SCM鋼など合金鋼の特性とは?焼き入りやすさのメカニズムは?

このQ&Aのポイント
  • SCM鋼や合金鋼は炭素鋼よりも焼き入りやすい特性を持っています。
  • 焼き入りやすさを向上させる元素はどのようなメカニズムでパーライト変態を遅延させているのでしょうか?
  • また、合金元素は焼き入りやすい一方で、炭素のようにMs点を変化させない理由は何なのでしょうか?
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SCM鋼など合金鋼はなぜ焼きが入りやすいの?

SCMなどの合金鋼は炭素鋼に比べて焼きが入りやすい(深くまで焼ける)ですが、そのメカニズムがいろいろ調べていても見つけられません。 CrやMo、Mn等の焼入性向上元素はいったいどのような機構でパーライト変態を遅延させているのでしょうか? また、上記合金元素は焼きが入りやすいのに、Ms点を炭素ほど変化させないのはどういった理由なんでしょうか?? わかる方見えましたら、ぜひ教えてください。

noname#230358
noname#230358
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noname#230359
noname#230359
回答No.3

まだ勉強中の身ですので、間違ったことを書いてしまっていたら申し訳ありません。 先の方が説明されたように、合金元素の添加によりFe-C状態図におけるオーステナイト域、フェライト域の広さが変化します(Ref.谷野満、鈴木茂著:鉄鋼材料の化学 P103)。 これは状態図のもととなるオーステナイトおよびフェライトのギブスの自由エネルギーが変化するためです。 焼きについてですが、マルテンサイト変態をさせるにはTTT線図(同 P84)よりある程度の冷却速度が必要ですが、低炭素鋼の分厚い材料では中心までマルテンサイト変態するほどの冷却速度を得るのは困難です。 しかしMnやNiを添加することで、MnやNiはオーステナイト域を拡大させるため、低温までオーステナイトが安定に存在します。 CrやMoがパーライト変態を遅延する理由は、MnやNiとは全く異なります。 オーステナイトを最も安定化させる元素はC(、N)です。 CrやMnは炭化物を作りやすいためCが除去されオーステナイト域が狭まってしまいます。 つまり実際の材料の炭素量よりも低い材料と同じような変化をしてしまいます。 それによりTTT線図においてパーライトが生成し始める線が長時間側に移動し、パーライトの形成が遅延します。 ただベイナイトが生成し始める線は変わりません。 この理由はど忘れしてしまいましたが、冷却速度が大きすぎて炭化物が形成されるほどの時間がなかったという理由だったような気がします。 すみませんこれについては特に自信がありません。 Ms点の変化における合金元素および炭素量の影響についてもギブスの自由エネルギーから説明できたような気がします。 あやふやな情報で申し訳ありません。 "鉄鋼材料の化学"を読まれるとよいかと思います。

noname#230358
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 なんとなくイメージが湧いてきました。 SCMの状態図をしらべて見ます。 また、参考になる書籍も教えてもらってありがとうございました。

その他の回答 (3)

noname#230359
noname#230359
回答No.4

回答(2)の者です。 どういうメカニズムでそうなるのか???ですが、以下のURLの内容で簡単に覚えている だけです。 後は、大学のセミナー内容や論文を確認すると良いのですが、やはり大学教授等に相談 した方が良いと考えます。

参考URL:
http://tobu.or.jp/yasashii/book/gj04.htm http://tobu.or.jp/yasashii/main_index.htm http://tobu.or.jp/yasashii/kouzai/boo
noname#230359
noname#230359
回答No.2

焼きが入りやすい(深くまで焼けるは、当てはまらないと思いますが)理由は、炭素(カーボン) 換算になるからです。 炭素当量(相当炭素量)%= C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14 のようにです。 直接的には参考にならないと思いますが、間接的に参考にして下さい。 元素の対焼入れ特性をそこまで理解しているなら良いのではないでしょうか? 中々、自然現象を整理し、特性を掴む(証明する)だけでも大変な事です。 その自然現象のメカニズムまで証明するとなると、大変な動力ですし、検査機器も必要です。 利益にならない検査(検出)機器は、製作の計画にもならないので、今回の内容は難しいと 考えます。 その前に、何故焼きが入るのか、その詳細メカニズムは?? 何故、マルテンサイト変態等の変態が起きるのか、その詳細メカニズムは?? からの話しになると思います。 熱処理の学会に参加し、質問されてみては如何でしょうか? 多様なメカニズムを記載した論文を紹介してくれるかもしれません。

noname#230358
質問者

お礼

ありがとうございます。 焼きが入りやすいってよく使われる言葉ですが、私はわかりずらい表現だと思います。 炭素以外の合金元素での”焼きが入りやすい”     =冷却が多少遅くなってもマルテンサイト変態を起こせる     ≒深くまで焼ける     ≠表面硬度があがる 炭素での”焼きが入りやすい”     =マルテンサイトの硬度が高くなる だと私は認識しています。 ただ、どういうメカニズムでそうなるのか理解できていないのです。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

下記サイトに鋼中に各元素を添加したときの特徴的な性質は 『マンガン(Mn):これはごくありふれた安い合金元素ですが、きわめて 重要ななくてはならないものです。これは、1.2%以上含まれるとマンガン鋼 といって、合金鋼の仲間入りをするわけです。MnはCほどではありませんが、 強さと硬さを増し、そのわりに粘さを損わないもので、また、焼きが入り易 くなるので、調質用鋼には欠かせない元素です。 クロム(Cr):これは多才な元素です。なかでも代表的な効能は、摩耗に強 く、さびにくくなることです。ボールベアリング鋼(SUJ)にはCr1%・ダイ ス鋼(SKD11)にはCr13%・ステンレス鋼(SUS)にはCr13%以上入っていま す。また焼きが入り易くなり浸炭を促進する有用な元素でもあります。さら に、値段も手頃なので重宝な元素です。 モリブデン(Mo):これはいろいろな合金鋼に使われ、非常に信頼性のある 働きをします。その効能も優秀なので、数ある合金元素のなかで最も尊重さ れている元素の一つです。鋼の焼入性、つまり焼きの入る深さを増す第一線 級の元素で、高温に加熱された時結晶粒の粗大化を防ぎ、高温張力強さを増 大します。さらにステンレス鋼の耐食性を向上させる能力を持っています。 ただ国産でないので、値段が高いのが欠点です。』 とあります。 組織変態のメカニズムはよく判りませんが,炭素(C)やMnはオーステナイ ト領域を拡大する性質があり,CrやMoは逆にオーステナイト領域を縮小 させる性質があります。このことは添加元素の拡散速度を遅らせると思われ るので,パーライト変態を遅延させている可能性があります。 下記参考になると思います。 http://www.netushori.co.jp/story/index.html

参考URL:
http://homepage1.nifty.com/shincoo/m184kanzai-kinnzoku-2chisiki.html
noname#230358
質問者

お礼

ありがとうございました。 どうしてCrやMoはパーライト変態を起きにくくできるのでしょうね?不思議です。

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