「今となっては笑い話」って旅の出来事は有りますか？

質問

貴方が旅先で遭遇した予想外の出来事やピンチにはどのような
ものが有りましたか？また、どうやって切り抜けましたか？
「死ぬかと思った」や「穴があったら入りたい」等、皆さんの
体験談、失敗談を書いてくださったら面白いです。
※ベストショットと思ったら、帰ってよく見たら自分の指が・・・

回答No.5

noname#252332

2015年秋から2016年春まで宮城県岩沼市で工事。同僚はみな岩沼か隣の名取に宿泊したが私だけ自家用車で出張して仙台市国分町付近のホテルを1週間ごとに泊まり歩いていた。忘れもしない16年3月3日、ライブラリーホテル東二番丁を6時前に出て車で東二番丁通りを南へ。広瀬通の交差点の中央の車線で信号待ちをしていると、歩道から若い女がつかつかと出てきて助手席の窓を叩いた。見覚えのない顔だがチャイパブで会った女かな？　西洋人のようだが。「なんだよ」と窓を開けると後ろのドアを開けて乗り込んで来た。顔が白くてすっかり西洋人だと思ったもんだからWhere are you goingなどと言ってみたがはかばかしい返事がない。おまえ日本人かよ、と言うと、日本人だヨ、と言う。俺朝から忙しいんだけど、どこに行きたいの？と聞くと、ナントカと地名を言った。車を停めてナントカをカーナビで検索すると兵庫県と出てくる。そのナントカって駅はどこ？と聞くと、だからそのまんまでしょ、と言う。つまり駅名と地名が同じという意味だろう。この車どこに行くの？と聞くので、岩沼、と答えると、イワヌマ？と知らない様子だ。あのさ、兵庫県に連れて行ってあげられないんだけど、警察まで連れて行ってやるのでどう？と提案すると、イイヨーと言う。明るいんだ。で、目的地が決まって安心したんだろう。91年型シビックの後部座席で斜めになって寝てしまった。

　女の寝顔を見て、こいつを岩沼の工事現場の仮設事務所に連れて行って休憩させようかなという考えがちょっと頭に浮かんだ。こういうのを魔が射すと言うんだろう。思えばこれが人生で刑務所に最も接近した瞬間だった。幸い、考えてみれば仮設事務所はいいけど現場の仮設便所を使える女はいないよなと思い返して踏みとどまることができた。

　仙台で唯一知っている交番は国分町の中で見かけたことがある。朝から狭い一方通行の道に入り込んで記憶の中の交番を探す。交番に着いて車を降りて交番に入って「知らない酔っ払いが私の車に乗り込んで寝てるんです」と助けを求めた。若い警官が4人ほど出てきて私の車を取り囲んで叫ぶ。「あ、ライオンビル対応の女だ。」　ライオンビルとは国分町の入り口近くにあって高くないスナックがいっぱい入ったビルだ。つい15分前に警官がみなこのビルに呼ばれてこの女を介抱して、タクシーで帰りなさいよと送り出した直後に私の車に乗り込んで来たらしい。

　ふたりの警官に両脇を抱えられて、別れ際に女は私に金を渡そうとする。というのは結局私をタクシーと勘違いしていたわけだ。いいんだよ、おまえは出発地点に戻ったんだから、と言って別れる。この女がもし今日妊娠していたら私もDNA検査の対象になるんだろうと気を利かして警官の一人に名刺を渡しておいた。女を知ってる警官でよかった。一つ間違えば誘拐で調べられるところだった。

　工事やってる間は1時間前には現場に入るもんだ、とは私にこの仕事を仕込んだ姉ヶ崎の某組織の流儀だ。おかげでこの日も遅刻もしないで朝礼に出てその日が3月3日だったと気が付いた。あいつはお雛様だったのかなぁ。

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お礼

xitianさん、ご回答ありがとうございます。
う～ん、「今となっては笑い話」と言えるほど笑えない話じゃないですか？知らない人に勝手に後ろのドアを開けて乗り込んで来られたら怖いです。怪談めいた話ですが結局、タクシーと間違えられたって事なのですね（笑）。