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速記文字の読み取り速さについて
- 速記文字を使ってメモを取ることがメモ取りを楽にする方法として注目されています。
- 一般的に、速記文字を読み取るのはひらがなのみの場合よりも時間がかかると言われています。
- 速記に成熟した方でも速記文字で書かれた文章を読み取る際には時間がかかる傾向があります。
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速記文字は、読みかえす速さよりも、発言者の発言を一字一句まで正確に復元することを目的としています。メモとは違います。 速記はメモではなく、発言者の言葉を文字に転化することを目的とするものです。従って、復元に時間を要するかどうかという点に主眼を置いていません。 ただし、熟練した速記者であれば、自分の速記したものを読み取る速度は、未熟な人よりは速いでしょう。それに、耳から聞いた時の記憶が残っていますから、なおさらでしょう。 未熟な速記者の場合には、速記した文字を読み取ることに注意が向いて、その分、読み取るスピードは遅くなるのはやむを得ないのではないでしょうか。速記とは、発言者の発言を、一言一句もらさずに文字として再現することなので、それくらいに慎重な人の方が信頼がおけるくらいのものです。 正確に記録することが第一であり、復元する時間を節約することまでは期待できません。速記したものを見ながらキーボードを叩いて文字化していく作業なら、キーボードの入力が速い人の方が処理は速いでしょう。 メモの場合は、記憶の助けとするために要点を記録するわけで、必要なら漢字だって使うかもしれません。漢字の方がパッと見ただけで意味が分かる分、再生スピードは速いはずです。ロシア語通訳者の米原万里さんの著書を読むと、逐語通訳をする場合のメモには漢字も使ったとあります。 ひらかなも速記文字も、音を記録する手段です。音を記録したものなので、復元するにも、少なくとも頭の中で音を復元しています。時間がかかるのは当然です。 速記文字の場合は特に、極度に簡略化した記号を用いていますから、たとえば 「じしん」 という文字だということは分かっても、それが 「地震」 を意味するものなのか、「自身」 なのか、「自信」 なのか、判断をするために時間を要します (だから、速記文字を音として再現しようとすると、文脈から意味を考え、どういう語であるかを確定してから読むので、早く読むことはできません)。 速記はあくまでも記録する段階での時間の節約を主眼としているので、漢字と比べると復元するための時間がかかるのは当然と思われます。 ただし、メモの場合には、一言一句を記録しようとするものではないので、漢字とひらかなと速記文字の混合であれば、わりとスムーズに読み返せるのではないでしょうか。たとえば 「にほんではじしんがおおい」 という発言をメモする必要があれば、漢字で 「日」 「じしん」 「多」 とメモしておいても、元の発言からさほど時間をおかずに読み直せば、その意味するところを思い出すのに大して時間を要するとは思えません (ただし、お示しの文の場合だと、メモするに値する内容とも思えないので、私だったらメモしませんけれども)。 速記のすごいのは、メモと違って、ある程度の時間を経過しても、元の発言を文字として復元することが可能である点でしょう。しかしメモのようには素早く内容を思い出したりすることは期待できません。
お礼
丁寧な回答で非常にわかりやすかったです。 ありがとうございました。