- ベストアンサー
電力用変圧器にトロイダルコアを使わない理由
- 電力用変圧器にトロイダルコアを使わない理由について調べました。
- トロイダルコアを使用しない理由は、漏れリアクタンスが小さすぎて望む値にならないからです。
- これにより、電力用変圧器には他の種類のコアが使用されています。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
ご指摘の通り、磁路に継ぎ目のないトロイダルコアは、継ぎ目のあるコアよりは漏れ磁束が少ないので、同程度のトランスで比較すれば、漏れリアクタンスが小さく、短絡電流が大きくなる傾向があることは間違いないと思います。 この課題は、1次巻線と2次巻線の相対的な位置関係(距離)を加減するなどの方法で、設計上調整可能なので、決定的な問題ではなさそうに思います。また、電力用のトランスの場合、扱う電圧が高いので、絶縁を確保するために1次巻線と2次巻線相互の距離は相当の値を確保する必要があるので、絶縁設計の観点から、漏れリアクタンスが小さくなりすぎて設計が成立しないという問題は少なそうに思います。 ご質問者さんがどの程度の容量・電圧のトランスを想定なさっているのか分からないので、私が想定している条件と異なるかもしれませんが、トロイダルコアに巻線を施すことができるか否か製造できるか否かが、最も重要な課題と思います。 トロイダルコアには継ぎ目がありませんから、巻線を施すには、巻線の全長を、トロイダルコアに嵌めたシャトルに一旦巻き取ったうえで、トロイダルコアに巻き移すことが一般的と思います。 電力用のトランスでは、巻線に流れる電流が大きいので、太いを巻線を使う必要がありますが、巻線が太ければ曲げることが困難であって、上記のような巻線方法が困難であり、経済的に製造できないことがトロイダルコアを使わない大きな理由と思います。 6kVから100/200Vに降圧する配電用のトランスでは、継ぎ目のない巻き鉄心を2分して、分断した面を研摩して漏れ磁束を最小限にするように密着させた「カットコア」も多用されていると思います。カットコア構造であれば、トロイダルコアの場合にのような面倒な巻線方法は不要であり、作りやすい方法で絶縁構造を確保しながら巻き上げたコイルを、最終的に鉄心と組み合わせることができるので、経済的に成り立つものと思います。
お礼
詳しいご説明ありがとうございました。