深い加工について
- 機械の操作方法やホルダー、刃物の知識が不足している初心者が型の切削加工に挑戦するための疑問について説明します。
- 深い加工では刃物の突き出しや削り込みの方法が重要です。一度に削る場合は必要な刃物の長さがありますが、一つの方法として2段や3段に分けて削りこむこともあります。
- Z方向の加工での限界のミリ数は材質や刃物の径によって異なりますが、通常は数十ミリ程度を目安に考えると良いでしょう。ダイジェットのミラーラジアスエンドミルは凸壁に対応し、底Rを付けることができる有用な工具です。
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深い加工について
お世話になっております。 非常に初心者の質問で大変恐縮ですが、何卒ご教授頂きたく宜しくお願い致します。 年内に型を切削加工するためのマシニングを入れることになったのですが、これまでNC機械の導入は全く初めての経験で、機械の操作方法もさることながら、ホルダーや刃物の知識も全くありません。そこで、ずっと疑問に思っていたことがありまして、型なので立ち壁の高い製品や、掘り込みの深い製品といったものが多数あります。 例えば、凹の形状があったとして、ヘコの部分の深さが200mmとか、凸形状のもので、トツの部分の高さが150mmとかあるものがあります。その際、1発で削ろうとすると、深さ200mmであれば、刃物の突き出しを200mmにしないといけないと思いますが、そんな長い刃物があるのでしょうか?それとも、このようにたっぱの高い製品は、2段や3段に分けて削りこまないといけないということなのでしょうか。(例えば100mmの形状を削り終えてから、上に100mm貼って再度上の100mmの部分を加工するとか。) 刃物は色々と調べたのですが、φ50とかですと、全長300mmの刃物がありますが、それよりもはるかに小さい径の刃物を使用しないと、コーナーRなどに対応できないため、例えばφ6で全長300mmとかの刃物が必要な機がしますが、そんな刃物はないような気もしますし、あってもビって加工できないような気もします。 というようなことで、通常、Z方向の加工は、1回で行おうとすると、何ミリくらいが限界なのでしょうか。ちなみに、削るワークの材質はケミカルウッド(樹脂)です。 分かりにくい表現がありましたらご指摘下さい。 ぜひ、宜しくご回答の程お願い申し上げます。 ■ ダイジェットのミラーラジアスエンドミル、というのが、本件に関して有効に使用できる工具なのでしょうか。(凸壁に対応でき、底Rを付けられるという意味で) どのたかご存知の方がおられましたら、アドバイス頂けますと幸甚でございます。 宜しくお願い致します。
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壁面にエンドミルの外周刃を一度に何百ミリと引っ掛けて削るという事は、 一般論としては、殆ど無いだろうと思います. 仮にそれだけの刃長があったとしても、エンドミル外周刃の根元の何割かは 切り屑排出性を高めるための意味合いが強いですし、 また、一度に多く引っ掛けますと、色々と不都合も出るものです. 一度に切り込める長さというのは、対象物の被削性や、切り屑の形態、工具の切り屑収容力、 機械や工具の剛性など様々な要素により変化しますし、 工具の径方向の切り込み量と合わせて、面積的に考える必要もあります. 切り込み面積は、二枚刃で工具の径の二乗の三割程度、四枚刃でその半分くらいが基準になると思います. 細かな条件は、実際に削ってみないと判らない部分もあります. 深い場所の加工は、色々なアプローチの仕方があり、 例えば、首が長く先端だけに刃の付いたエンドミルで何回かに分けて切り込んだりなどします. 5軸マシニングなら、より加工方法の幅が拡がります. 工具と加工対象物との干渉が無い様に、工具や対象物を傾けて、 ボールエンドミルなどで平面を削るという事もできるようになります. クレビスの様なコの字形状なら、エンドミルでなく、 スロット用の大径カッターで削り取る事もあります. それができる機械は限られますけれどね. 機械メーカーや機械商社でも、ある程度判っているハズですから、 打ち合わせに際して訊いてみるのもよろしいかも知れません. 選定がまだでしたら、そういう加工をするならこういう機械の方が良い、とか こういう仕様にもできる、とかという話も出て来たりします. 工具の方は、物理的に不可能な形状とか、明らかに加工に不都合の出る形状でない限り、 既製品にはなくても好みの形状で製作が可能です.
