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市販ボードゲームの著作権
今、「スコットランドヤード」というボードゲームのパソコンゲーム版を作ろうと思っています。 そこで心配なのが著作権の問題なのですが、 著作権というのはゲームのルール自体にも適用されるのでしょうか?つまり、同じルールを持つゲームを作るというだけで著作権を侵害することにはなるのか、ということです。またこのとき、商用(ソフトを売る場合)の場合と非商用(無料、さらにはGPLなど)の場合で違法合法が変わってきたりしますか? また、「スコットランドヤード」という名前を使うのは商標の問題でダメだとは思いますが、その認識で正しいですか?
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- パんだ パンだ(@Josquin)
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商標登録されていない場合は「『スコットランドヤード』風のゲーム」という記述もOKだと思いますが、商標登録されている場合はダメなんじゃないでしょうか。 阪神が優勝した時に「阪神優勝」が登録されていたために、「阪神優勝」という言葉を使えませんでしたよね?あれと同様な気がします。(全然違ったらごめんなさい。) 「リンク構造(?)」は図形の著作物にあたり、無断使用は出来ないのではないかと思います。
私も勉強中の身ですので絶対に大丈夫という確証はありませんが、分かる範囲でお答えします。 まず、#3で引用されている通り、著作権法の保護対象は「表現」であって、「アイデア」ではありません。ゲームのルールはアイデアにあたりますので、これの説明文など創作性のある表現となっていない限り、その利用は自由かと思います。 ゲーム名に関してですが、「スコットランドヤード」が商標登録されている場合、これに類似した標章は使用できませんし、登録もできません。類似の範囲ですが、当該2つの標章を並べた際に、その営業主体・出所が同一、または関連企業などと誤認させる程度で足りるとされています。判例によれば、人材派遣会社の商標につき、「マンパワージャパン」と「日本ウーマンパワー」が類似とされています。 一方で商標登録されていない場合ですが、これが特定の者の営業表示として周知となっている場合(「スコットランドヤードといえばどこそこの製品」と広く知られているということ)、これと同一、または類似の標章を、同様の営業に用いることは不正競争防止法上認められていません。 ここでいう周知とは、このケースでは、ボードゲーム市場の顧客一般によく知られているということです。 したがって、商用ソフトとして同一・類似の名称を用いる場合、これらの規制に係る可能性があるといえます。 次にゲームボードのデザインですが、意匠性・著作物性が認められない範囲であれば、同じ構造を用いてもよいかと思います(自信なし)。したがって、これも、同一・類似と思わせるようなデザインのボードを作成することは許されませんが、明らかに独創性のあるデザインであれば大丈夫かと思います。 知的財産権の侵害を問われた場合ですが、民事責任と刑事責任の2種類があります。いずれの場合も、基本的には事前警告なしで訴えを提起でき、告訴できることとなっています(個別類型によって違いがあります)。 この場合、刑事責任については裁判上争う以外にありませんが、民事責任に関しては裁判上、または裁判外で和解をすることも可能です。例えばソフトウェアの出来具合がよければ、これを無償でライセンスする代わりに訴えを取り下げてもらうなどが考えられます。 いずれにせよ、著作権法上の問題にとどまらず、意匠法・商標法・不正競争防止法などとの関係も事前調査される必要があると思います。
- kobarn
