですから話に加わらせてください。私の理解は以下のようですが,lion tigerさんご教示ください。 【シナプス後抑制】 Cl-チヤネルが開きCl-流入 → 過分極(-70mV以下となる)→ 例え-10mV変化しても閾値を越えにくくなる → 活動電位は生じない 【シナプス前抑制】 Cl-チヤネルが開きCl-流出 → 脱分極 → 再分極時の現象が起こる(電位依存性Na・Caチャネルの閉鎖) → 到達した活動電位は減衰 → シナプス小胞開口せず
- lion_tiger
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医学生です。 医学では、神経生理の分野ですね。 塩化物イオンが陰イオンなので、過分極にいくように感じるのですが、脱分極の方にいくこともあります。 細胞内は、通常、-60から-70mvの静止膜電位を保っています。これは、カリウムイオンの平衡電位でつくられていると考えてよく、この静止膜電位よりも+側にいけば、脱分極、-側にいけば、過分極です。 ここで考えねばならないのは、塩化物イオンの平衡電位です。塩化物イオンの平衡電位は発達期の動物(つまり、子供の動物)においては、静止膜電位よりも+側にあるのです。(つまり、-60から-70mvよりも+側にある。)塩化物イオンが流入すれば、当然、塩化物イオンの平衡電位へと電位が近づくので、結果的に脱分極となります。 注意しなければならない点は、陰イオンだからといって、平衡電位が静止膜電位よりも-側にあるとは限らないこと、脱分極、過分極という現象は、静止膜電位よりも+側に電位が動くか-側に電位が動くかによって規定され、0mvと比較しての絶対的な+、-で規定されるわけではないことです。 蛇足ながら付け加えますと、成熟動物では、塩化物イオンの平衡電位は静止膜電位よりも-側にあり、塩化物イオンの流入は、結果的に過分極をもたらします。成熟動物と、発達期の動物でまったく逆の応答を示すので注意しなければいけません。(よってGABA受容体は、発達期には興奮性の神経調節を、成熟期には抑制性の神経調節を担っていることになります。質問者さんは、抑制性のGABAと仰っていますが、GABA受容体は必ずしも、常に抑制性ではなく、興奮性ともなり得るものなのです。) 分かりにくかったら、その箇所を指摘してください。補足いたします。
補足
この説明は精神科で処方される薬の作用について勉強しているときに出てきたものです。 それで、ここで出てきたGABA神経は抑制性だという前提で話が進められています。 精神科の薬を処方するからには、成人を対象としているのだろうから・・・ ミスプリなのではないだろうか?と疑っております。#1さんはどう思われますか?
お礼
う~んこれは・・・なんともいえませんね。 僕の文献にはGABA神経だからといって脱分極になるとかどうとかいうようなことは書いてないんで・・・ ミスプリのつもりで読み進めてみるということで・・・締め切ります。 皆さんありがとうございました。