1さんの通り、壁がテーパなら焼きばめホルダーで対応出来ます。 でなく、垂直なら『立ち壁対応型多機能エンドミル(FXS-MFE)』がOSGから発売されてますが、それでも限界があります(カタログ不明) >通常、Z方向の加工は、1回で行おうとすると、何ミリくらいが限界なのでしょうか。ちなみに、削るワークの材質はケミカルウッド(樹脂)です。 加工屋さんは金属主体ですから、通常ではなく、ケミカルウッドなら工具径と同程度の深さ切込みまででもOKなのかナと想像します。
お礼
返信遅れまして申し訳ございません。 アドバイス頂き誠にありがとうございます。 『立ち壁対応型多機能エンドミル(FXS-MFE)』参考になりました。もう少し情報を調べて応用できないか検討してみたいと思います。 >通常、Z方向の加工は、1回で行おうとすると、何ミリくらいが限界なのでしょうか すみません。質問の仕方・表現が不十分でした。樹脂の場合は、最悪Z方向を何段も積み重ねて加工することが出来るため、例えばZ150mmの製品が刃物的に加工できない場合、半分で割って、半分削ったら、もう半分を貼って再度削るということで、その意味での”1回”で削れるZの高さの一般的な限界値は何ミリ程度でしょうか、という趣旨の質問でした。(1回のZ切込み量と勘違いできる表現ですみませんでした。) >ケミカルウッドなら工具径と同程度の深さ切込みまででもOKなのかナと想像します 参考になりました。常にそうではないという前提で、基本はそのくらいと頭に入れておきたいと思います。
補足
度々の書き込みですみません。 >1さんの通り、壁がテーパなら焼きばめホルダーで対応出来ます。 とありますが、型なので抜き勾配が付くケースが多いものの、低勾配を要求されることが多く、通常1°から少ないと0.5°くらいの時もあります。焼きばめホルダーはみな3°に作られているようで、これを使用して刃物の突き出しを50mm程度と考えても、120mm程度の壁が限界のような感じがします。(簡単に断面を書いて調べてみた結果です) ただ、かまぼこ状の形状の場合、つまり板の上に半円形が載っているような形状の場合は、焼きばめホルダーでかなり削れるような感じがします。単純に凸の形状で立ち壁が高い場合はロングのフラットエンドミルを探さないと対応できないのかなと考えておりますが、いかがでしょうか。凸の壁の根元には通常3RくらいのRが付くケースが多いのが難点です。
深さのあるポケット加工と理解してお答えします。 >上に100mm貼って再度上の100mmの部分を加工するとか。 通常、金属加工の場合はやりたくても出来ません。 その場合は刃物やホルダーを工夫して加工します。 焼きばめツール等のホルダーはロングサイズもあります。 直角の壁などの加工が多いならば、4軸又は5軸制御のMCをお勧めします。 ワークを傾けて加工することにより、壁との干渉を避けます。 機械のATCにも注意してください。 カタログのATC(自動工具交換)の項目を良く見て、 使用できる工具の最大長さや工具径、重量などを事前に確認してください。 機械がワークを削るのではなく、刃物が削るのです。 ■どんなワークを どんな刃物で どう動かして 加工したいか? これによって機械の機種と仕様(オプション)が決まってきます。 ツールや刃物も業者とよく打ち合わせてください。 特殊ツールや刃物、標準品の改造等、皆さん色々とやっていますよ。
お礼
返信遅れまして申し訳ございません。 アドバイス頂き誠にありがとうございます。 焼きばめホルダーの活用などを検討してみたいと思います。5軸マシンは高価なのと、マシニング導入が全くの初めてということもあり、操作の問題などから、通常の3軸マシンで行わざるを得ませんので、何とか工夫して、出来るだけ1回で加工できるにしたいと思います。 商社さんに色々相談にのってもらおうと思います。
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