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こんにちは。 実は私はカードゲームを作った経験があります。現在販売もされています。発売するにあたって、「ゲームの著作権」についていろいろ調べました。 その中で、知り合いの弁護士の方からいただいた文章が以下のとおりです。 ----------------------------------------------- 結論としては、ゲームのルールは知的財産の保護対象にはなりません。「著作物」は、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法2条1項1号)をいいますから、ゲームのルールは「思想又は感情の表現」に該らず、また、特許法で保護される「発明」とは、「自然法則を利用した技術的思想の捜索のうち高度のもの」をいいますが(特許法2条1項)、ゲームのルールのように人為的な規則は自然法則を利用したものではないからです。 しかし、これがコンピュータ上で動くソフトウェアとなっている場合には、当該ソフトウェアのプログラムが著作物として保護の対象になります(著作権法2条1項10号の2)。 ----------------------------------------------- というわけで、アナログゲームのルール(システム)自体には著作権はないようです。しかし、他の方もおっしゃっているように、ルールブックの文章には著作権があることになります(あってます?)。 ですから、スコットランドヤードのシステムに基づくコンピューター・ゲームを作っても、著作権の侵害にはならないのではないでしょうか(人道的にどうかは別として)。 実際に「カタンの開拓」のシステムをほとんどそのまま使った「じぱんぐ島」というプレステのゲームがありましたが、ひとことも「カタン」についてはふれていませんでしたし、意匠などもまったく変えていました。 よけいなことですが、スコットランドヤードは生身の人間と遊んだほうが絶対面白いのになあ、と思います。
具体的にどういったものなのか存じませんので、一般論として書いておきます。 まず、ゲームのルールというアイデア自体は保護の対象となりません。これが表現されて、初めて著作物として保護を受けます。したがって、そのルール自体を拝借したとしても、直ちに侵害を問われることはないでしょう。 なお、著作物はインターネットなどを通じて送信可能な状態に置くこと(著作23条)だけで侵害となります(同112条以下)ので、営利目的にせよ非営利目的にせよ、著作物やその複製物を配布することはできません。 「スコットランドヤード」が商標登録されているかどうかは分かりませんが、されている可能性もないとはいえません。また、登録商標でないにせよ、特定の者の営業に係る標章ですので、不正競争防止法上の制限を受ける場合があります。 また、ボードのデザイン・ロゴの字体・駒の形などは商標権・意匠権の対象です。登録されていないものでも、上記と同様、不正競争防止法において規制を受けるものがあります。さらに、著作物製が認められれば、著作権による保護も受けることとなります。 以上の点から、ルール自体を拝借するのは大丈夫だと思いますが、駒の形やボードのデザインなどが、オリジナルのそれと類似しているものは許されないと思われます。また名前をつける際にも、各法律の規定に照らして慎重に行う必要があります。 なお、ゲームのルールは「自然法則を利用した技術的思想」ではないため、特許法・実用新案法の守備範囲ではありません。
- パんだ パンだ(@Josquin)
- ベストアンサー率30% (771/2492)
ルールを書いた解説書は著作物ですが、ルール自体は著作物ではないようですので、特許・実用新案を取っているかどうかが問題になります。 ボードの地図などのデザインは著作物ですので、無断でそのまま使用することはできません。 名前は商標登録されていればダメですね(「スコットランドヤード」は「大阪府警」みたいなものだと思うので、登録されていないかもしれません)。
補足
詳しい説明ありがとうございます。ルール自体は拝借しても問題ないが、ゲーム名は注意したほうがいいのですね。 追加で質問させてください。 (1)作ったソフトの説明で「『スコットランドヤード』風のゲーム」という文言を入れても問題ないですか?(商標登録されている/いない場合で) (2)「スコットランドヤード」は、マスが網状につながっているマップ上で、逃げる怪盗Xのコマを刑事のコマが追いかける、というゲームなのですが、そのマップの絵柄のデザイン自体はもちろんコピーするつもりはありません。ただ、そのマップの構造(交通手段がタクシー・バス・地下鉄とあって、マスごとに、どの交通手段でどのマスまで行けるか、というのが決まっている)がとてもよく出来ているのですが、そのリンク構造(?)をまるごと拝借するのはまずいでしょうか?ルールのうちとみなせますか? (3)万が一、自分の意図しないうちに著作権の侵害が発生していた場合、罰せられる前に警告してもらえるのでしょうか? しつこくすみません。最近ネットがらみの著作権の問題が厳しいようで、心配なので・・・。