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ドイツ語でのzu不定詞とzumの使い方の違いとは?
- ドイツ語でのzu不定詞とzumの使い方には、いくつかの違いがあります。
- zu不定詞は、動詞の名詞化や目的を表す場合に使われます。
- 一方、zumは前置詞のように使われ、特定の動詞の後に続いて使われます。
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先に書き方の間違いから。 >どうしてzum Fußball spielenと小文字で、Spielenとならないのでしょうか? それはどちらも間違いです。現代ドイツ語の正しい文法、正書法からいうと、ここでの zum という前置詞は当然名詞化された動詞 Spielen にかかるので、小文字で spielen と書くのは間違いです。しかし、意味的には zum が Spielen にかかるといっても、spielen の目的語 Fußball がそこにあるので、Fußball Spielen と二つの名詞を切り離して書くと、文法的に zum は直後の Fußball にかかることになってしまいます。こういう場合、複数の名詞を離して書くことは本来できないので、Fußball + spieln 全体を一語の合成語としてつないで zum Fußballspielen と書くのが正しいのです。「zum Fußball spielen」という書き方をネット全体の検索にかけると結構出てきますが、日常的には、本来正しくない書き方というのは結構されています。特にネット時代到来後は、いい加減な書き方が野放しになっているので惑わされないことです。検索対象を書籍に絞ってみるとわかりますが、「zum Fußball spielen」と書いてある書籍はわずか数冊しかヒットせず、しかもそれらの同一書籍内で「zum Fußballspielen」とつなげた形を検索するとこちらの方がたくさん出るので、「zum Fußball spielen」はミスプリントと思って間違いないでしょう。 × zum Fußball spielen × zum Fußball Spielen ○ zum Fußballspieln このように、動詞をその目的語その他の付加語と一緒に名詞化する場合は、全部つなげて書き、語頭を大文字で書きます。複合される語数が多く、全部つなげると判読できない場合はハイフンでつなぎますが、その場合も全体を一つの名詞として扱うので、語頭は常に大文字、間に挟まれている語は通常通り、名詞は大文字で書き始め、それ以外の品詞は小文字で、ただし、名詞化された動詞は大文字で書き始めます。 つなげて書くかハイフンでつなぐ: × zum ins Bett gehen ○ zum Insbettgehen / zum Ins-Bett-Gehen × zum nach Hause gehen ○ zum Nachhausegehen / zum Nach-Hause-Gehen 使用例:Es ist Zeit zum Ins-Bett-Gehen. ハイフンでつなぐ(慣用句の名詞化の例): auf und davon laufen(さっさと逃げる) → (das) Auf-und-davon-Laufen in den Tag hinein leben(漫然と日を送る) → (das) In-den-Tag-hinein-Leben um zu と zum の使い分けという問題はちょっと説明が厄介です。文法書では、この二つを比較、区別するという考え方による解説というのはしないと思います。海外の Q&A にも時々この質問が出ますが、ネイティブたちの回答を見ても、「文法的にはどちらも正しく意味も同じ」「感覚的にはこちらの方がよい」「この場合は意味合いが異なる」などとなっていて当を得ません。確かにどちらでもよいケースは結構ありそうですが、いつもそうというわけでもなさそうです。 まず、um zu ~ という不定詞を使った副文は「副詞句」なので、直接名詞にはかかりません。Platz zum Fußballspielen ならば、「サッカーをする場所」という直接的な結びつきになりますが、einen Platz finden, um Fußball zu spielen の場合、um Fußball zu spielen がかかるのは Platz ではなく finden の方です。また、um zu ~ は「~するためには」という意味で、主文に書かれていることが実現した結果可能になるということなので、「もし見つからなければサッカーはできない」ともとれます。Platz zum Fußballspielen の場合はそこまでの意味は出てこず、単に「サッカーをする場所を探す」という事実を述べているに過ぎないといえます。ネット全体で検索すると、どちらの言い方も出てきますが、これは文脈次第とも言えます。ただし、書籍検索に限定すると、Platz zum Fußballspielen の方が明らかに多くなります。Wir brauchen noch mehr Platz, um Fußball zu spielen. なら、「サッカーをするにはもっと場所が必要だ」ということなので um zu を使う意味はわかりますが、Hier gibt es einen Platz, um Fußball zu spielen. の場合は、「ここにサッカーをする場所がある」と言いたいだけととれるのでやや違和感があり、Hier gibt es einen Platz zum Fußballspielen. で十分と思います。um zu+不定詞句の場合、その中の動詞の主語は主文から推測できることがある程度前提となるはずなので、主文中の形式主語を使った es gibt のあとの副文に Fußball spielen が並ぶことは、Wir brauchen… の文ほど構文が明確ではないように思います。そういった事情を考えると、Platz zum Fußballspielen という簡潔な用例の方が多くなるという結果はあり得ます。 これが、「Geld zum Essen」を含むフレーズとなると話は少し違い、Wir haben genügend Geld zum Essen. は普通ですが、Wir haben genügend Geld, um zu essen という言い方はほとんどしないように見えます。お金がなければ食べられないわけで、Geld zum Essen だけでその意味は明らかだからかもしれません。しかし、「生きてゆくためには仕事が必要だ」という表現になると、Wir brauchen eine Arbeit zum Überleben. と Wir brauchen eine Arbeit, um zu überleben. という形が同じくらいの割合で出てきます。どちらも意味には変わりはないでしょう。このように、語の組み合わせや文脈によって変わる可能性があるため、包括的な規則というのは言いにくいのではないかと思います。 海外の Q&A に出ている例には次のようなものもあります。 Das Kind braucht seine Mutter zum Essen. 上の文は、文法的に誤りとは言えないまでも、意味的に違和感があると書いているネイティブがいます。これは、etwas essen「何かを食べる」→ etwas zum Essen「何か食べるもの」と考えたとき、「seine Mutter zum Essen」とはどういう意味かという問題が出ます(母親を食べるわけではないので)。もし、もう少し詳しい事情が書いてあれば、たとえば、Das Kind ist klein und braucht noch seine Mutter zum Essen. ならば意味は明確になりますが、それでもこの場合は um zu essen を使う方がよいのでは、という話です。 また、ここまでの例は主文中に名詞がありますが、「gehen zum」となった場合は「~しに行く」という意味で、zum は催し物や場所などの直接の目的を表して gehen と密接につながります。Wir gehen zum Feiern. なら「私たちはお祝いをしに行く」ですが、Wir gehen, um zu feiern. ならば、「お祝いをするために、(今いる場所を去ってどこかへ)行く」という意味にとれます。下の例文だとそれがよくわかります。 Ihr Kinder bleibt zu Hause, wir gehen um zu ernten. もし、Wir gehen zum Ernten. ならば、単に「刈り入れに行く」という意味ですが、上の文では、「君ら子供たちは家に残るが、私たちは刈り入れ作業があるから出かけるよ」というようなニュアンスになります。 今あまり時間が取れないので、これ以上多くの例を探して検証することはできませんが、ここまでの例だけでもある程度お分かり頂けると思います。これは単純な法則で整理できることではなく、ケース・バイ・ケースでどちらがより適切かを考えなければならないように思います。
お礼
ありがとうございました。すっきりしてなかったものが、すっきりしました。