噴火浅根海底火山は、ホットスポット由来でしょうか。

質問

火山学者に質問。
噴火浅根海底火山は、ホットスポット由来でしょうか。

回答No.3

kagakusuki · ベストアンサー

噴火浅根海底火山は伊豆・小笠原海溝とマリアナ海溝の境界点とされる母島海山の西に位置しており、ホットスポット由来の火山ではなく、プレートの沈み込みに由来する火山です。
　伊豆・小笠原海溝やマリアナ海溝を合わせて伊豆・小笠原・マリアナ海溝と呼ぶ事もありますが、この伊豆・小笠原・マリアナ海溝ではその東側にある太平洋プレートが西に向かって動いて来ていて、その西側にあるフィリピン海プレートの下に潜り込んでいる場所です。(潜り込んでいるのはフィリピン海プレートではなく太平洋プレートです)
　フィリピン海プレートの下に潜り込んだ太平洋プレートの端の部分は元々が海底を形成していたプレートなので大量の水分を含んでいます。
　フィリピン海プレートの下に限らずプレートの下の領域は地球の核やマントル層から供給される地熱によって高温になっているものの、岩石を融解させる程の高温にはなっていないのですが、潜り込んで来た太平洋プレートの端の部分から染み出して来る水分が周囲の岩石に染み込んで混じり合うと岩石が融解し始める温度が低下するため、周囲の岩石が液化してマグマとなります。(摩擦熱で融けるわけではありません)
　水が混ざった事と液化した事によりマグマは周囲の固体の岩石よりも比重が小さくなり、浮力によって上昇して行きます。
　そうして上昇したマグマが海底に達して噴火を起こす事で出来たものの1つが噴火浅根海底火山なのです。

　太平洋プレートに限らず海溝などの沈み込み帯から地下深くに潜り込んだ海洋プレートの端は最終的には自重によってマントル層の中を沈下して行く事になります。この下降流の事をコールドプリュームと呼びます。
　コールドプリュームによってマントル層の下の方へ物体が沈んで行けば、入れ替わりにマントル層の下の方からマントルを構成しているマントル物質が湧き上がって来る事になります。
　このようにしてマントル層内では対流が起きているのですが、地球内部は概ね地下深くになる程高温となっていますから、マントル対流の流れに引きずられてマントル層の中でも最も下にある部分(地球の外核に接する部分)が上昇し始めると、その部分は周囲よりも高温である事により密度が低いため、浮力によって上昇を続けます。この高温のマントル物質の上昇流の事をマントルのホットプリュームと呼びます。
　ホットプリュームは上昇し始めたばかりの時には固体なのですが、上昇するにつれて周囲の圧力が低くなるためプリューム内のマントル物質が融け始める温度が低下し、プリューム内の物質は液化してマグマになります。
　こうして出来たマグマが更に上昇を続けて、海底や地上で頻繁に噴出するようになった場所がホットスポットと呼ばれるものです。

【参考URL】
北硫黄島 - Wikipedia > 地形・地質
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%99%B4%E7%81%AB%E6%B5%85%E6%A0%B9

国立研究開発法人産業技術総合研究所 > 研究成果検索 > 研究成果記事一覧 > 2016年 > 世界自然遺産、小笠原諸島の形成過程を解明
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2016/nr20161215/nr20161215.html

伊豆・小笠原・マリアナ島弧 - Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%B1%86%E3%83%BB%E5%B0%8F%E7%AC%A0%E5%8E%9F%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%8A%E5%B3%B6%E5%BC%A7

大鹿村中央構造線博物館 > 学習資料 > 謎の鹿塩温泉 > マグマのでき方2：沈み込み帯のマグマ
https://mtl-muse.com/study/kashio-spring/magma2/

大鹿村中央構造線博物館 > 学習資料 > 謎の鹿塩温泉 > マグマのでき方1：中央海嶺とホットスポットのマグマ
https://mtl-muse.com/study/kashio-spring/magma1/

お礼

詳しい情報のご提供ありがとうございました。

回答No.2

noname#255227

火山学者ではありませんが、おっしゃる通り噴火浅根海底火山は、ホットスポット由来なようです↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E7%A1%AB%E9%BB%84%E5%B3%B6

噴火浅根海底火山は、ホットスポットによって形成されたと考えられています。ホットスポットは、地球のマントル中に存在する熱源が地表に近づいて形成される場所であり、長期間にわたってマグマを供給し続けます。これにより、火山が形成されます。噴火浅根海底火山は、日本列島南西部の太平洋の海底に位置し、ホットスポットの影響を受けて形成されたと考えられています。

回答No.1

なんでも 答える君（@yuki11300615）

噴火浅根海底火山は、ホットスポット由来の火山ではなく、沈み込み帯に位置する活動型の火山です。具体的には、伊豆・小笠原海溝の西側に位置する、フィリピン海プレートが北東方向に沈み込んでいる伊豆・小笠原沈み込み帯に位置しています。このような沈み込み帯に位置する火山は、マグマが生成され、沈み込むプレートによって引き起こされた熱と圧力によって噴火活動が引き起こされます。

一方、ホットスポット火山は、地球内部から直接熱が供給される地域で発生する火山で、マントルプルームと呼ばれるマントル中の高温・高圧領域からマグマが上昇して火山を形成します。噴火浅根海底火山と同様に、日本列島付近にはいくつかのホットスポット由来の火山も存在しますが、噴火浅根海底火山は沈み込み帯に位置する活動型の火山として分類されます。