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「本当はおそろしいグリム童話」について
「本当はおそろしいグリム童話(2)」 というのを図書館で借りて読んでいました。 ところでこの本の中の物語は作者の創作なのですか? 単にグリム童話を下敷きにしているだけで作者の創作部分が多いのでしょうか? それともいろんな研究によって明らかになった話の内情(?)を広げて書き足したのでしょうか? 私はてっきり何度も改定されたグリム童話の原典の話かと思ったのですが。
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初期グリム童話を翻訳された吉原高志さんが大学の講義で語っていましたが、「本当は恐ろしいグリム童話」(桐生操)に書いている内容は研究不足だ、そうです。 そもそも、この人のジャンルというのは、別にグリム童話やドイツ文学、民俗学ではなく、ヨーロッパの持つ闇というもののような気がします。もちろん、ヨーロッパに幻想を抱いている日本人に対しては効果はあると思いますが、極端に転んでいます。つまり公正に書いているとは私には思えません。 まず、「恐ろしい」とか「残酷」という言葉でことさらに煽り立てますが、それは現在の日本から見たものであって、当時のドイツではどういったものが残酷かというのをまったくわかっていないように思います。 真の理解をしたいのであれば、吉原高志さんの「グリム<初版>を読む」という本をお勧めします。白水社から出ています。
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- DreaMMaster
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日本におけるユング派心理学の大家の河合隼雄がユング派心理学の立場からグリム童話を解説した本があります。なぜ表面的には残酷な話が伝えられてきたのかも解説されています。図書館で探されてはいかがでしょうか。 昔話の深層―ユング心理学とグリム童話 講談社+α文庫 河合 隼雄 (著) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062560313/ ユング派心理学は今は流行っていませんが、物を見る一つの枠組みとしては面白と思います。
お礼
ご回答をありがとうございます。 これも図書館で、と思いましたが催眠剤にならないかしら(笑) 比較的読みやすいとは書評でも出ていますが、そういう分野は読み慣れていないもので(^^ゞ しかしグリムって精神病理学の方面からも研究されているのですね。 とても参考になりました。
昔話(民話)というのは本来 残酷なものが多いのだそうです。 グリムというのは民話の研究家であり グリムが収集し発表した、いわゆる「グリム童話集」というのは 最初は残酷なままだったのですが これでは子供の教育に良くないなどの批判が多かったらしく 版が重ねられる中で残酷さが薄れ、最も普及した第7版になると 民話は教訓譚へと変質してしまったのだそうです。 http://www.asahi-net.or.jp/~XJ6T-TKD/saloon/stories.html とはいえ、ANo.3で指摘されているとおり >「本当は恐ろしいグリム童話」に書いている内容は 研究不足かつ無駄に残酷さを強調しているらしいですね。 「初版グリム童話集」ってのが出てまして コッチの方がちゃんとしてるらしいです。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4560046603/249-4098898-4842764 なんて、物知り顔で回答してますけど 私も最初はOKwebで教えてもらいました。 http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=103345 http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=103242 とっても参考になると思いますよ。
お礼
回答者さんがされた質問を見させていただきました。 思い起こすに私は自分の子ども達に「綺麗な、夢見がちな話」は聞かせませんでした。 一般的には、こうじゃないと思うんですけど(苦笑) 自分が現実的な考えの親だからかな? メルヘンなんて聞かせても意味ないと思ってたんです。 ただでさえ子どもは夢見がちです。現実を良くわかっていないように思えます。 世の中は甘いもんじゃない。しっかり生きていかなくちゃならないんだよーなんてね(笑) グリムもそういう話じゃないかなと思っています。 (でも子どもも現実的な話の方を喜ぶのは本当です。) 初版グリム童話集―ベスト・セレクション グリム (著), 吉原 高志, 吉原 素子 も図書館にあるかしら? どうもご回答をありがとうございました。とても参考になりました。
- yapoo
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何年か前に流行った残酷童話モノの中の1ケですよね 昔の童話は今のよりもずっと残酷だったそうで それを作者が昔の残酷な方のを出したいってことで 作ったって聞きましたよ 封印された真実は・・・とかって書いてあったし 童話の初版本を基に文献や資料などを研究して書いた ってブームの時に聞きましたよ
お礼
ご回答をありがとうございます。 ここである質問を見ていたのが心に残っていて図書館にあったこの本をかりてきたんですよ(^^ゞ グリム童話は何回も改定されているようですね。 でもこの本を読んでいて「本当にこんなことが書いてあったの?」と思うような内容があって(例えばラプンツェルの話)作者が勝手に話を膨らませたのなら別に読みたくなかったなと思えたのです。
色々です。 たとえば、シンデレラの原作(と現在呼ばれているもの)で、継母が娘たちの足の指を切ってしまうシーンが出てくるのは本当です。 で、王子は、ガラスの靴の内部が血みどろである点を、小鳥に指摘されて初めて気づくんです。馬鹿ですねー(笑) 他にも、旧版のグリム全集では削除された「子供がト殺すごっこをする話」は、現代の猟奇殺人バリのおどろおどろしい事件が、ごく普通の物語として語られています。 ですが、そんなシーンの出てくる物語ばかりではないので、作者が創作したこともあるかもしれませんね。
お礼
ご回答をありがとうございます。 グリム童話は普通に読んでいても案外残酷だなと思えます。 ヘンゼルとグレーテルは「子捨て」の話ですし奇麗事で無い現実の生活の話が載っていると思います。 でもこの本を読むとあんまりにもエロ・グロが強調されている気がしてちょっと嫌な気さえしました。 それでどの程度が本当の原典かなと思ったのです。
お礼
こんにちは。 >そもそも、この人のジャンルというのは、別にグリム童話やドイツ文学、民俗学ではなく、ヨーロッパの持つ闇というもののような気がします この本を読んだ時、ことさらにその「闇」の部分が強調されている気がしたのです。 たとえ「闇」でもその地域性(考え方や習慣)といったものに裏打ちされているのであれば不自然ではないわけです。 日本人とヨーロッパの人とではだいぶ違うのは当たり前だし。 お勧めの本は図書館のネット予約をしました。読むのを楽しみにしています。 どうもありがとうございました。