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ニッケルメッキのメッキ地金の調達コストについて
- ニッケルメッキ業の実務に携わっている企業から、メッキに使用するニッケルの調達方法と価格変動の情報を教えていただきたいです。
- 大阪商品取引所ではニッケルを商品として上場することを検討しており、メッキ業の方が価格変動のリスクをヘッジできる機会を提供することを考えています。
- メッキ業の経営は価格変動にもかかわらず安定的に可能なのか、あるいは工賃・手間賃としてのメッキ業相場が決まっていて安定な経営が成り立っているのかについても知りたいです。
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ニッケル電鋳で金型などを作っている業者です。 私どもは単品物の製作が主体で、その都度見積書を提出しているわけですが、ニッケル価格が変動してもそのために原材料費用を訂正すると言うことはやっておりません。 原材料費には過去の購入金額の平均値を使っています。 私の記憶では、メッキ用ニッケルとして、kgあたり700円台とか2000円を上回ったときとかがありますが、一般の客先では価格変動があるということすらご存じない方の方が多いのではないでしょうか。商品取引場へ上場されても、相場取引としてめっき業者がどれだけ活用できるか、疑問に思います。めっき業者に必要なニッケルはめっき用に加工された物であり、ニッケル地金ではないからです。 ニッケル価格が上がったからその分高くするということより、平均値ということの方が客先の理解は得られやすいのではないでしょうか。価格変動のリスクを背負っているという意識はあまりありません。 ご参考までに、原材料費が製品価格に占める比率は、1015%程度です。 購入はトン単位で、大手代理店から購入しています。
補足説明です。 何の業界でも共通するかと思いますが、めっき業界でも高度な技術や独自技術を持っていれば高い料金を請求でき、どこでも出来る仕事には、とんでもない低料金しか示されないのが現状です。 高い加工賃をとっている業者の場合には、原価率が低いためリスクが顕在化しても問題には至らず、低い加工賃しか請求できない業者の場合には、代金に反映させることは難しいといえます。 一般に、無電解めっきのほうが電気めっきより加工賃は高くなっていますが、均一電着性にすぐれているなど機能的に勝っている点があるため、精密なめっき厚制御が必要な品物などは無電解、単にニッケルがついていれば良いという品物には電気ニッケルという、分けかたがいささか乱暴ですができると思います。 ニッケルの電気めっきと無電解めっきの比率は、私にはよくわかりません。 全国鍍金工業組合連合会 TEL03-3433-3855 FAX03-3433-3915 に問合せていただければ、わかるかもしれません。
お礼
重ねてお答えいただき、ありがとうございました。早速、全国鍍金工業組合連合会に聞いてみましたが、 統計的な情報はないとのことでした。具体的な企業の事例を聞くようにします。どうもありがとうございました。
ニッケルめっきには、電気めっきと無電解めっきがあります。 電気めっきの場合には、陽極に金属ニッケルを使用し、めっきの析出とともに消耗します。 めっき代金に占める割合は、めっきの難易度や独自技術の有無により大きく変わります。 もちろん、難しいめっき、他で出来ないめっき等の場合に、割合が低くなります。 簡単なめっきの場合では、515%でしょうか? 無電解めっきの場合、メーカの調整しためっき浴を使用する場合が多いため、地金価格の変動は関係ありません。 よほど上昇すれば値上げを申し入れてくるかもしれませんが。 また、自社でめっき浴を調整している場合でも、硫酸ニッケル、塩化ニッケルなどのかたちで購入するため、通常価格変動はないと思われます。 ただし、無電解ニッケルの場合、めっき浴の価格が高く、めっき代金の相場は昔にくらべて下っているため、めっき浴としての原価率は、電気めっきより高くなります。 電気、無電解や金属の種類を問わず地金価格の変動がめっき代金に反映されることは、通常ありません。 ただし、貴金属めっきの量産品の場合には、変動制価格の契約を結ぶこともあり得ます。
補足
実務的で具体的な情報をありがとうございます。概要はわかりました。追加的な質問で恐縮ですが、 電気メッキと無電解メッキの比率は、全国ベースでおよそ何対何くらいでしょうか?また、おっしゃる ような価格形成パターンであれば、潜在的にメッキ業者はリスクを抱えてはいるものの、ニッケルの 占めるコスト割合が低いため、ニッケル相場を代金にスライドするまでには通常は至らないという ことで理解しておきます。ありがとうございました。 が
原油が変動すると石油製品は大きくコストが変動しますが、 ニッメルメッキ製品ではそれほど変動しないのではないで しょうか? メッキは素人ですからよく分かりませんが、ニッケルメッキ 製品におけるニッケル地金コストの占める割合は1%以下 ではないでしょうか? メッキ業よりもステンレスなどの 鋼業に聞いた方がいいのではないですか?
お礼
早速のご回答ありがとうございます。おっしゃる通り、ニッケルは多様な分野で使用されていますが、 ニッケル自体のコストが製品に占める割合はしれているケースが殆どかと存じます。 我々も川上の精錬メーカーからステンレスメーカー、商社、問屋などにもヒアリングしつつあります。 メッキ業についても1ユーザーとしてどうなっているのかを知りたくてこのサイトでお尋ねした次第です。
お礼
どうもありがとうございます。おっしゃるように発注者には平均値の方が通りが良いかと思います。 見積り価格はそのようにして提出されるにしても、例えばトン単位で購入されるとしたら、高い時には 100万円/トン以上するのですから、1回の注文で数十万円も差が出てくることもあるのではないか と思います。あくまでも、貴社の生産コストを平準化するために、取引所でリスクヘッジするということ もあり得るのではないかと考えているのです。確かに先物市場自体のイメージが良くないために、 大手商社あたりでないと商品取引所をリスクヘッジの手段として使っておられないようです。しかし、 今後、コスト削減意識が高まり、そうした市場を活用するような経営感覚が中小・中堅のメーカーにも 広がっていくのではないかと思います。現にガソリンが東京と名古屋の取引所に上場されたことで、 ガソリンスタンドの経営者がリスクヘッジに使っていることも事実です。業界の慣行により、メッキ 業界での浸透には時間がかかると思っていますが、こうした方法もあるということ自体を広報して いく所存です。貴重な実態を教えていただき、ありがとうございました。